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第12話

瞬間、アルティノは僕の刀を掴み、グワンと外に回す。すると盾すらも持っていない前原悟は、簡単に何の防御も無い状態になってしまい、彼女による蹴りの一撃を許してしまった。

その衝撃で後ろの方にノックバックを食らい、そのおかげで地面に背中からボンボンボンと3度当たってしまう。一瞬彼は困惑していた。何の変哲もない、しかも悪意もないはずなのに怒らせることになってしまったのだから。

その天井を見上げる。すると魔王アルティノは翼を生やし、そしてドラゴンのように甲が堅い鱗と爪で覆われた手をこちらに向けて落ちてくる。僕はすぐさま横に回転して避け、自分の落ちて行った刀を掴む。まるで見た目15歳の少女からドラゴンに変わっていくように、横で見ると彼女の顔は白髪でそして赤眼で少しドラゴンに近くなっていった。

今まで以上に無い脅威、まさにそれはこれまで旅をしてきた友にあった。その白髪はその鱗の色となり、その僕を今までの憎しみの様に睨む目はドラゴンの目のように大きくなり、やがてそれは大きなドラゴンの一部と化していった。

アルティノ「あなたを勇者にしたことが私の間違いだったわ・・・・今ここで死ね!マエハラサトル!」

彼女のBox Collider、いわば誰にも殺される事のない呪いはガラスのようにバリン!と割れて、その大きな白い巨体がこちらを覗く。その雄たけびと共に。

ギャオオオオオオオオンッ!!!!!!!!

その雄たけびの出す衝撃波によって吹っ飛んでしまいそうな程だ。アルティノ・アングウィス、これまで見ていた彼女の姿は仮で、このドラゴンの姿が真の姿となっていたとは思いもよらなかった。人間族とドラゴンのハーフだとか言っていたが、むしろドラゴンの血筋が大きい程に感じた。

僕はその衝撃波に負けず立ち上がる。そして抵抗の姿を彼女に見せた。

前原「もう、これでいいんだ・・・これでもう終わりだ。全てを、このゲームの全てを終わらせるんだっ!」

その自分の刀と共に、その大きな脅威に立ち向かう。そう考えていた時には、自然の体が其処に向かっていた。すると彼女はいきなり自分の牙のある口からブレスを吐く。まるで彼女が人間の姿であったときに呪文を唱えて言っていたあの技と同じような物が目の前に現れる。しかし彼女の巨体のお陰か、それか僕はその攻撃を簡単に見切る事が出来た。

その攻撃を避けるために、彼女からもらった浮遊を使ってその彼女の目の高さまで浮き上がる。その自分に呪いをかけた因縁の相手と同じ目の高さに。

そして二つの丸い目の中にある細長いダイヤの形の黒い部分がこちらを視界にとらえている。

前原「剣術の極意・・・目の前・・・力は・・・最大限!」

その自分の刀を両手で、そして頭の上に刃を立たせる。すると自分の持っている刀がその柄の色とは対照的に青く光り始める。その瞬間、呼吸する間もない程の連撃を彼女に思いっきり、自分の力が張り裂けるほどに食らわせる。しかしそれは鋼鉄なる翼によってキンキンキンキンキン!と鉄が打ち合う音がしているだけだった。

その状況を映像で垂れ流している各都市にある冒険者は、むさくるしい男達でごった返していた。皆その状況に一喜一憂しながら、固唾を飲みながら真剣に見ていた。しかもなぜかそれは固定された場所から見下ろした所をずっと映している。普段はうるさい男たちがその状況をずっと夢中になって眺めているのだ。そう、このマエハラサトルの魔王討伐記は各都市で、それぞれの冒険者会や場所で人を集めて見られている。

~アルファ掲示板~

アバドン生命の樹ゴールド講師@月曜一限“なんか今、だれが置いて行ったのかわからない水晶から映像が流れてるんですけど”

信者どもは貢ぐべし“あ、それ私の所でもあるわ”

剣の初心者“そうなっているのですか、俗世の事はあまり知らなくて。凌望”

そしてアルファ掲示板でも、島を隔てた先でもそれは見えている。

ABS553“そんなこともあるでしょうからこっちでも流しますね”

すると一人の住人、ABS553はその様子をアルファ掲示板でも流し始める。それはまるで、YouTubeのライブ配信のような感じでもう一画面を各住人の元に立ち上げた。

~~~~~

そんな僕がライブ配信されている状況が何かアルファ掲示板と同じようなプラットフォームで流されている。そして彼女の大きな目、その前でも白いパネルがあった。

今だ!今こそ最大のチャンスだ!

そんな思いで彼女に向かって走る。しかしいきなり自分の腹に当たったのは彼女の大きな尻尾。回転したことによってそれが鞭のように当たる。そんな痛みが血反吐を吐かせ、吐しゃ物をその綺麗な床に吐かせる。おかしいな?立ち上がれない。魔王の目の前で足がすくんで立てない。もう終わりか、と思っていたそんな状況に、とある人物がその横に立っている。

因縁の相手、ABS553。彼が来た途端、世界はまるで止まったようになる。

ABS553「あれ?あれあれ?これはこれは前原悟さん、またの名を我が星。もしかしてもうここでギブアップですか?あれだけ星の信者達を裏切っておきながら?自分を変えるための修行をしておきながら?もしかしたら誰かさんは選択を見誤ったかもですねぇ~?違いますか?あれだけこの土地はあなたを必要とされないと再っ三!警告したのに、信者の教祖になって優雅な生活を送れたはずなのに。なにも不自由はない生活を送れたのに。いかにもあなたが選択を見誤るとは思いもよらなかったですねぇ~笑。互いに協力していればどちらもWIN-WINだったのに。あなたは裏切ってまでその地位が欲しいのですか?」

その男は僕を煽っていた。左手に回転式拳銃を持ちながら。頭にその側面をつけながら。

ABS553「なんとも滑稽ですねぇ~!!いかにも滑稽だ!まるで飴がとりたいだけに自分の親を貶める子どものように滑稽だ!そんな滑稽な方はなんとも笑えるほどにも・・・アッハハハハハ!」

その男は笑っていた。そして僕をイラつかせていた。

ABS553「まあ頑張ってくださ~い。どうせ出来ないでしょうから(笑)」

その男に煽られた前原悟はプッチンと切れるように頭に来た。そして彼はもう、崇められる存在として頼られる存在としての自分を捨て彼女と敵対してどこまでも落ちていくことを選んだ。

~~~~~

ABS553「まあああやって言っておけば必ず食いつきますね。大概は・・・

さあ実況が遅れました!」

「刮目せよっ!我が星の勇敢なる戦いをっ!とくと凝視せよっ!一人の青年の!魔王への大反抗をッ!!」

そう言う彼の元には水晶玉が長い三脚の上に置かれており、それはやがて一つの長方形を生み出す。そこには日本刀を持った男が玉座の前にそびえたつ魔王、いやドラゴンに向かって思いっきり、彼の一太刀を浴びせようと向かっている所が映った。

ピギャアアアアアアアアアア!!!

その大きく白いドラゴンの叫ぶ衝撃波は、彼のその向かうベクトルとはそれと逆に働く。だけど彼はもその力を物ともしていない。むしろへっちゃらぐらいだ。

前原「うおおおおお~~~!アルファ掲示板!その掲示板に出ている魔法を全部一括ダウンロードしろ!」

“一括ダウンロードします。よろしいですか?※重複している物は自動で削除されます”

“氷の息吹”

“グラファイト・ブレット”

“翻訳”

“透明化の魔法”

“寒波”

“ファイヤーボール”

“アイスボール”

“自己回復”

“サンダーボール”

“治癒の女神の加護”

“剣術の極意”

“氷霜の恐怖”

“火炎の息吹”

“雷電の一撃”

“暴風の回天”

“浮遊”

“・・・”

そんな一覧表が現れる。勿論“はい”を押そうとしたが、一つまだ途中の物があった。

それは・・・

信者どもは貢ぐべし“使って”

大いなる力 ダウンロードする

なんとも抽象的に近い物だったが、十分に分かる物だった。なぜならこれ使ってくる魔法と一回戦ったかもしれないからだ。

前原「(ありがとう・・・セシリアさん・・・!)」

勿論それを含めて全部を自分の能力としてダウンロード、インストールするためにもちろん、

「はぁい!!」

ウルトラソウルの勢いで言った。

しかし彼女はその衝撃波に何とか持ちこたえている様子が気に食わなかったのか、いきなり自分の口に赤いブレスをため込んでいる。そして一気にボおオオオ!!と、前原悟とその周囲を燃やす。もうこれで終わりか、案外大したことは無かったな、と彼女はその脳みそで勝ち誇ったのも束の間、その炎の中からいきなり、

パァンッ!

あの時彼女に当たるはずだった物が今になって帰って来た。その大きな的に近い目に向かって。その当たった魔王はぐぎょおおん!と言葉にならない叫びを起こして悶絶し、その目からは血が出る。片目で見ればその炎は壺のように形が変えられていた。その炎が消えた瞬間、それは露わになる。風、雪、それは寒波となって前原悟の目の前に結界を作っていたのだ。

前原「もう終わりか?」

そんな事を言っては、また僕はそのドラゴンに向かって、彼女に向かって自分の日本刀を使って思いっきり全力を使って、走っていく。

前原「氷の息吹!アイスボール!」

一つ、また一つとダウンロードしていった魔法を使っていく。まず一つ、足を封じ込めて。

前原「サンダーボール!雷電の一撃!」

そしてもう一つ、またもう一つと魔法を使っていく。次に二つ、体を痺れさせて。

前原「ファイヤーボール!火炎の息吹!」

そして炎で来るなら、炎で焼き切って。そんな単純な戦略で一つずつ追い詰めていった。そして最後、

前原「剣術の極意!」

自分の日本刀をまた光らせて、そしてがら空きになった腹に向かってしたから切れ込みを、いや下からだけじゃあ足りない!もう、彼女を解放して誤解を失くすには全部の包囲からっ!!そんなことを思った彼は、6~7メートルもあるドラゴンな彼女の腸を、まるで星を作るように色々な包囲から切っていく。

ギャアアアアアアアアア

まるで悲鳴が女の子の叫ぶように聞こえると、少し心が痛む。恐らく彼女は一番苦しんだだろう。信じていた腹心の一人に裏切られて、そしてこれから殺される相手が全ての元凶だということを告げられて、僕なら完全に闇落ちする系の展開だ。

そして最後にその切れ込みを入れた中心に刀を刺して、とどめを刺したように見えた。

その大きなドラゴンはその女の子のような悲鳴を挙げて、こちらに倒れ始める。

前原「あヤバイ。潰される」

そんな事を言っていたかにはもう遅い。その大きな巨体は変な煙を出しながら僕を潰していった。まるで最後のあがきだと言わんばかりに。その巨体の下敷きになり、身動きが取れなくなっていた。

~~~~~

ヴィト「今、マエハラさんはどうなってんだろうね?」

彼女はその魔王城の外で聞く。すると、隣にいる凌雨華は淡々と

「マエハラだけが知る」

と一点張り。

ヴィト「もし助かったらさ、僕はマエハラさんと・・・「それ以上言うな。死ぬぞ?」

彼女はそれを横目に死亡フラグを立てようとしていたが、それは隣にいる彼女が口を押えて止めようとしたその瞬間、相手が隙を見せる所を狙われたのか、ヴィトの腹に一発の穴が銃声と共に開く。彼女、凌雨華が振り向いたときにはもう遅かった。彼女はゆっくりと膝から崩れ落ちていく。

凌雨華「うそ・・・でしょ・・・?」

その血に彼女は青ざめた。自分は仙人であんな銃という武器は全く効かないはずなのに、なのになぜ彼女が狙われたのか意味が分からなかった。

ヴィト「大丈夫・・・大丈夫だか「大丈夫じゃない!」

そのバリケードの中でも彼女が死んでいく様が見える。

「まずい、狙われる!すぐさま輪形陣を取れ!何としてでも守り抜くんだ!」

その掛け声が響いた瞬間、一人の少女が目の前に現れる。フラワーエルフの、頭にヤロウと言うの名の花を咲かせた一人の少女が声高々に言う。

「人間!こっちに来て!すぐ手当するよ!」

その瞬間彼らを囲むように、バリケードにこもっていた残りの集団が目の前にやって来た。

「死してなおここは通さない」の一点張りで。

~~~~~

「いえあああああああ!!!!!」

そんな身動きが取れないその前原悟とは横目に各都市の冒険者会ではその様子を見ていた酒飲みの中年冒険者達の歓声に包まれていた。ジャイアントキリングはどこにいってもでかい肴と言うわけだ。その瞬間、すべてはお祭りのようになり、そして酒は浴びるほど開けた。

~神の庭園~

「うおらああああああ!!!!魔族ども見たか!!」

一方でその庭園の長はというと信者達とは逆にホッとした表情を見せる。すべては終わったのだ。

~アバドン生命の樹魔法学園・食堂~

学園では講師陣専用の机の上に立ち、そして自分の学生服の破り、裸で下品な踊りをし始める者までいた。まあそいつは後日、学園を停学処分になったのは言うまでもない。

ちなみにそのゴールド講師とやらは横目で小さくガッツポーズをしていた。

~蓬莱の島~

その前原悟が魔王を倒す所を瞬き一つしないで見ていた凌望は、その眼から涙がほろほろと垂れる。勝ったことに感動しての涙だった。

~魔王城の上階~

パッチパッチパッチパッチ

ABS553「お見事、お見事です我が星よ。どれ、助けに・・・ん?あれは・・・先ほどのドラゴンと似たような・・・」

そうやって某北の将軍みたいな拍手をしていたが、かれはいきなり変な物を見たのか、思わず目を丸くしていた。

~~~~~

しかし肝心の本人は酒すら飲めない状況にいる。そのドラゴンの死体で全く動けない。

前原「クソッ・・・これ何キロあるんだ?全く足が出てこねえ」

しかし彼にとっての脅威はここで終わるわけではなかった。彼の目の前に立つ一人の少女の影が。それは黒いドレスに、白い髪、赤い目をした少女、アルティノアングウィスが血筋として限界を迎えた状態で立っていたのだ。思わず抜こうとしていた足の手を止めて、彼女の方を見る。

アルティノ「どれだけ生きれば気が済むの?どれだけ殺されなくて気が済むの?あなたは・・・私の事を変えてくれると思ったのに・・・」

彼女は涙を床に垂らしながらそう言った。彼女だって勇者の僕に信頼を少しおいていたのだ。それなのに元凶が自分だったなんて、はなかゲームをリアルにするための最善だと思っていたのに。彼女をよりリアルに魅せるための技術だったのに。

アルティノ「潰れなさい。あなたの罪と共に」

彼女はそのまま元居た場所に、玉座に戻ろうとする。僕は流れゆく意識の中に、どこか最初の洞窟を思い出した。最初の戦いの地で死にかけた、あの洞窟を。あの時は掲示板の事なんて全く知らなくて、ただそのABS553に生きたいですかと煽られるばかりにワイルドホーンの命を削ってこっちの命に代えた。本来死ぬはずの命を捨てたのだ。じゃあ逆の事も出来るよな?むしろ交換とかもできるよな?

そう考えていると、また同じような白いパネルがやって来る。それは今ここで行われる、究極の質問だった。

“ID“サラリー魔ン”に自分の魔法を強制的に交換して、ダウンロードさせますか?

ワイルドホーンの呪い 効果発動まであと60秒

はい  いいえ“

どういう事だってばよこれは?何を言ってるのかサッパリピーマン訳わかめだぜ☆そう考えていくうちにもカウントは減っていく。どうすればいい?ここで彼女を倒せるんだったら、魔王にはなりたくないけど確実に囚われの身から解放できるんだったらいいんじゃないか?じゃあこれは押す一択じゃないか!僕は思いっきりビッターンと大きな音が鳴るほど、その押すボタンをおもっきし押した。

アルティノ「?なに?自分がやったことを反省しているのか?マエハラサトル」

その音に気づいた彼女はいきなりそこによって、彼の顔を掴む。そしてその顔を掴むどころか、ドラゴンで押しつぶされていた体から一気に取り出す。

前原「なにって、そんな自分の能力を嫌うんだったら俺にくれよ。アルティノちゃ「私を気易くその名前で呼ぶな!笑うな!何がおかしい!?」

彼女にキレられる。どうやら彼女はその自分の能力が知らずのうちに交換されているのが分からないようだ。なぜならこれは“アルファ掲示板”という魔法を伴わないシステム。端末同士、言うなれば個人同士で直接データファイルを共有することができる通信技術、その名も

前原「いや~・・・さすがに知らずに威張ってる奴が面白くってな。こっちがP2P《Peer to Peer》を使って魔法を交換したっていうのに」

彼女は困惑していた、そして彼がもしかしたら死に際で狂い始めたのかと思って戯言を言ってたにすぎないと思っていたからだ。そんな彼女の小さな誤算は、大きな結果として生まれることになる。突如いきなり彼女は自分の僕よりも強い心臓に手を抑える。

アルティノ「な、なにをした・・・?マエハラぁ!!!」

それと同時に彼女は前の方から崩れ落ちる。そして呼吸が次第に早くなっていき、そして虫の息となっていった。

前原「これは“呪い”という言葉ではない、“寿命”という言葉だ。呪いで片づけられる程簡単な物では無い。今そのあんたの寿命と、僕の寿命を交換した」

まるで僕は自分が優位に立ったような気がしていた。それともう、彼女に害をなす者は誰も居ない。少なくとも彼女にとっての天国・・・なら。だから僕は、

アルティノ「はぁ・・・はぁ・・・マエハラ、サトル・・・最後に言い残しておこう。とくと・・・聞くが良い」

“彼女にとっての害をなくすために、僕は魔王になるのをやめる”

死んでいく目の前の彼女にそう誓ってその場から去ったのだった。

アルティノ「ありが・・・と・・・う」

魔王、いや15歳の少女アルティノによる感謝を置いて。

~~~~~

ABS553「次は私ですねぇ。間違いない。早くこの大陸の全てを制覇しないとですねぇ

前原悟さん、我が星が、あなたが裏切ったかわりに私はその代償を“あなたの周りに”支払わせましょう」

どこか悟ったような態度で、そう呟く人間が上から見ていた。

ABS553「さて、ここから撤収して次の“フェーズ”に移らないと・・・ですねぇ」

~~~~~

前原悟、と言う名の人物はこのアイセラ大陸から消息を絶った。神の庭園に書かれている書物のようにひっそりと。そしてライブ配信の様子から、かつての仲間であるヴィト・ローズとアンナ・シュトレンの二人が魔王を倒したとして後の大陸に名を馳せることとなった。そんな二人の内一人はどこか、寂しそうにその愛する彼をただ一人呆然と待ち続けるのみで、しかしそれは帰って来る気配が無かった。


実績解除 “まだ終わりじゃない”

―2025年3月21日 米中西部時間(GMT―06:00)11時51分獲得”


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