【こんうぃん!うぃんたそ生誕ライブお疲れ様~!
段々と消えていくメンバー、最後に2人きりっていうシチュエーションは凄いどきどきしちゃいました!
っていうか、イヤホンで聞いていて思ったんですが……最後のメッセージ部分ダミヘでしたよね!?】
「えっ」
「えへへ、そうだよ~。イヤホンとかヘッドフォンで聞いている人はまるで隣にうぃんたそが居るような感じがしたと思うんだけど……みんな気づいてくれた?」
『気づいた!』
『く、スピーカーで聞いててそこだけ音が違うなとは思ったが……』
『まさか、ダミーヘッドだなんて……』
『俺、今からもう一回ライブ見てきます』
「この配信が終わったら、イヤホンとかヘッドホンで聞いてみてね。より身近にうぃんたそを感じられると思う!いや、感じられる!……ちなみに秋城さんは気づいてくれた?」
「俺もスピーカーで聞いていた勢だったから気づかんかった……!とりあえず、俺も今からライブ振り返り視聴をしてくるわ……」
「え、あ、秋城さん配信中だよ!?」
「冗談冗談。でも、ギミックを味わいきれなかったのは悔しいな……ダミヘうぃんたそ……あ、お水飲むぞー」
しょんもりとしながら水を飲む。
「気づいてくれたら嬉しい程度のギミックだったからね~。気づかなくてもしょうがないよ。それに、気づかなくても楽しかった!って思ってもらうのがうぃんたそ的に一番大事だし?」
『そりゃもう楽しかった』
『最高のライブでした』
『うぃんたそ————!好きだ————!』
『来年のライブも期待してるやで』
「コメントの言うとおりだな。今年のライブも最高だったし、そんなギミックがあるなんて……むしろ、二度見る口実ができたのでは?それじゃなくても、二度以上見るんだが」
「流石、うぃんたそ推しの秋城さん。そういえば、以前配信でもツッコまれてたと思うけど秋城さんは誕生日配信……というか秋城さんの誕生日っていつ?」
「あー、それな。クッソ悩んでるやつ。秋城の名前にちなんで秋とか考えたんだけど、安直すぎる気もしてなー」
『最近の日本の気候に秋ってあったっけ?』
『冬夏しかない気が』
『秋ってどんな気候だったっけ』
『秋城の想定する秋ってどのくらい?』
「俺の想定する秋?9月から11月って言いたいが……うん、気候的にはもう秋じゃねーよな……」
悲しきかな。40度の日々が終わったと思ったらいつの間にか極寒になってるもんな最近の日本。本当に冬と夏しか季節がない気がする。
「ほうほう、ということは9月から11月の間に秋城さんの誕生日配信が来るってことで、覚えておこう……!凸待ち、逆凸をするときはうぃんたそにも声かけてね?」
「むしろ、他に声かけるアテがないからな。しっかりうぃんたそに声をかけさせていただきます」
『今日も秋うぃんてえてえしやがって』
『は~~~~今日もイチャついてやがる』
『てえてえ……』
『秋城浮気したら*す』
「はっはっはっ、俺の一途さを舐めるなよ?」
「秋城さんはうぃんたそ最推しだもんね。例え、自然発生する秋セイを認めててもうぃんたそ最推しだもんね?」
なんか今唐突にうぃんたそに刺された気がする。いや、刺されたな?
「あー……うぃんたそ?」
そうすると、うぃんたその目のハイライトが消えて、ぐるぐるとした混乱を表す瞳になる。
「秋城さんはうぃんたそ最推しだもんねー?」
ぐるぐる。間近にいるわけではないのに、顔を覗き込まれている気分になりながら俺は必死にこくこく、と首を縦に振る。
「それならよし!秋城さんの最推しがいつの間にか変わってたら悲しいからね~」
「それは変わらんが……むしろ、変わる理由がないというか……」
「ふ、秋城さんは浅いよ……」
今度は瞳の中からぐるぐるが消えてうぃんたそが虚無を張り付けたような表情で遠い場所を見始める。
「例え最推しって言っててもある日突然ポッと出の新人VTuberに一目ぼれしたとかで赤スパ長文お気持ち推し変のご挨拶とか送ってくる人も居るんだよ……だから、推しが変わる理由なんて秋に舞う木の葉の如く軽いんだから」
『いるよな、黙って推し変すればいいのに』
『あれを言って推しからレスポンス貰いたいんだろうなあ、と』
『キモいやつおりゅ~~~~~』
『ああはなりたくないよな』
うん、いるよな。俺はそういうの貰ったことないけど、たまにうぃんたその配信とかセイラの配信とかに湧いているのは見る。なんだったら、「ヤベー奴いるw」とかで切り抜かれてるのを見る。
「ぐっ、うう……うぃんたそ悪魔の証明って知ってる?」
「悪魔の証明?」
「悪魔が居ることを証明するには悪魔を連れてくればいいけど、悪魔が居ないことを証明するには全世界をくまなく探さないといけないから実際的に居ないことは証明できない、って話だな。ヲタク雑学の一種」
「うんうん」
「俺の最推しが未来永劫変わらないことは悪魔の証明で証明はできないけど、今、俺の推しが変わらないことは今の俺が証明し続けるから……その、なんだ、信じて欲しい、みたいな」
なんか言ってて恥ずかしくなってきたな。俺は目線を斜め上に逸らしながら頬をポリポリと掻く。
「それって、ずっとうぃんたそが好き、って告白?」
「ほあ⁉」
『そうなるよな?』
『これは実質告白』
『また、てえてえしだしたぞ』
『ほんとに秋うぃんは尽きねえな』
「え~、秋城さんずっとうぃんたそが最推しだって証明し続けてくれるの~?」
うぃんたそが秋城に近づいて顔を覗き込んでくる。実際に俺がやられている訳でもないのに、妙に恥ずかしい気がして。でも、此処で引き下がるのは男じゃない気がして。俺はドンッ、と胸を叩いて震える声を張る。
「お、男秋城!二言はねえ!うぃんたそが最推しだって生涯証明し続けるぜ!」
『ヒューヒュー』
『8888888888888888888888888888888888』
『よく言った』
『これは秋うぃんを否定できませんねぇ』
「まあ、生涯はちょっと厳しいから、うぃんたそが活動している間は、にしてあげるよ~。それでも十分嬉しいしね」
なんか温情を貰ってしまった。
「じゃあ、次のわたあめ行っちゃおうかな?」
「おう!」
前のわたあめが剥がされ、次のわたあめが貼られる。