あらすじ
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妊娠三か月目。私は一人で車を運転して妊婦健診へ向かっていた。 ところが交差点で事故に遭い、通りかかったカップルにまで「車に飾ってあるお守り、売ってくれませんか?」と尋ねられた。 意識を取り戻すと、病室の外から女の子とその恋人の会話が聞こえてきた。 「お守り袋一つくらい、もう少しお金を積めば譲ってくれるだろ」 その声は、私の電話に一度も出なかった夫のものだった。 そのお守り袋は、私が三か月かけて刺繍を習い、一針一針心を込めて縫ったものだった。 車の中に飾り、毎日お腹に向かって「どうか無事に生まれてきてね」と話しかけていた。 夫はその女を連れて病室に入ってきた。女は私を「お姉さん」と呼び、「妊婦さんで仕事もしていないんですよね? お金をせびって暮らすのも大変でしょうし、私と彼で慈善活動だと思って助けてあげます」と言った。 夫はQRコードを差し出した。 「いくら欲しいんだ?」 私は彼のサブアカウントを追加した。 三十分後、彼から百万円が振り込まれた。 振込メモには「お守り袋」と書かれていた。その直後、メッセージアプリに通知が表示された。 ――相手にブロックされました。 同じ日、看護師が病室に入ってきた。 「赤ちゃんの心拍が確認できません。できるだけ早く処置をする必要があります」 私は手術同意書に署名し、病院には「夫は長期出張中で、連絡が取れません」と伝えた。 後になって知った。彼はこれを「一時的な離婚」と呼んでいたのだ。子どもが生まれる前に再婚するつもりだったらしい。 彼は離婚協議書を差し出し、財産の七割を私に渡すと提示した。私が彼を待ち続けると思っていたのだ。 ところが、彼が恐れていた財閥の総帥――夫が自分に愛人をあてがったと主張していたあの社長が、私を抱きしめ、誤解しないでくれと言わんばかりに何度も首を横に振った。さらに、彼は屋敷もすべて私の好みに合わせて建てたのだと言った。 そして、この男性こそ、私が八歳の時、道端で出会い、手を引いて児童養護施設まで連れて帰った男の子だった。閉じる
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創意工夫ありし者創意工夫ありし者2026-11-03 19:15ネオ・デビューネオ・デビュー2026-11-03 19:14作者のひとりごと作者のひとりごと
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