現在(2025年7月29日)、タグ「大河ドラマ」がネオページ内唯一ある作品です。その読む大河ドラマに個人的相応しい! と思える一作品です。
この作品を読んで、「大河ドラマ」で何の作品を思い出したかと言えばー 「太平記」です。何故本作品と同時代、同人物の「信長 KING OF ZIPANGU」ではないのか? 何故別時代・南北朝時代の「太平記」なのか? それは「信長」という一個人だけを私は見ていません。信長と信勝(別名、信行)、「太平記」側の足利尊氏と直義という兄弟を重く、悲哀的に見ているからです。
兄弟なのに敵対、争いから死の悲劇、最期の会話・シーンまでが同じように両作品は重なります。本作品の信長は、「太平記」足利尊氏・真田広之氏の当時の所作・涙まで彷彿させてくれます。本作家・浮田葉子さん流の美しき文章が、それを引き立てています。しかし、最期の最後で違います。それは、「太平記」が「動」でそのシーンが終わるなら、本作品は逆の「静」で終ります。最期の最後で逆の表現、その見事な完結は是非本作品を実際に拝読いただきたい! です。
他に本作品の見所・特徴としては、九割以上のエピソード・話に本作家・浮田葉子さんの「後書き」が載っていることです。
ここまで「後書き」が多い作品を個人的には見たことがありません。そして、この「後書き」が各エピソード・話を端的に、短文で上手く表現し、まとめています。「後書き」まで読むと、そのエピソード・話が一瞬で甦り、完結させてくれます。この感性はとても個人的に真似できません。一表現として見本にさせていただいています。