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『コンスタンティン』

【作品情報】

原題:Constantine

製作:2005年/121分/アメリカ

監督: フランシス・ローレンス

出演:キアヌ・リーブス/レイチェル・ワイズ/シャイア・ラブーフ

ジャンル:タバコ絶許アクションホラー

(参考サイト:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/)



【ざっくりあらすじ】

ロサンゼルスでフリーの悪魔祓いをしている、コンスタンティン。

彼はとあるアパートで、奇妙な悪魔と遭遇する。

そいつは、憑依した人間の身体から人間界に出ようとしていたのだ。


悪魔も天使も、人間界に来ることは出来ない。

代わりに「ハーフブリード」と呼ばれる連中がそれぞれの陣営から派遣され、人間にそっと囁きかけては善行または悪行を働かせようとしているのだ。


幼い頃からそういうヤバい連中が見えていたコンスタンティンは、世を儚んで自殺未遂をかましたことがあった。若気の至りやね。

キリスト教では自殺=地獄行きの大罪で、未遂であっても自殺はご法度。そんなわけで死後の行き先を天国に変えてもらおうと、せっせと悪魔祓いで社会貢献に勤しむコンスタンティンだったが、勤務態度がアレ過ぎるため現状地獄行き内定のままだった。


おまけにヘビースモーカーのため、余命も1年。色々詰んでいる。


一方その頃、刑事のアンジェラは精神病院に入院中の妹イザベルが、夜中に投身自殺を図ったと知らされた。

敬虔なカトリック教徒だったイザベルが自殺をするなんておかしい、と彼女の死の直前を映した防犯カメラを調べるアンジェラ。


そこで彼女は、カメラに気付いたイザベラが「コンスタンティン」と囁くのを聞いた。

防犯カメラに録音機能はないようなので、怪奇現象ですね。


この映像がきっかけで、アンジェラはコンスタンティンの許を訪れることに。

コンスタンティン、警察内でも結構な有名人らしい。何したん?

そしてコンスタンティンも、アンジェラが地獄サイドに狙われていると気付く。


やがて彼は、地獄の連中が人間界に悪魔マモンを連れ込もうとしていることを嗅ぎ付ける。

マモンは地獄の統治者・サタンの息子であり、親との軋轢で家出をしたいお年頃らしい。

盗んだバイクで走り出したいようですが……うーん、迷惑!


勝手に出奔先に選ばれてしまった人間界と、ついでにアンジェラを助けるため、コンスタンティンは奮闘することに。

余命1年のがん患者を働かせすぎィ!



【登場人物】

コンスタンティン:

15歳の頃からタバコを吸いまくった結果、末期の肺がんになっちゃった自業自得のセクシー悪魔祓い。

悪魔祓いとしては優秀だけど、ただの1度も車を運転しようとしないので、ひょっとすると免許がないのかもしれない。アメリカで生きていけるのか、こいつ?

あと自宅は生活感皆無で、ウォーターサーバーのボトル(Wikipediaによると、中身は聖水だそうな)と酒とタバコしかない有様なのに、浴室にはアヒルちゃんのお人形がある。

……なんで?


アンジェラ:

恐ろしく勘のいい刑事。犯人のいる場所がすぐ分かるため、隔週で射殺してるっぽい。たぶん天職は暗殺者。

服装はこざっぱりしたスーツばっかりだけど、下着がエロい。あと後半、割とずっとビショビショ。

彼女の勘のよさはつよつよ霊力によるものらしいけれど、幼い頃にオカルトを全否定して以来、不思議なものは見えなくなった様子。


イザベル:

アンジェラの双子の妹。こちらはアンジェラと違って、不思議な存在と霊力に人生を振り回された挙句、精神病院への入退院を繰り返し――そして自殺してしまった。

なお飼い猫の名前はダックアヒルのため、なかなかどうしてなセンスの持ち主だった模様。


チャズ:

コンスタンティンの助手ってか手下。タクシーの運転手をしているらしく、手下かつ足代わりでもある。

本人は悪魔祓いに憧れるこじらせ20歳だが、悲しいかな霊力はない模様。


ヘネシー:

太っちょアル中の神父で、コンスタンティンの同業者。聞こえちゃいけない声が聞こえるため、そのストレスでアル中になっちゃった模様。

ニコチンとアルコールに手厳しい映画だね。


ビーマン:

対悪魔の面白グッズを調達してくれるコンスタンティンの同業者その2。住居はボウリング場。

なおそのボウリング場のすぐ近くに、コンスタンティンも住んでいる。だいぶ仲いいな。


ガブリエル:

麗しいにもほどがある、天国サイドのハーフブリード。

コンスタンティンとは昔馴染みらしく、「地獄行き、どうにかなんない?」と頼まれても爽やかスマイルで「いやー、無理ねー」とあしらっていた。

人当たりがいい反面、基本的にずっと偉そう。


バルサザール:

悪魔側のハーフブリードで、顔が昭和の歌謡歌手っぽい。

「前橋みのる」みたいな名前でデビューしてそう。スモークが立ち込めるスタジオで、直立不動のまま歌っててほしい。

コインを指の間に挟んでの手遊びが好きらしく、私も一時期真似していました。


サタン:

ルシファーとも呼ばれる、白スーツの足だけ汚いおじさん。毎回観るたびに「記憶より足汚っ!」と驚かされる。

こちらの天職はたぶん外科医。あいにく現在のお仕事は、地獄の統治者だけど。

態度はフランクなものの、たまに顔が怖い。あと職場が職場のため、かなり忙しい模様。そのため息子が若干グレたのかも。



【感想など】

壮大な制作費をつぎ込み、くたびれ色気マックスなセクシー・キアヌ主演によるタバコ撲滅推進映画!!


聖書や悪魔や聖なるメリケンサックといった、観客の中の中学二年生が大喜びする要素満載でむちゃくちゃカッコいい一方、これでもかと「タバコは悪!」とあの手この手で訴えて来る本作。あとアルコールにも白い目を向けがち。


正直、サタンよりも黒幕よりもどす黒い悪。それがタバコ。

まあタールも黒いしね、うん。

私もタバコに関しては紙・電子問わず嫌煙家ではありますが、本作の恨みつらみには負けちゃう。


とはいえ、登場人物もストーリーも魅力的&アンダーグラウンドな雰囲気も満載ですし、禁煙を押しつける説教臭さがないのは本当にすごい。

コンスタンティン、カッコいいですよね……

キアヌ・リーブスさんが演じたキャラクターの中で、一番好きかもです。


態度は悪いものの、線の細さもあって粗野さはなく、むしろ洒脱。人生に対して斜に構えているけど情には篤い――そりゃ好きになるよ!

くたびれたスーツもよきー!ゆるゆるネクタイ、わざとでしょ!コートの裏地も、なんか可愛いし!


彼の自宅のあちこちにあるアイテムから、「こいつ、どんな生活してるんだ?」と色々心配になるところもあざといですね。

その一方で、いい雰囲気になってもアンジェラへ一切手を出さないストイックさもあるという。まあ、風呂には沈めましたが(物理的に)。


そのお風呂に沈められる前、そうとは知らないアンジェラがコンスタンティンに上着を預けつつ

「服も脱いでバスタブに入った方がいいの?」

と訊くと、コンスタンティンがしばらーく黙って悩むシーンが一番お気に入りです。


思い切り見てんだわ、アンジェラのお胸。お胸を見ながら真面目くさった顔で

「ちょっと考えてる」

と言い出すコンスタンティン。いとムッツリイケメン。


――この映画はタバコの撲滅を推進しつつ、「あざとエロい男の色気でも、代わりに吸おうぜ」というけしからん主張をしている映画なのかもしれない。

分かってるじゃないか。

色々と難航中の続編、お待ちしています!

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