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第103話 超常の戦い 零竜化と魔竜人


〇富士山山頂  火口


「オ、オロチ!?あの姿は!?」


俺は怒り狂うオロチの放つオーラに吹き飛ばされた紅の元に駆けより抱き起しながら、すっかり異形の化け物と化したオロチに視線は釘付けになる・・・


オロチは体の大きさこそ4メートル程だが、そのシルエットが異形・・・・足と胴体は人間の様ではあるが、その腕は4本有りその腕は手の形をしておらず、蛇の頭だった・・・そして肩からは4つの首が長く伸びその先端も蛇の頭だった・・・・


「オ、オロチ!?あの姿は!?」


「あ、れは・・・竜族の超進化・・・自らの血液と命を燃やしてようやく到達する領域・・・零竜化(ノア・ドラゲード)」


「ノア・ドラゲード・・・」


「ピュ―――、これはこれは・・・竜王が自らの寿命を削って限界を超え私と同じ域まで到達するか」


ザビーネは、この状況を待っていたかの様な余裕すら感じる・・・


「さぁ!竜の王オロチよ、貴方のノア・ドラゲードと私の魔竜人(デモ・パンデモニウム)と、どちらが上か・・・これは見ものだわぁぁ!!」


「ガァオオオオオ!!!」


オロチは既に言葉を発しない本当の化物となってしまった・・・・四本のうねる蛇の腕と四本の蛇の頭を振り乱しその巨体に見合わない速度でザビーネめがけて突進した・・




・・・・しかしザビーネは、冷ややかな目でオロチを見つめながら、おもむろに右手を翳す


「まずは、様子見ね・・・ヴィーダ・ウル・ダルド(我の命に従い対象を破砕せよ)」


ボッ!!ドォ――ン!!


「!?あれは、黒原邸の地下で見た魔族の魔法!?でも・・威力がけた違いだぞ!?」


爆炎と共にオロチの頭四つが胸の上から吹き飛び青紫の血肉が飛び散る・・・


「ち、父上ぇぇぇ!!!」


しかし・・・・・・


「へぇ・・・・・」


オロチの弾け飛んだ胸から上で血液がブツブツと泡立ち盛り上がったと思った瞬間一瞬で四つの首が復元された


「!?何だ、あの再生力は?」


「・・・・あれがノア・ドラゲートの力・・・自らの命を燃やし血液を沸騰させる事で細胞の再生力を極限まで高める・・・そして・・」


「ギャオオオオ!!」


オロチはその巨体を大きく反らし力まかせに四本の腕を振りかぶってザビーネに叩きつけると地面が大きく陥没し抉れる


ドォォォォン!!


オロチの叩きつけた腕は自らの力で潰れグチャグチャなに肉片と化した・・・・しかし・・・首と同様に血が沸騰し瞬時に再生する


「きゃぁ~あぶなぁ~い~フッフフ」


ザビーネは黒い渦を通じ瞬時に移動しており、オロチの背後に出現する


「では、今度はこっちの番ねぇ~ ヴィーダ・ネル・ウル・ダルド(偉大なる我の主命に従い対象を破砕せよ)」


ドドドッドドドドッ!!!


両手をオロチに翳すと、オロチの立つ広範囲に断続的な爆発が巻き起こる・・・


「ぎゃぁぁぁぁ!!」


オロチの悲鳴と咆哮が響きわたり血肉が周囲に飛び散る


「オ、オロチ・・・・」


爆炎の中から姿を現したオロチは右腕の二本の頭だけ残し上半身と頭が吹き飛んでいた・・・・


「フッフフ・・・此れでも・・・再生しちゃうんでしょ?」


ザビーネの言う通り、三度オロチの血液が沸騰し上半身が再生して行く・・・


「流石ねぇ~でも・・・・」


ザビーネの手には先ほど雫が放り投げた晴明の宝珠が握られていた・・・「かしこみかしこみ・・おん・・・かかか・・・そわか」ザビーネは先ほど雫が唱えていた祝詞を呟くと・・


「!?それは!!まさか!!」


雫が叫ぶと同時にザビーネが宝珠をオロチに向って投げる


パリッン!


オロチの足元で宝珠が砕け破片が雪の結晶の様にオロチの周りにまとわりつく・・・するとオロチの再生の速度が遅くなり・・・止まった・・


「父上ぇぇぇ!!」


「くっ・・竜の瞑想(HP全体回復)」


《竜の回復スキルがジャミングされました》


「!?回復スキルが届かない、クソっ!!ザビーネェェ!!俺が相手だァァ」


「アラアラ、童貞君たらぁ~良いわよん、気のすむまで相手し・て・あ・げ・る💛、フフフ・・・・・でも」


キィン!!


何処からか布津御霊が飛んで来て俺の足元の地面に突き刺さる


「!?なっっ由利さん!?」


さっきまで昏倒していた由利が立ち上がり布津御霊を拾い上げ俺に向って放り投げた様だ


「フフフ、竜王を封じる宝剣を貴方に使ったらどうなるかしらねぇ~・・・・・由利・・・」


「我求めるは聖なる棺、神聖なる領域にて安寧を約束する、グレートウォール」


由利は地面に突き刺さった布津御霊に向って結界の魔法を放つと、布津御霊を中心に白く輝くドーム状の結界が発現する


!?


「進!!」「すすむん」


「くそっ!」


全力で結界を殴るがヒビ一つ付かない・・・・神龍の一撃(ダメージ限界突破)


ドォォォン!!


「くそっこれでもダメか!!」


最大ダメージを誇るドラゴンロードのスキルも通じない・・・・


「ふふふ、流石人族の至宝ね竜王を封じ様としてただけの事はあるわ・・フフフ。暫くそこで見てなさい、後でタップリ遊んであげるわぁ~キャハハハ」


『くっ・・・五月!?雫聞こえるか!・・・・・?なっ!!念話が通じない!?』




《ジャミングにより・・一部のスキルが使用%&###ま?!”に$*ZZどうします》


!?


システムの声が聞こえたと思った瞬間目の前が真っ暗になった・・・・



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