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『X-MEN』

【作品情報】

原題:X-Men

製作:2000年/104分/アメリカ

監督:ブライアン・シンガー

出演:ヒュー・ジャックマン/パトリック・スチュワート/イアン・マッケラン

ジャンル:現代アメコミ映画の嚆矢こうしな、手探り感ありヒーロー映画

(参考サイト:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/)



【ざっくりあらすじ】

突然変異の能力者=ミュータントの存在が認知され、彼らへの迫害が過熱している近未来のアメリカ。


触れた人間の生命力(ミュータントの場合は能力)を奪う力に目覚めてしまった少女ローグは、家出した先で葉巻の似合うイケオジのローガンと出会った。

ガラが悪い割に面倒見のいい彼の車に乗せてもらっていると、妙に眉毛が長くて黒目がちの、変なオッサンに襲われた。


そこで揃いのレザースーツを着た、男女コンビに助けてもらうローガンたち。

男女コンビことサイクロップスとストームは、プロフェッサーXが運営する「恵まれし子らの学園」の教師であり、「X-メン」という特命チームの一員だった。

そこはローグのような、特殊能力に目覚めてしまった子どもたちの保護施設でもある。


ローグと、とんでもない自己治癒力を持ったオッサンミュータントのローガンも、その学園のお世話になることに。


一方、二人を襲った黒目がちの変なオッサンが所属するのは、マグニートーというおじいちゃんが率いる「ブラザーフッド」というテロ集団。言うてメンバーは4人しかいないけどね!


マグニートーたちはその後、ミュータント排斥の急先鋒であるケリー上院議員を誘拐。

おじいちゃんの磁力・金属を操る能力を利用して、ケリー議員に怪しい放射能を照射。彼を強制的にミュータントにしてしまう。


アメリカ人、放射能に夢を見すぎ。


少数精鋭テロ集団の狙いは、ニューヨークで開かれる主要国家の首脳が一同に介するサミット。そこでおかみの面々をミュータント化させ、迫害運動を終わらせようと画策しているのだ。


そしてその作戦には、どうやらローグの能力も必要らしく、彼女に魔の手が忍び寄る。

ちなみに強制ミュータント第1号であるケリー議員は、普通に失敗作で死にかけているぞ。大丈夫か、ブラザーフッド!




【登場人物】

ウルヴァリン/ローガン:

原作では小さいマッチョオジだけど、演じるヒュー・ジャックマン氏といえば自販機と同じ大きさのマッチョイケオジとして有名。

なので本作では、出来るだけヒュー氏をちっちゃく見せようとしている努力の跡も見受けられるような。まあその後は開き直って、デッカいローガンが大暴れなワケですが。

本作でも暴れん坊っぷりはあまり変わらず。でも子どもには優しいし、やらかした時はちゃんと「ごめんね」と謝れる素直さもあったり。可愛いかよ。


ローグ/マリー:

初カレと初々しいキスをした瞬間という、最悪のタイミングでドレイン能力に目覚めちゃった悲しきカービィ。

割と常に悲しそうな表情で、目も潤みがち。そして男性の好みが渋い。


サイクロップス/スコット:

X-メンのリーダーで、学園の教師もしている……はず。

なんかバイク片手に生徒とダベっているシーンしかないため、本当に授業を受け持っているのか微妙である。実は用務員のお兄さんなのか?

あと『逆転裁判3』のゴドー検事よろしく、赤色が認識できない不便な視界で生活しているのに、バイクに乗るし戦闘機も運転する。周りも止めろよ。


ジーン:

2作目以降は恋人スコットと、横恋慕ローガンの間に挟まる罪深い女に成り果てちゃうけど、この頃はお医者さん兼プロフェッサーの助手ポジションで(周りが)平和。

ただ意識不明でぶっ倒れた、プロフェッサーの目は閉じてあげろ。


ストーム/オロロ:

本名が酔っ払った時の吐瀉としゃ音っぽい、チート能力美女で常識人枠。

作品ごとに髪型が結構変わるので、そこを楽しむのもいいよね。

途中で何故か浮世絵っぽいFUJISAN柄のTシャツを着ている。どこで買ったん?


プロフェッサーX/チャールズ:

つるっぱげで紳士な、優しいみんなのお父さん。

後続作品の『アポカリプス』にてハゲた経緯を知った後で頭頂部を眺めていると、キュンとしてしまう。

未だにマグニートーことエリックと、なんやかんやで仲が良い。


マグニートー/エリック:

磁界の王という、こじらせ気味な二つ名も持つ現代社会では最強格のミュータントおじいちゃん。部下のビジュアルが概ねダサい。

そんな部下の中でも、一人称が「オデ」っぽいセイバートゥースに、殴り合い以外の仕事もさせたことが一番の悪手かと。

――そう彼は、人手不足に負けたのです。


セイバートゥース:

変な眉毛で一人称がどう見ても「オデ」なミュータント。見た目通りアホっぽい。

後のスピンオフではワイルド丸顔なローガンの異母兄になっていたけど、気にするな!


トード:

マグニートーの部下で、痰ツバが怖すぎるカエル型ミュータント。

……よく考えると、超能力に目覚めたとはいえ、人類がカエル化するってどういう理屈なん?


ミスティーク:

唯一有能なマグニートーの部下。変身能力の持ち主で、どういうわけかいつも全裸。

なお彼女の格闘能力はシンプルに彼女自身のワザマエなので、誰よりも努力の人でもある。すげぇ。



【感想など】

まず前提として、X-MENの映画シリーズが概ね全て好きだということをここに宣言いたします。

そのうえでお聞き下さい、わたくしの魂の叫びを。


――なんでローグとローガンがくっつく、ほのぼのハッピールートに行かんかったんじゃい!!

1の時点では事案やけど、数年もすれば合法だろうがよい!

いいじゃん、「自分を救ってくれたケオジに恋をした少女が、成人後に再会して彼とめでたくゴールイン」展開!ハッピーしかねえだろ!


年の差バディ・カップルフェチとして、最ッ高にハイになる展開でしてよー!!


あとアンチエイジングの鬼・ローガン長老からすれば、プロフェッサーもショタ枠なんでね。小娘ローグたんも、成人すれば無問題ですよ。


本作を初めて劇場で観た時に

「こんなにもカッコいい、スタイリッシュなアメコミ映画が作られるなんて……!これはヒーロー物の未来が開けたのでは!……で、それはそれとして、おじさんとJKコンビはいい」

と不埒にワクワクしていた身として、どうしても叫ばずにはいられませんでした。

何卒ご容赦ください。


もちろん2作目以降が決して駄作なわけではありません。『ファースト・ジェネレーション』とか『フューチャー&パスト』も大好きマンですので。

……未だにガンビットのスピンオフも、待ってるんやで。


ただ1を経て、2・3を鑑賞した際に抱いた

「なんか思ったより、ギクシャク三角関係なメロドラマになっとるんやが……」

という困惑だけは、今も拭えていないという。


1ではローガンとローグの年の差コンビの可愛さに加え、スコットとローガンのケンカ友達感も大変エモいので、できればこの路線で2以降も作って欲しかったなぁ……と改めて観て悔しさが復活しちゃった次第です。


ただ1の頃はまだ、今ほどアメコミ原作映画の市民権もなかったので。

再見すると、演出面などから制作側の迷いもちょいちょい窺えました。

たとえばローガンたちが乗った列車に、マグニートーが「大将、やってる?」と突撃するシーンなど。


割れる電灯からアホみたいに火花が弾け飛んでいたり、絵面が完全にパニックホラーのそれです。

逆光で宙に浮いてるマグニートーも、純然たる化け物。これは排斥待ったなし。


また強制的にミュータントにされたケリー議員がどこかの浜辺に流れ着くシーンも、SFホラーにしか見えません。『ボディ・スナッチャー』っぽい。

そんなこんなで、ところどころホラー調になっている点だけは、後進のアメコミ映画たちに引き継がれなくて本当によかったです。


あ……初代『スパイダーマン』シリーズの監督が『死霊のはらわた』でお馴染みのサム・ライミさんだったのも、まさかこのホラー風味の余波だったり?

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