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Chapter7 - Episode 35


最後に魔術の名称を【ああああ】から変更して、確定する。


【【囮鳥】へと名称が変更されました】

【魔術効果が変更されました……一部承認】

【一部効果を書き換えました】

【魔術効果変更に伴い、インベントリ内から『霧鷲の羽根』、『霧霊狐の血液』、『霧人の霧発器官』、『霧人の血液』、『霧鼠の霧発器官』、『狐憑巫女の髪』、『狐憑巫女の腕』、『狐憑巫女の脚』、『出没骨の頭蓋骨』、『出没狼の血液』を消費しました】

【習得魔術と連携しました:【ラクエウス】】

【【囮鳥】の等級強化に必要な適合アイテムが足りません】

【等級強化を終了します】


「……意外と転移系も持っていかれたって感じかなぁ」


メインとして『惑い霧の森』関係の素材が。

そしてサブとして『神出鬼没の古戦場跡』で手に入れた敵性モブ達の素材が複数個ずつ持っていかれる。

だが、それに見合ったものにはなっている……はずだ。


――――――――――――――――――――――

【囮鳥】

種別:霧術・補助

等級:中級

行使:発声、動作(未設定)

制限:【霧のない場所では行使できない】

効果:指定した範囲内に周囲の敵性モブの注意を惹く鷲型の霧を(レベル×1/2)出現させる

   行使時、任意の魔術言語を霧内に構築する事が可能

   行使者の霧操作能力によって操作が可能だが、ある程度自動で行動する

   行使者が【囮鳥】の発動範囲内に入った場合、この魔術は解除される


連携:【ラクエウス】

   ■鷲型の霧の内部へ罠を設置する事が出来る

    ※落とし穴を設置する事は不可能です

   ■連携時起動:【囮鳥:連鎖コネクト:ラクエウス】

――――――――――――――――――――――


「お、おぉ……とりあえず、動作は右目でウィンクでっと」


ある種悪さが出来てしまう魔術が出来てしまったな、というのが素直な私の感想だった。

この魔術を創る際に考えていたのは、この魔術に転移系の効果を付与しようかと思っていたのだが。

……これが出来るなら、こっちはヘイトタンクで良いよねぇ。

連携機能によって、【ラクエウス】などの現状単体で使う程ではない魔術を一緒に使えるのならば、この【囮鳥】という魔術はかなり酷いことが出来る。


現状【ラクエウス】は私が後回しにしていた為、罠の種類がトラバサミと落とし穴の2種類しかなく。

2秒間見つめる事で発動する、少しばかり遅延戦闘向けの魔術だ。

しかしながら、連携させる事で……罠側が相手に向かっていくようになる。

それに加えて、【囮鳥】の効果でヘイトが貯まるのだから……何もしなくても相手側から突っ込んでくることも考えられるのだ。


「思ってた方向とは違うけど……これはこれでありなはず」


【魔力付与】の等級強化を行う前に、【ラクエウス】側の強化も必要になりそうだが良いだろう。

だが一度、私はこの状態のまま『惑い霧の森』の深層へと繰り出す事にする。

等級強化も含んでいるとは言え、新しい魔術が2つも増えたのだ。

このまま慣らしをせずに試練へと向かうよりは、それぞれの欠点を把握した上で戦闘中の手札として使っていきたい。


特に【囮鳥】の注意を惹く能力はどれくらいのモノかを確かめておいた方が良いだろう。

『白霧の森狐』がそれに注意を惹かれるかという点は置いておくにしても、普通の敵性モブにある程度の効果があるならば私が【挑発】を使いたくない状況での選択肢になってくれる……はずだ。

そして普通の敵性モブが積極的に【囮鳥】を狙うようであれば……暴走した魔術言語も、そちらを狙うだろう。


「じゃあ行ってきます」

『一応、仮面の封印自体はそろそろ解けてしまいますよ』

「あー……お願いしても?長めで」

『分かりました、少し時間が掛かりますよ?』

「大丈夫です。こっちも準備しておきますから」


巫女さんが狐面用の封印の準備をしてくれている間に、私は私で【狐霧憑り】を発動させておく。

普段は狐面によって見通す事が出来る為に、『惑い霧の森』内部では敵性モブを避ける事が可能なのだが……今回はそうも言えない。

一応掲示板の方では中層以降に行かなければ初心者向けという評価がされているものの、本当にこの濃い霧は通常の探索をする上では邪魔だなぁと改めて思う。

管理者でもそう思うのだ。本当の初心者……魔術数も、装備も心もとないプレイヤーがここを訪れたら掲示板に文句の1つでも言いたくなるのではないだろうか。


まぁ、私は責任は取らないが。


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