女王ナーシャの豪奢な寝室は、主の目覚めを待たずして湿地帯特有の朝靄が晴れた後の、柔らかな陽光に満たされ始めていた。
陽は既に高く昇り、小鳥のさえずりすら聞こえてきそうな時間だというのに、部屋の主であるナーシャは、いまだに深い眠りの淵を漂っている……。
特注であろう、彼女の長大な蛇の身体に完璧にフィットするように作られた寝台の上で、その美しい虹色の尾を幾重にも自身に絡ませ、すやすやと穏やかな寝息を立てている。
「むにゃむにゃ……人間……覚えてろぉ……ん……?」
ふと、夢うつつの中で誰かの名を呼んだような気がしたナーシャは、自身の寝台のすぐ傍に、何者かの明確な気配を感じて、重い瞼をゆっくりと押し上げた。
そこには——
「やぁ、お目覚めかな?寝坊助の女王様」
にこやかない笑みを浮かべたアドリアンの顔面が、彼女の視界いっぱいに、それこそ鼻先が触れんばかりの至近距離で、ででんと映し出されていた。
そして、そのアドリアンの肩越しには、心配そうだが、若干引き攣ったような表情の魔族の少女——メーラの姿も見える。
「ぎゃああああーーー!?!?」
鼓膜を突き破るかのような絶叫と共に、ナーシャは寝台の上で飛び跳ねた。
しかし、寝ぼけ眼と、寝起きでまだ上手く言うことを聞かない長大な蛇の尾が災いし、ただ寝台の上で虹色の尾をびったんびったんと虚しく暴れさせるだけに終わる。
「な、なな、何故お前たちが、わらわの神聖なる寝室におるのじゃ!?不敬であるぞ、不敬の極みじゃ!」
ようやく上体を起こしたナーシャは、髪を振り乱し、顔を真っ赤にしながら叫んだ。
その剣幕にもアドリアンは全く動じた様子もなく、むしろ心底楽しんでいるかのように、にこやかな笑みを浮かべて言った。
「やぁ、おはよう、女王様。素晴らしい寝起きだねぇ。実はさ、俺たち、女王様と一緒に素敵な朝食をいただこうと思って、ウキウキしながら待ってたんだけど……侍女蛇さんに聞いたら『女王様はまだ夢の中です』なんて言うじゃないか。だから、これはもう俺たちが直々に起こしに来るしかないな、って思ってね。親切だろ?」
アドリアンのどこまでも人を食ったような言葉に、ナーシャは一瞬呆然とし、言葉を失った。
しかし、すぐにハッと我に返り、必死に女王としての威厳を取り繕おうと、ごほん、と一つ咳払いをする。
「ご、護衛はどうした!この部屋の外には、我がセルペントスが誇る精鋭中の精鋭がいたはず!それがどうして……」
「護衛?あぁ、折り重なってスヤスヤ気持ちよさそうに寝息を立ててる、勇敢なヘビさんたちのことかな?」
アドリアンが親指でくいっと示した部屋の隅には、数人のセルペントスの戦士たちが、それぞれの武器を抱えたまま、折り重なるようにしてぐっすりと眠りこけていた。
そのあまりにも無様な護衛たちの姿とアドリアンの悪びれない態度を目の当たりにして、ナーシャの美しい顔はわなわなと怒りに震え、その尾が再び激しく床を打ち始めた。
「あ、そうそう、女王様。俺たちが昨夜お借りしたお部屋にも、それはもうたくさんの、勇敢なセルペントスの戦士さんたちが、天井裏とか床下とかに、ぎゅうぎゅう詰めで隠れててね。いやぁ、あれは一体何だったのかな?もしかして、俺たちの身を案じて、特別に護衛を増員してくれたっていう、女王様の心温まる『おもてなし』だったのかな?」
アドリアンのどこまでも人を食ったような、しかし的確にこちらの意図を暴いてくる言葉に、ナーシャは「ぐっ……!」と息を詰まらせた。
顔がカッと赤くなり、視線を泳がせる。まさか、昨夜自分が放った隠密部隊のことまで、この男に筒抜けだったとは。
「そ、それは……そのぉ……そう!大切なお客様の安全を第一に考えての、わ、わらわなりの配慮に決まっておるではないか!」
「あぁ、そうだったのか!いやぁ、それならそうと早く言ってくれればよかったのに。てっきり、何か悪さを企んでる不届き者なのかと思って、つい、全員まとめて朝まで『説教』しちゃったじゃないか。あ、彼らの名誉の為に言っておくけど、『女王様に見張れと言われましたぁ!』だなんて誰も言わなかったから安心しなよ。……多分ね?」
その全てを見透かし、人を馬鹿にしたようなアドリアンの言葉に顔を真っ赤に染め上げたナーシャは、ついに我慢の限界を超えた。
「お……おのれ!さっさと出て行け!淑女の部屋に侵入する変態めが!」
寝台のそばにあった枕やらクッションやらを手当たり次第に掴んでは、アドリアンに向かって力任せに投げつけ始める……。
しかしそれらの攻撃は、踊るかのようにひらりひらりと身をかわすアドリアンには、一つとして当たることはない。
「おっと、これは大変だ。女王様が、朝からたいそうご立腹のご様子だ!メーラ姫、ここは一度退散して、先に食堂で女王様のお着換えと、それから、あの美しい虹色の尻尾のお化粧が念入りに終わるのを、のんびりと待たせてもらおうじゃないか!」
「ナ、ナーシャさん……!ご、ごめんなさい!お邪魔しましたーっ!」
メーラは、完全に状況に飲まれながらも、必死に声を絞り出して謝罪すると、アドリアンは「よし行こう!」とばかりに、そんなメーラを軽々とお姫様抱っこし、そのまま風のように部屋を飛び出していった。
一人、荒れ果てた寝室に残されたナーシャは、わなわなと全身を震わせ、もはや言葉にならない絶叫を上げた。
「こ……殺す……絶対に、殺してやる……!!きぇぇぇぇーっ!!!!」
女王の怒りの咆哮は、しばらくの間、セルペントスの隠れ里に虚しく響き渡るのであった。
♢ ♢ ♢
場所は変わり、女王の私室よりもさらに広大で、そして輪をかけて悪趣味な装飾が施された広間——。
「……」
そのテーブルの上座には、先ほどまでの怒りで肩を震わせていた名残を隠そうともせず、しかし必死に女王としての威厳を保とうと、腕を組み、ふいとそっぽを向いて座るナーシャの姿があった。
「いやぁ、清々しい朝……おっと、もう昼に近いか。うん、実に不健康極まりなくて、最高に素晴らしい一日の始まりだな!」
その向かいには、どこ吹く風といった様子のアドリアンと、その隣で、女王の不機嫌オーラとアドリアンの命知らずな軽口の板挟みになり、借りてきた猫のように縮こまっているメーラが座っている。
やがて、侍女たちが次々と豪勢な料理をテーブルへと運んできた。色とりどりの奇妙な果物、艶やかに焼き上げられた得体の知れない肉、そして見たこともないような鮮やかな深緑色のソースがかかった料理——。
メーラは、その芸術品のような料理の数々に、思わず「わぁ……!」と小さく声を上げ、目をキラキラと輝かせる。
しかし、そんなメーラが、目の前に置かれた紫色のスープに手を伸ばそうとした瞬間、アドリアンがそっとその手を制した。
「おっと、メーラ姫。慌ててはいけないよ。セルペントスの蛇さんたちはね、我々のような貧弱な人間や魔族とは味覚の構造がちょーっとだけ違うみたいでね。彼らにとっては極上のスパイスでも、我々にとっては、うっかり口にすると全身が痺れて、三日三晩踊り狂った挙句に泡を吹いて卒倒する、なんていう、ちょっぴり刺激的な調味料が、それはもうふんだんに使われているかもしれないから」
「ど、毒……!?」
アドリアンの不吉な言葉に、メーラの顔からサッと血の気が引いた。
先ほどまでの輝きはどこへやら、今にも泣き出しそうな潤んだ瞳で、アドリアンに助けを求めるように視線を送る。
「ふふん、どうじゃ、人間の英雄とやら、そして可愛らしい魔族の姫君よ。これこそが、我がセルペントス族が、遠路はるばるお越しくださった大切なお客様にのみお出しする、最高級の『おもてなし』料理じゃ。ささ、遠慮なさらず、その細い喉でじっくりと味わうがよいぞ?」
ナーシャは、明らかに恐怖に引き攣っているメーラの反応を見て、内心でほくそ笑んだ。
(くくく……これぞセルペントス流の歓迎!!この毒料理、我ら蛇の獣人にとっては極上の美味……だが、他の種族が口にすれば、まず間違いなくあの世行き……。まさか、こんなものを食べられるわけがあるまい。そして、この『おもてなし』を拒否するような無礼千万な輩の戯言など、このわらわが聞いてやる義理などない!きゃはは!)
ナーシャは、アドリアンたちがこの絶体絶命の状況をどう切り抜けるのか、そして無様に断って逃げ出すのかを、愉悦に満ちた表情で見守るのであった。
「へぇ、これはこれは、実に手の込んだ見事なご馳走だね、女王様。特にこの毒々しいまでの色艶と、鼻を刺す刺激的な香り……素晴らしいじゃないか」
アドリアンは運ばれてきた料理を興味深そうに眺め、そう言いながら、ふと、ある一皿に目を留めた。
それは、鮮やかな緑色のソースで和えられた、明らかに「カエル」と思しき食材の料理だった。
その料理から、ナーシャへと視線を移し、アドリアンはどこか探るような、そして昔を懐かしむような目で、楽しげに口を開いた。
「ところでさぁ、女王さま。……もしかして、今でもカエルは、苦手だったりするのかな?いや、なんとなく、昔そんな話を聞いたような気がしてね」
しかし、その問いに、ナーシャはキョトンと、大きな切れ長の目をぱちくりとさせた。
その表情には純粋な困惑だけが浮かんでいる。
「カエル……?カエルが苦手じゃと?……ふん、馬鹿馬鹿しい。そこの『月光苔と毒蛙のテリーヌ』は、この湿地帯でしか味わえぬ、極上の珍味じゃぞ?むしろ好物じゃが」
そう言って、小首を傾げるナーシャの姿には、嘘や強がりを言っている様子は微塵もなかった。
本当に、心の底から、アドリアンが何を言っているのか分からない、といった顔だ。
その反応を見て、アドリアンは内心で静かに頷いた。
(なるほど……。この世界の『ナーシャ』は、カエルが平気なのか。やはり、細かいところで記憶とはズレがあるらしい。根っこの部分は似ていても、全く同じ人生を歩んできたわけではない、ということだね)
帝国のドワーフたちもそうだが、この世界と前の世界は完全に同じなわけではない。
ナーシャの場合、カエルが苦手という前世の事実は、この世界では存在しないようだ。
そして、アドリアンはすぐさま次の言葉を紡ぐ。
「それじゃあさ……昔キミは、こういう毒のたっぷり入ったお料理が大の苦手だったよな?一体いつの間に克服できたんだい?」
ピタリ、と。ナーシャの動きが止まった。
その反応を見て、──今度は、当たり!と言わんばかりに、アドリアンはにやりと笑った。
「確かあの頃は、毒なんてこれっぽっちも入ってない、人間の里で売ってるみたいな、あまーい、あまーい綿菓子が何よりも大好きだったよな?」
「は……はぁ!?わ、わわらわが、ど、毒料理が嫌いだった、じゃと!?そそそ、そんなわけが、な、ないではないか!?む、昔から、このわらわは、どんな猛毒であろうと、美味しくいただけておったわ!わ、わざわざ必死に頑張って毒に慣れて、よ、ようやく蛇並みに食べれるようになった、だなんて、そ、そんな情けない過去、断じて、断じてないぞ!……あ、い、いや、今の、今の言葉は全部ナシじゃ!今のナシ!!」
取り乱した女王の姿と、次々と暴露される衝撃的な過去の秘密に、侍女たちは恐怖と好奇の入り混じった表情で固まり、メーラもまた、開いた口が塞がらないといった様子で、ただただ目の前の光景を見つめるばかりだった。
「女王さま、今なんて……」
「まさか、あの噂は本当なのかしら?」
(──今だ!)
そして、アドリアンは、そんな大混乱の隙を突いて、誰にも気づかれることのなく、自然な仕草で自分とメーラの前に置かれた毒料理にだけ『解毒の魔法』をかける。
さらに……ナーシャの前に置かれた料理には、こっそりと『毒性を数倍に強化する魔法』を上乗せするのであった。
「そ、それよりも!せっかくの、せっかくの料理が冷めてしまうではないか!ささ、はよう食べんか、人間ども!はよはよ!!」
なんとか落ち着きを取り戻そうと、ナーシャは必死に平静を装い、しかしその声は僅かに上擦ったまま、アドリアンたちに食事を勧めた。
目の前に並べられた、明らかに尋常ではないオーラを放つ料理の数々を前に、メーラは顔を青ざめさせ、小さく震えている。
しかし、アドリアンはそんなメーラの不安などどこ吹く風、余裕綽々の笑みを浮かべてナーシャに応えた。
「それもそうだね、女王様。せっかくの『おもてなし』だ、残さず綺麗に頂かないと、料理してくれたヘビさんに申し訳が立たないってもんだ。遠慮なく、頂くとしようかな」
「……え?」
あっさりと、それも嬉々として承諾したアドリアンに、今度はナーシャが目をぱちくりとさせる番だった。まさか、本当にこの毒料理を食べるとは思っていなかったのだろう。
アドリアンは、一切の躊躇もなく、目の前にあった料理を、銀の匙でたっぷりとすくい上げると、それを口に運んだ。
「ア、アド……!?」
メーラが悲鳴に近い声を上げる。
猛毒を平然と食べたアドリアンに、メーラは信じられないといった表情で目を見開くが……当のアドリアンは、もぐもぐと数回咀嚼した後、こくりとそれを飲み込み、そして満面の笑みを浮かべた。
「うーん……これは、実に美味しいねぇ!正直、朝からいただくには少々パンチが効きすぎている気もするけど……素晴らしい!この里の料理蛇さんは、間違いなく天才だ!」
毒料理を、極上のデザートでも味わうかのように褒めちぎるアドリアンに、ナーシャも、そしてメーラも、ただただ唖然として、その言葉を失うばかり。
「メーラ姫も食べてみなよ!美味しいから!」
驚愕に目を見開くメーラに、しかしアドリアンは有無を言わさぬ素早さで、先ほど自分が口にしたのと同じ料理を匙ですくい上げると、そのまま抵抗する間もなく、彼女の小さな愛らしい口へと優しく放り込んだ。
「んーっ!?!?……ん、んんん?」
いきなり口の中に広がる未知の味と、先ほどまでの「毒」という言葉の恐怖に、メーラの身体がびくんと硬直する。
しかし、数回、恐る恐る咀嚼してみると……想像していたような苦痛や痺れは一切なく、代わりに、濃厚で、複雑で、そして今まで味わったことのないような奥深い美味が、舌の上でとろけるように広がっていくではないか。
彼女の瞳が、驚きと喜びにキラキラと輝き始める。
「お……おいしい……!?うそ、なんで……?」
なぜ、あれほど恐ろしいと聞かされた毒の料理が、こんなにも美味しいのだろうか……?
アドリアンが密かに行った解毒魔法など知る由もないメーラは、不思議そうに小首を傾げながらも、そのあまりの美味しさについ手が伸び、自分から匙を取って次の一口を運び始めていた。
「いやぁ、本当に美味しいねぇ。この『沼クラゲの水晶煮』っていうのも、見た目はアレだけど、ぷるぷるしてて絶品だよ」
「あ、ほんとだ!こっちのクラゲさんも、なんだか不思議な食感だけど、すごく美味しい!このテリーヌも……うん、ちょっとピリッとするけど、癖になる味かも!」
アドリアンとメーラは、極上の料理に出会ったかのように、目を輝かせ、次から次へと、本来ならば触れることすら危険なはずの毒料理を、本当に心の底から美味しそうに、そして幸せそうに食べ進めていく。
その信じがたい光景を、ナーシャはただただ放心したように見つめていた。
(な、なぜじゃ……!?なぜ、あの人間と魔族の小娘は、わらわの里が誇る猛毒料理を、そんなにも……そんなにも美味そうに食べておるのじゃ!?演技……?いや、しかし、あの毒の量は、いかなる人間や魔族であろうと、一口で耐えられるはずがない……。な、何が……何が起こっておるのじゃ……!?)
疑問符ばかりが頭に浮かび、思考が完全に停止しているナーシャに、アドリアンは追い打ちをかけるように、悪戯っぽい笑みを浮かべて言った。
「おや、女王様は召し上がらないのかい?それ、確か女王様の大好物なんだろ?……あぁ、それとも、もしかして、今でも本当は毒料理が苦手だったりするのかな?だとしたら、無理強いしちゃって申し訳なかったね」
アドリアンのその、あまりにも人を馬鹿にしたような言葉に、ナーシャの中で何かがプツリと切れた。
疑問も混乱も全て怒りの炎に飲み込まれ、その顔を真っ赤に染め上げて叫んだ。
「お、おのれぇぃ!!こ、このセルペントスの女王たるわらわが、こ、このような、ただのピリ辛料理ごときを怖がるわけがなかろうが……!!よ、よぉく見ておれ、人間!このわらわの見事な食らいっぷりをな!!」
彼女は、怒りと挑発に乗せられ、完全に我を忘れてしまったのか、目の前にあった例の料理——アドリアンがこっそりと『毒性を数倍に強化する魔法』を上乗せした料理の皿を乱暴に持ち、飲み物でも呷るかのように、そのまま一気に口へと流し込み始めた。
「あっ……」
まさか、あれほど豪快に、それも一滴残らず食べ尽くす勢いで口に運ぶとは思っていなかったのだろう、アドリアンは珍しく、ほんの僅かに焦ったような声を漏らした。
──その直後であった。
「──っ」
ナーシャの動きが、石になったかのようにピタリと止まった。そして次の瞬間には、プルプルと全身が小刻みに震え始める。
「ナーシャさま……如何なさいました……?」
周囲に控えていた侍女たちや、隣に座っていたメーラが心配そうに彼女の様子を伺うが、ナーシャからの返事はない。
アドリアンだけは、「一気に食べるから……」と、どこか呆れたような、それでいて自業自得だと言わんばかりの表情を浮かべている。
そして……。
「ぎ……ぎょえええええええええええええーーーーーーーーー!!!!!」
セルペントスですら耐えられない領域へと昇華された凄まじい毒が、ナーシャの全身を一気に駆け巡ったのだろう。
彼女は白目を剥き、泡を吹きながら、操り人形の糸が切れたかのように、そのまま椅子から崩れ落ち、完全に意識を失ったのであった──。