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第35話 ギムレットには早すぎる

こんばんは。

今週も時間がありましたので、

統合失調症エッセイを書きに来ました。

お仕事をされている人は、もしかしたら長期休暇かもしれませんし、

また、この休暇が多い時期こそ、

書き入れ時のお仕事の方もおられるかもしれません。

あるいは、休みなんてないという方もおられるかもしれません。

休暇の時こそ家のことで休めないという方もおられるかもしれません。

皆様まとめてお疲れ様です。

4月に環境が変わられた方は、

もしかしたらこの休みの頃に疲れが出てくるかもしれませんので、

可能であればしっかり休まれてください。

気温がどんどん上がってきていて、

身体がついてこれなくなりますと、

休暇明けの頃の疲れがもっとひどいことになります。

これからの季節に身体を慣らす意味でも、

休めるときはしっかり休まれてください。

私などは、疲れると覿面にメンタルに来ますので、

メンタルボロボロにしないためにも、しっかり休むようにしています。

メンタルボロボロはとってもつらいです。

大きなことを言ってしまいますが、

この日本において、

誰かしら何かしらで、

一度はメンタルがひどいことになったんじゃないかと思います。

短期的長期的は別としても、

メンタルがひどいことになって、つらい思いをしたことがある人は、

かなり多いと私は思っています。

メンタルのお医者様にかかるほどではないと判断した人も含めますと、

メンタルがひどいことになった経験のある人は、

いっぱいいるんじゃないかなと思います。

メンタルボロボロは、体調からも来ますので、

まぁ、皆様可能な限り休まれてください。

これから気温はどんどん上がり、やがて梅雨が来ます。

その時に心身ともに病まないためにも、

この時にちゃんと休んでおいてくださいね。


さて、今回は、

ギムレットには早すぎる、です。


長いお別れという小説にこのセリフがあるというのですが、

その小説は電子書籍で端末にダウンロードしてから、

なかなか読み進めることができないでいます。

電子書籍のセールの時に山ほどダウンロードしたものですから、

読みかけがどれだっけになったりもします。

電子の積読です。

読まねばなぁと思っているのですが、

読みだすと止まらなくなりそうで躊躇もしています。

なんだかこのデータの量だと長そうだぞということで。


さて、ギムレットというカクテルは、

ジンとライムシロップをシェーカーでシェークしたものです。

出してくれるところによっては、

ライムシロップでなく、

ジンに、生のライムを絞って、お砂糖で甘みをつけ、

それをシェークしたものになります。

ライムシロップを使いますと、ギムレットは薄い緑色に仕上がり、

生のライム果汁を使ったものになりますと、

緑色には仕上がらない感じになります。

ジン独特のジュニパーベリーの風味が香り、

ライムのちょっと荒っぽい酸味がお砂糖やシロップの甘さで丸くなります。

それらがシェークされることによって、

全てが調和されて、一杯の芸術作品になります。

由来は、ギムレット卿という方が、

当時の船の長旅で船員に病気があったので、

その病気予防のために、

ライムシロップとジンを混ぜたものを飲ませるようにと指示したとか。

壊血病とか聞いた覚えがあります。ビタミンの不足だったかな。

このあたりの記憶は曖昧です。

そんなわけで、ギムレット卿の名前を冠したカクテルがあるわけです。

暑い時にきりりと冷えたギムレットは美味しいと思います。


さて、ギムレットには早すぎるというお題ですが、

統合失調症なり立ての頃、

いろいろ、この引きこもりから何とかできないかと、

模索をしていた時期があります。

当時は自分用の車もありません。

家の周りを自転車で移動するのが行動範囲で、

あとはバスを使えばある程度賑やかな場所に行けましたが、

一時間に2本とか言うレベルのバス停しかありませんでした。

私はとにかく賑やかなところに行こうと思って、

一念発起してバス停から中心街へと行きました。

バスを降りて、中心街をてくてくと歩いて、

中心街を一本路地に入ってみたりして、

当時持っていたデジカメで画像をいろいろとりました。

こんなものが登場する不思議な街を描けたらいいなと思いました。

そうして書き始めたのが、

今もぼちぼち連載している斜陽街で逢いましょうでした。

街をてくてく歩き、表通りからちょっと外れて、

とあるバーの前で立ち止まりました。

そこは決して騒がしい通りでなく、洒落た雰囲気があるバーでした。

当時の私は成人しておりましたので、

ここでお酒を飲もうと思い立ちました。

ここで何か飲めば何か変わるかもしれない。

統合失調症で引きこもりだった私は、

勇気を出してバーに飛び込んだのでした。


バーのマスターは若い方で、

つい最近独立してこのお店を始められたと聞きました。

私はメニューを見て、ギムレットに目を止めました。

知識として知っているけれど飲んだことのない未知のもの。

これを飲んでみたいと強く思い、注文しました。

マスターは流れるような美しい手つきで最高の一杯を作ってくれました。

私はギムレットを口にして、

正直、刺激の強さとアルコール度数の強さに、

ガツンとやられて美味しいとは思えませんでした。

それはそうです、ジンそのものが入っているようなものですからね。

ただ、こんな場所があると知れたことは、

そのときから私の創作の止まり木になっているような気がします。

この時に街を歩いた経験から書き始めた、

斜陽街で逢いましょうは、

何章であっても、はじまりはいつもバーです。

夜羽という妄想屋がいつもバーにいます。

この妄想屋との付き合いも長く、

たどたどしい創作をしていた頃からのつきあいです。

ギムレットの美味しさがわからない頃からのつきあいです。

あの頃は、ギムレットには早すぎたのだと思います。

それでも、バーに飛び込んだことによって、

また、街を歩いていろいろなものを見たことによって、

私の中で一つの不思議な世界ができて、

私の創作の原点の斜陽街と妄想屋ができたのだと思います。

あの時、街に行かなければ、

私は創作の原点を得ることなく、

ギムレットの本当の味も知らなかったに違いありません。

あの時外に出たからこそ、私はこうして創作ができるのだと思います。

統合失調症なり立ての頃は、

こうして、何かできないかとあがいていたものでした。

失敗もたくさんしました。

それでも何かせずにはいられませんでしたし、

また、何かし続けるには心も身体も消耗していました。

動けなくて歯がゆい思いもしましたし、

焦りもたくさんありました。

それでも、自分の殻を破ったきっかけは、

あの時街に出てギムレットを飲んだことだと思います。

私の創作はそこから始まりました。


今ならばギムレットの本当に美味しさがわかるだろうかと思うこともありますが、

今は移動手段が自家用車なので、

飲酒運転になるので飲みに行くことができません。

せめてジンの美味しさを味わおうと、

最近は翠ジンソーダをよく飲んでいます。

また、オリオンビールも好きです。

もし、機会があったら、

私の創作の原点になるあのバーで、

もう一度ギムレットを飲みたいと思うのです。

あの時は早すぎたギムレットが、

ちゃんと飲めるようになっていたら嬉しいと思うのです。


今回は、ギムレットなどについてのエッセイになりました。

また、時間がありましたら、統合失調症エッセイを書きに来ます。

のんびり待たれていてください。


ではまたいずれ。

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