「わしらが行ってる間、体は無防備になる。守れるのはお主だけじゃ、頼んだぞ!」
レヴィアの声には、
「わ、分かりました……。それで、あのぅ……」
「ん? なんじゃ?」
「アバドンさんや操られてる女の子たちは……助けられますか?」
ドロシーがおずおずと聞く。その
「ほぅ、お主余裕があるのう。ヌチ・ギを倒しさえすれば何とでもなる。そうじゃろ、ユータ?」
いきなり俺に振られた。
「そうですね、手はあります」
俺自身、一回死んでここに来ているし、ドロシーだって生き返っているのだ。死は絶対ではない。ただ……、どうやるかまでは分からないのだが。
「そう……、良かった」
ドロシーが優しく微笑む。
その妻の心優しさに、アバドンの事を忘れていた俺は胸がキュッとなる。
レヴィアがリモコンについている小さめの画面を指さして言う。
「それから、こっちの画面は外部との通信用じゃ。ここを押すと話ができる。ヌチ・ギが来たら『ドラゴンは忙しい』とでも言って時間稼ぎをするんじゃ」
じっとドロシーを見つめる瞳には、ドロシーへの信頼が
「ヌチ・ギ……、来ますか?」
おびえるドロシー。その
「来るじゃろうな。奴にとって我は唯一の障害じゃからな」
レヴィアは肩をすくめて首を振る。放っておいてほしいが、レヴィアが健在なうちにラグナロクを始めることはないだろう。
「そ、そんなぁ……」
「いいか、時間稼ぎじゃ、時間稼ぎをするんじゃ! ワシらが必ず奴を倒す、それまで辛抱せい!」
「は、はい……」
うつむくドロシー。長い
「大丈夫! さっきだってうまくやれてたじゃないか」
俺は笑顔でドロシーを見つめながら、そっと
「あなたぁ……」
目に涙を
しばらく俺たちは見つめ合った。
俺はそっと口づけをし、キュッとそのしなやかな細い身体を抱きしめる――――。
「自信もって……。僕のドロシーならできる」
その言葉には、これまでの戦いで培った確かな信頼が込められていた。
「うん……」
ドロシーは自信無げにうつむく――――。
長い