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第206話 急ぎ足よ、立ち止まれ

あれもこれも やらなくちゃ

って いっぱい


いっぱいすぎて うごけなくなる


あれもこれもそれも やりたいけれど

せいいっぱい


作業多くて ヒマになる


わかってる

このままじゃダメになる


気づいてる

どうにもできないと


だから


急ぎ足よ

立ち止まれ



どれもこれも できなくたって

世界の仕組みは変わらない


あれもそれも 意味あるふうで

まるごと消えても問題ない


たったひとつ

どれでもいいから

思い切りつかみとれ


たったひとつでいい?

たったひとつでいい

そのかわり

全力で

全力だ

全力な




これからもずっと続けるために

出しすぎないのも大切だけど

このまま運命うんめいならば

出し切ってからがスタートだ



急ぎ足よ

立ち止まれ


よろけながら

あわてふためく

なにすんだよと

自分で自分がわからなくなる


くじけたまま

終わりにできるか?

情けなくても

情けないなりに

あがいて

あらがい

ふりきってやる



あのさ

わめきたくても

わめけなくて


泣きたいのに涙が出ない


泣きたくない夜に涙を止められなかったのとは逆


夢に無効を突きつけられて

波の向こうに憧れてるなら

がんじがらめの現実を

まずは突破しよう


がんじがらめで動けないのに

自由自在に旅してるなんて

迷いごとから目を覚ますため

踊れ…リズム乱れても

映せ…ピントぼやけても


その手で乱した空気が

ちょっとづつ呼吸を整えるための

風を呼ぶ


立ち止まれ

急ぎ足よ

しばし踊り狂うために




たったひとつ やり終えただけ

どうってことない簡単な作業だ


すると次に またひとつだけ

たいしたことない別の作業


順に ひとつ またひとつ


気づいてた

どうにもならないと思いながら

気づいてた

かならずできる

果たせるはずだと


根拠がないからこそ

ひとつだけ

自信がなくても

ひとつだけ


誰も認めてくれないくせに

なぜだろう

この嬉しさ


あれもこれものご多忙でしょうが

まるでヒマを持て余した顔

そんなことってありませんか

鏡よ

ありのままを映せ


おれだけは おれのこと ちゃんと見てやるから

ありのままを見せろ

鏡よ


あれもこれもやらなくちゃ で失敗

せめてひとつ これくらいは

いいか

誰かと比べるな

親の顔色うかがうな

おれだけだ?

すべての疑問に火をつけたら

風に差し出せ

消える?

どうかな

燃え広がるかもしれないよ


たとえ言葉でめされても

踊れば温度あがるはず


かがめ

かがめよ

もっと高く跳ぶために







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