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第43話 12年付き合った元彼のお話

こんばんは。

今週も時間ができましたので、

統合失調症エッセイを書きに来ました。


統合失調症に関して、

タイムリーでめんどくさいことがありました。

それは、運転免許についてです。

去年自動車運転免許の更新をしたのですが、

その際、一年たったら主治医に診断書を書いてもらって、

それを送るようにと言われていまして、

その一年後がそろそろです。

そんなわけで、診断書のフォーマットが届いて、

返信用封筒も届いて、

決められた日までに送ってねとありまして、

めんどくさいと思っているところです。

鬱病では診断書を送るなどと言うことはないように思います。

てんかんではあるのかもしれません。

とにかく、決められた病気を持っていますと、

こうして診断書を提出することになります。

統合失調症は、人によってなりやすさはある程度あると思いますが、

ならなければそれに越したことがない病気です。

ストレスなどで脳を壊すようなことがなければ、

そういうことがないならばその方がいい病気です。

統合失調症なりたーい、などと言う人はいないと思います。

なりたくてなっている人はいないと思います。

統合失調症になるとものすごくめんどくさいし、

生きづらくなります。

メンタルもなかなか安定しませんし、

私の場合は一時期幻聴がひどかったりしましたし、

今でも、誰かが話しているのを見ると、

私の悪口を言っているのかなと考えることが多々あります。

どうにも止まらないのですよね。

一度脳がポンコツになったら、

その脳と付き合っていかなければならないです。

いろいろめんどくさいですけれど、

脳を捨てるわけにはいかないので、折り合いつけていかないとです。


さて、土曜の深夜にお酒飲みながら書いています。

今回は、12年付き合った元彼のお話、です。


メンタルが病んでいる女性のことを表現している文章などで、

理解のある優しい彼くん、などと言う言葉があったように思います。

メンタルが病んでいる女性への、

からかいや揶揄もある表現かもしれません。

そんな都合のいい彼くんなどいるものか、のような。

このあたりはうろ覚えなので別の言葉だったかもしれません。

とにかく、メンタルを病んでいる女性に対して、

理解をしてくれて、とても優しい男性。

ある種理想的すぎるほどの彼というものを、

彼くんなどと言う言葉で表していたのかもしれません。

そんなにご都合主義の男性などいるものか。

メンタルが病んでいる女性に、

そんなに都合よく理解ある彼などいてたまるか。

ある種現実離れした男性、

現実離れしすぎていて、妖精か何かのような存在すら思えるほどの男性。

理解のある優しい彼くん。

元彼はそんな男性でした。


元彼は、インターネットで知り合いました。

統合失調症発症間もない頃、

昼夜逆転してインターネットに入り浸っていた頃、

当時はWindowsが95の頃でした。

動画のダウンロードなど、今のようにできないほどの回線速度で、

パソコンのスペックもとても低いものでした。

交流は文字、いわゆるテキストが主体でした。

元彼とは、インターネットのどこかのサイトで出会って、

当時あった個人サイトのチャットで延々語り合いました。

チャットにはいろいろな人が入れ代わり立ち代わり。

この時間に来ればこのメンバーがいる。

元彼とはチャットを通じてお互いを知っていき、

お互いに好意を持ち始めて、やがて会うことになり、

住んでいるところがとても遠いので、

遠距離恋愛になりました。


個人サイトで語り合ったり、

しばらくしたらパソコンのスペックや回線速度も上がってきたので、

ある程度スペックが求められるゲームもできるようになりました。

メタバースという言葉が出るか出ないかの頃です。

ネットのゲームのチャット機能で語り合ったり、

ゲームの中でアバターを作って一緒に歩いたり、

インターネットのいろいろなところでともに時間を過ごし、

数ヶ月に一度会える時には、

思い切り楽しんだものでした。

お互いの好きなものを知り、それを肯定し、

お互いを理解して、尊重し合う。

遠距離ではありましたが、

その関係は心地いいものでした。

メンタルが病んだ私にとっての、

理解のある彼くんそのものでもありました。

優しすぎて、否定ができない人でもありました。


執筆を勧めたのも、この元彼でした。

よし、この彼のために何か書こう。

きっと読んでくれるに違いないと思いました。

コツコツ書きました。

当時はまだ、小説投稿サイトはあまりありませんでした。

公募と言うと、印刷して、あらすじを書いて、

公募の送り先に郵便で送ったものでした。

彼にうながされるままに書きました。

それでも彼は、感想を述べてはくれませんでした。

私の小説はその程度なんだと思いながら、

感想のない小説を書き続けました。

当時は個人サイトを持っていました。

そこに読まれるかわからない小説をアップロードしていきました。

どれだけ書いても彼からの感想はなく、

個人サイトに小説ばかりが増えていきました。


遠距離恋愛を12年続けました。

いつか結婚するのだと思っていました。

この理解のある男性と、

ずっと幸せに暮らすと思っていました。

遠距離恋愛を続けていて、

ふと、私自身の将来を考えました。

私はやがておばさんになります。

生理は閉経に近づいていきます。

子どもが欲しいならば早くしないといけません。

子どもを育てるならば、経済力がしっかりしていないといけません。

フワフワと遠距離恋愛を続けていてはいけません。

私も大概脳がポンコツですが、

ポンコツなりの考えで、

遠距離恋愛というものが、地に足がついていないと感じたのでした。

男性は閉経などはありません。

私は子どもを作るにはタイムリミットがあります。

女性の身体は変わります。

今のままではいけないと思ったのでした。


いろいろ考えました。

私は私なりに、このままではいけないと思いました。

12年私を支えてくれた彼と、

このままこの関係を続けていくことはできないと思いました。

何かを変えなければいけない。

12年で私も変わったのかもしれません。

引きこもりから、なんとかしようと思えるようになったのかもしれません。

私の力で外に出ようと思ってきたのかもしれません。

その際に、ふわりと包むような優しさは、

あまりにも頼りなく思えたのかもしれません。

地に足のついた確たるものが欲しかったのかもしれません。


私は彼に別れを告げました。

彼は、いつまでも同じように付き合っていたかったと言っていました。

当時の私は、その言葉を、

将来も私が同じなわけない、

私は心身ともに変わり続けるから、

関係も同じではいられないと思ったのでした。

ただ、今では、

元彼なりの永遠の愛だったのかもしれないと思います。

いつまでも変わることなく愛していたかった。

そんな気持ちの表れだったのかもしれません。


お互いの方向を向いて、

お互いを否定しない関係でした。

心地いい関係でした。

未練はないはずですが、

付き合っていた12年間は、幸せであったなと思うのです。

元彼も幸せであったならばいいなと思うのです。

元彼は遠くに暮らしていますので、

今どうしているか全くわかりません。

プログラムなどに明るい人でしたので、

今流行りの技術をいろいろと試しているかもしれません。

たくさん楽しいことがあったらいいなと思うのです。

12年間いろんなことで笑いあえたように、

今も何か楽しいことが元彼のもとにあればいいなと思うのです。


ポンコツの脳を抱えて、今も生きていますが、

元彼がいなければここまで回復することはなかったと思います。

一番つらい時期に寄り添ってくれた人でした。

ただ、元彼のずっとこのままが、

私の求める将来と違っていた。

多分それだけだったのです。


私は結局、子宝には恵まれませんでした。

元彼とは別の男性と結婚して、

不妊治療をしましたが、

実ることはありませんでした。

どの選択が正解だったかはわかりません。

ただ、どこか遠くの空の下で、

元彼が笑顔でいてくれたらいいと思うのです。

元彼がひとりでなく、

そばに誰かがいてくれれば、

それがいいと思うのです。


また、時間がありましたら、

統合失調症エッセイを書きに来ます。


ではまたいずれ。

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