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第8話

僕はM60機関銃を捨てて、その刀を賜るが如くその体液の臭いが付いている所を握る。どこかそれは少し抵抗感があり、そして挙句の果てにこいつ、借り物にそんな変な液体を付着させるな。こっちはどんな顔して返せばいいんだ?

僕はその剣を貰うと、ゆっくりと引き抜いていく。まるで三船敏郎や真田広之をイメージするが如く。するとその剣は赤色に光り、その真の能力を発揮することになる。そして凌雨華はどこかにジャンプした後、屋根にいる兵士の足をその槍で払っては突き刺して一列全員を左右になぎ倒していく。

前原「やばぁ・・・」

僕は少し、彼女が敵じゃないことを神に感謝していた。

どの神かって?そんなんどうでもいいだろ神は神だこの野郎。これ以上突っ込んで来るってんならもう一回宗教戦争起こすぞこの野郎。

ヴィト「やばいね、あんな脳筋ゴリラ女より僕の方を見てよマエハラさん♡それと筋肉すごいよね、食べていい?♡」ジュルリ

いや横の奴もやばぁ・・・っすわ。こいつは人間を食ってるんだよ!

前原「あとでな」ダッ

僕も同じように自分の刀を使って目の前にいる敵の腸を胴体ごと切断しにかかる。それはまるで100人抜きのような無双で繰り出されていくような雰囲気であり、彼らはそんな恐怖心のおかげか、それともテンプレのテンパりかテンプラか、いやはや攻撃が止んだからこそ白兵戦の出番だ。それでも銃剣で攻撃してくる奴がいても、まるでかつて凌雨華と凌望師範に教わったことを復習しているような、それをこいつらに食らわせているような感じだ。そして後ろに続くヴィトは鳴りやまない狂信者の皆様を真っ向から迎え討つ。それは彼女の剣による狂った舞踏、剣技を繰り広げるがバラの如く、その攻撃は茨の如く。

そして彼女も自分の剣に収められた“ファイル”を展開し、その要素を召喚する。

ヴィト「ローズ家バラ流剣術、幕の内。その痛み、深く感動しただろう・・・だが終わりではない!心よ貫け!その眠る力よ、今そこに奪えッ!!」

そのパスワードという名の呪文で鍵を開けた時、彼女の剣には同じように茨の付いたものになっていたが、どこか違っていた。まるでそれは触手系のエロ同人誌によく出てくる魔力吸い取る系な感じ、いや催淫効果を持っていそうな蔓でぐっぽぉ♡ぐっぽぉ♡と音を立てながらその先端をパカパカと開けて針を出したり隠したりしていた。

前原「うわキショ!お前エロ同人からそのまま出てきた奴かよ!くっころ系のイケメン女騎士かよ!」

ヴィト「いいからどいて!何言ってるか分かんないけど!」

想いもよらず突っ込んでも、彼女はその意味が分からなくてそのまま前線に出る。そんな彼女はまるでそれを鞭のように、その彼女の持っている剣ごとぶん回して目の前に歩いていく。そしてそれが狂信者、まあ神の庭園に対して逆張りしかできない、チートを使ってでしか対抗することの出来ない可哀想な人達に当った瞬間、その隠れていた針が姿を現して彼らに複数に突き刺さる。その時、その信者達はそれに絞られるかのように、生気を吸い取られるかのように震えたあと、何も動かなくなって倒れていく。

前原「えぇ・・・やばいですやん、やっぱり触手モノですやん」

そんな感じで怖気づいていても、それ以上にヤバいモノが彼らを襲う。それは、

ヴィト「開花せよ!」

その命令と共に、それぞれの触手がいきなりその針から火、氷、雷、挙句の果てにはその針からマシンガンのようにその弾丸を発射する。まるで何か、魔法とその情報を抜き取ってコピーして自分の切り札として使う、魔力を奪って自分の物にする、これこそまさに

前原「まるで将棋だな・・・!」

どっかで聞いたことのあるセリフを僕は呟く。しかし、その状況に最もふさわしいモノだったかと思う。

そして庭が綺麗になった後、僕はその星の信者の総本部へと足を運んでいくこととなった。その触手モノのヴィト・ローズ兼“王を取ればいいの王の方”と一緒に。しかしその中でも集中砲火を浴びることとなる。僕たちはその丁字の廊下で真ん中の通路に分かれてその砲火から隠れる。どうやらバリケードを作られているようだ。

ヴィト「僕に任せて!囮で注意をひくからその間に「だめだ!あの陣地を突破できるはずがない!」

彼女は立ち上がって、先ほどとは違う自分の鞘に納めた剣の柄を握ってそう話す。

前原「あんなねぇ!機関銃の陣地に単騎でしかもこれはそもそもこっちが引き起こした問題なんだから・・・それとちょっと試してみたいことがあるんだが、いいか?」

僕はある一つのおぼろげながら浮かんでいる考えがあった。

~アバドン生命の樹魔法学園~

「エッホエッホエッホエッホエッホエッホエッホエッホ、魔法を撃つときは想像を言葉に置き換えて滑り込ませて撃つ方が効率が良くて覚えやすいって伝えなきゃ。」

~~~~~

その言葉がもし本当なら、あの言葉=この想像っていう事だから、あの雷を避けるための呪文、いや“おまじない”か。

僕はこの世界の言葉ではなく、日本語である事を呟く。

前原「くわばらくわばらッ!(この言葉が、想像が魔法を介して現実となる異世界、ならば“おまじない”の為に生まれた言葉でも、その信仰から来たその言葉でも同じような想像として意味を成すはずだ。そう、雷を避けるためのおまじないならっ!)」

その時、彼の体の周りにはバチバチと鳴る稲妻を帯び始めた。そう、雷から避けるためのおまじないから静電気が少しずつ離れていき、その周りがバチバチと鳴る。

ヴィト「え、マエハラさん何それぇ?何それぇ!?すごぉ・・・もうボク、魔法なんて意味わかんない」

体がまるでバチバチと電気を拾う事で、その男は目の前にやって来る。それを横目に、ヴィト・ローズは目の前の状況に口を大きくして『バナナ』と言っていそうな顔をしていた。

「相手が姿を現したぞ!撃て!弾がある限り撃つんだ!」

その声が聞こえる。それと同時に雷を凌ぐほどの音で、そして超音速な物体が彼の周り、いや彼を狙ってやって来る。すると、

ピタァッ!

その銃弾の一発一発が彼の目の前でピタリと止まったのだ。その銃弾が入り込むにつれ、また同じように目の前でぴたりと止まる。そう、彼のその、この世界にはもっての外でない銃弾すらも通さない無敵の鎧は、秒速30万キロメートルの膨大な電磁波だったのだ。その銃弾は彼が進むにつれて、次第に解放された銃弾はそのベクトルを地面に向けて落ちていく。されど弾幕は続いていくその時、前原悟は何を思ったのか、それともこの小説を出版禁止か著作権法違反にしたかったのか、右手を目の前に出した。その右手を左から右へとゆっくりと動かしていく。まるで何かの映画のキャラのような感じで、されども上半身は裸という、どこかの超能力研究所から逃げだした感満載のその外見のまま、その右手を動かした瞬間、その手の数センチミーテル手前で勝手にその射出されたものは止まっていき、そして同じように止まって落ちていく。

前原「へへーん、マトリ・・・これ以上は言わないでおくか」

実績解除“ギリギリアウト”

このネオ原悟、もうこの所で降板させた方が作者のこの後の身上の為にもなるが、まあこのまま続けておこう。ちょっと面白いし。

パロディと銃弾が飛び交う中、弾丸が目の前でバラバラと形を保ちながら落ちていく。

前原「(え?これって落とす事しかできない?もしかしたらベクトルを逆方向にもっていって反撃とかって・・・)」

彼は何か、ふざけている様子でありながら一つ、自分の両手を顔の目の前にやって、シュッとピンと腕を伸ばす。その瞬間、弾丸の尖った先端がこちらに向いたまま、少しづつ加速していく。まるでその撃った方向に戻っていくかのようになっていき、それは音速を超えたかのようにその機関銃の防御陣地をハチの巣にしていく。その砂袋の弾ける埃の中、何も見えなかったが、

「うおぁっ!」

「グブフッ!」

「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

その悶える声は聞こえていた。まるで子どもの泣く声だけが聞こえて実態がよくつかめない歯医者の待合室のように。

それが見えた時、もう銃弾と、前原悟のこの小説(ゲーム)を法的に壊そうとする意志から出てくるギリギリアウトなパロディ地獄が飛び交う激戦は今終わって、そして彼もその鎧を脱いだ。

前原「うっ・・・!」

しかし、あまりにもその“反動”は彼にとって重すぎた。なぜならその電磁波は同じ力の反動として彼の体に負荷がかかる。それは彼の胃液を逆流させて、口からそれを出させたのだ。あまりにも大きな魔法にはそれ相応に負荷がかかる。それはまるで富士通の家庭用のパソコンでオープンワールドとFPSゲームを同時にダウンロードするような物。

彼は最強格では?いいや違う、それはこの世界でのみの話だ。その“くわばらくわばら”は、あまりにも魔法の中では儀礼的で宗教的で、なにより異世界の物だからそれはあまりにも想像より大きなもので、圧縮していなかったのだ。

その黄色いレモン味で、Ph-2の液体がその床に零れ落ちる。不気味な程に何もないその白い床に黄色いペースト状のものが散らばっていく。

ヴィト「大丈夫!?マエハラさん!」

その横で彼女は僕の背中をさすりさすりと撫でて、それを完全に出させるように促す。でも僕はさすがにもう大丈夫と思ってひだりの方に手をやる。

ムニュウッ♡

おっと何かさわってはいけない気がするぞ前原悟。彼はその目をゆっくりと左に傾げると、まさかの双丘のうち一つを揉んでいた。するとその揉まれている彼女、ヴィト・ローズは右手で彼の後ろの首根っこを掴んでその向かいにある壁にバァン!と思いっきり叩きつける。先ほどのそれとは裏腹で、そして両手は彼女の右手にがっちりとホールドされ、そして左手は壁にドンと手を付けた状態であった。

ヴィト「やっと僕のねぇ、おっぱい掴んでくれたよね?でもなんで僕以外の女のこと見てるの?なんで僕以外の女の所に付いて行ったの?なんで・・・なんで君と僕だけのパーティの愛の巣にさぁ!他の女なんか入れてるワケ?ねぇ、アンナ・・・シュトレンだっけかあのクソエルフ、僕のマエハラさんに色目使いすぎなんだよ。あのね?僕が先に好きだったのにさ、勿論マエハラさんは何も悪くないよ。だってあの女に変な目で見られていたからね、絡まれちゃう性格だから仕方ないよ。明らかに君は悪くない、僕だったらそんなことしないのになぁ~。」

僕の額、いや全身からは汗が噴き出していた。バケツ一杯の水を被ったかのように。そんな緊張が彼女から伝わって来る。そのかつての美貌、男装麗女だったものが今は長いぼさ髪で、そして僕と同じように目の下にクマがある。そんな女性に今、解放されながら脅迫されているのだ。

ヴィト「もう・・・ちょっと我慢できないかも・・・♡」

前原「なぁ、ちょっともうさすがにおふざけがすぎるよ?敵拠点のど真ん中だし「いいのいいの!別に死ぬってのだったら今こそヤル事をやっておかなくちゃ」

するとヴィトは僕の髭だらけのボサボサになった顎を掴んで、それを彼女の顔の前にもっていこうとする。キザな乙女、いやアラサー顔良すぎイケ女はその口を合わせようとしている。


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