「それで、今日は何するか決めているのか?」
洗面台から戻ってきたアルージェにミスティが声をかける。
「今日は昨日作った
アイテムボックスから丸められた砂の塊を取り出す。
「
ミスティがアルージェの手に持っている
「うまくいけば面白いおもちゃになると思うんですけど、初めての試みなのでどうなるかわかりません」
「ふむ、私もどんなものか気になるから見せてもらっていいか?」
「いいですけど・・・、失敗してるかもしれませんよ?」
「その時はその時だ」
「わ、私も見せてもらっていい?」」
「もちろん。でもエマだって授業受けたんだから
「アルージェ君みたいにこういうの作りたいとか、そういうのがなくて・・・」
「えっ、もったいない!なら僕が考えてうまくいったやつ、何個も作る時とか手伝ってよ!」
「えっ?」
「ほら、イメージが沸かないだけなら、僕が考えたやつ作ってる内に私ならこうするとか出てくるんじゃないかなと思ってさ」
「う、うん!もし必要になったらいつでも言って!」
「ふっふっふ、いつか魔道具を量産しないといけなくなった時に頼むよ!さてと確認に行こっと!」
ミスティ達も一緒に見るため、ルーネには跨らず徒歩でグラウンドに向かう。
「おっ、ちょうど誰も使ってないね。これくらい広ければ問題ないかなぁ」
アルージェはグラウンドを見渡して問題なさそうか確認する。
「そんなに広くないと厳しいのか?」
「はじめだけね!よしならさっそく
「起動は成功だね。よしなら、第二段階!」
アルージェは身体強化を体に施し、全力で
アルージェはこの間にアイテムボックスから木剣を取り出す。
「勢いがどんなもんかわからないから、念のために『
アルージェは木剣に
「アルージェ、それは何をしてるんだ?」
だが、ルーネがいち早く気付き、視線を向ける。
ルーネが見ている先から
「おっ、来たね」
アルージェが木剣を構える。
アルージェは
それを何度も繰り返す。
何度か木剣で弾き、動作の確認ができたので
「うまく出来てるね!こうやってこっちに飛んでくる目標物に対してちゃんと剣を当てる練習がしたくて、この
「なるほど、それはなかなか良い訓練になりそうだな。それに魔法を当てたりするのも良いかもしれないな」
「あはは、確かに!動く的を狙うのは難しいですもんね!まだ試作なので、この
アルージェは
「ア、アルージェ君!わ、私もそれ欲しいんだけどいいかな?」
「ん?別にいいけど。あっ、ならこれ渡しとくから、これを元にして自分でカスタマイズとかしてみる?」
「えっ?いいの?」
「いいよいいよ!これならもう作り方覚えたし、また欲しくなったらすぐ作れるからね、はいどうぞ」
アルージェはアイテムボックスから
「んー、
アルージェは頭に手を当てる。
「ボール型の
「
エマが
「アルージェその
「あぁ、そうですねもしかしたら訓練に使えるかもしれないですし、人に使って貰えば改良点なんかもいっぱい出てきそうですもんね!またすぐに作って渡します!ならそろそろ部屋に戻りましょうか」
アルージェが提案すると皆が頷く。
「アルージェ様、少しよろしいですか?」
帰り道珍しくマイアさんから話しかけてくる。
「ん?なんですか?」
「魔法のことあまり存じ上げないのですが、付与魔法はぬいぐるみにもできるんでしょうかか?」
「ぬいぐるみかぁ」
顎に手をやり少し考える。
「理論上は可能だと思いますが、やってみないとわからないですね」
「もしよろしければ一つぬいぐるみを渡しますので試してもらえないでしょうか?」
「良いですよ!それくらいお安いご用です!マイアさんにはいつもお世話になってますし!」
「ありがとうございます。では寮に戻りましたら部屋までお持ちしますね」
「あっ、そういえば付与魔法の教授が行ってたんですけど、もしかしたら出来上がった物よりも手、足、胴体とかで分割して付与かけた方がうまくいく確率上がるかもしれません」
「そうですか・・・、分割・・・・」
マイアは少し考える。
「わかりました。ならアルージェ様の部屋で出来たぬいぐるみを分割しますので、お願いして良いですか?」
「わかりました!結構時間かかると思うので、時間に余裕がある時にやりましょう」
「アルージェ様はいつも何かしてらっしゃいますが、時間が有る時って・・・?」
「あぁ・・・、マイアさんの時間に合わせるのでいつでも大丈夫です!」
自分の行動を顧みて、マイアさんに合わせることにする。
「わかりました。では戻り次第お願いします」
そう言い残しミスティの元に帰っていく。
「マイアさん、やる気満々だなぁ。それだけ今やってることが楽しいんだろうな。僕も初めてパーツ分けした
アルージェは上機嫌で寮に戻っていく。