神殿の
「やめてぇ! こないでぇ!」
ヌチ・ギに追い詰められたドロシーの影が純白の大理石の壁で震えている。
「いいね、その表情……そそるな……」
ヌチ・ギの声には
レーザー発振器を胸ポケットに入れると、目にも止まらぬ速さでドロシーの手をつかんだ。その動きには、人間離れした
「なにするのよぉ!」
ドロシーは身をよじるがヌチ・ギの力は強烈でビクともしなかった。まるで蜘蛛の巣に囚われた蝶のように
ヌチ・ギは邪悪な笑みを浮かべながら、ドロシーの両手首を片手で軽々と持ち上げた。
「そう言えば……、お前をまだ味わってなかったな……」
ヌチ・ギはドロシーのワンピースを一気にビリビリと破く。布が裂ける高い音が、神殿に不吉な
「いやぁぁぁ!」
あらわになる白い肌。ドロシーの悲鳴が響き渡った。
「ほう……。実に……、いい肌だ……」
ヌチ・ギはしっとりと柔らかな肌に指先を滑らせる――――。
「ダメーーーー! やめてぇ!」
ドロシーは顔を歪ませながら悲痛な叫びを上げる。その瞳には、恐怖と絶望の色が満ちていた。
「うん、いいね……。その表情……、実に美しい……」
ヌチ・ギはいやらしい笑みを浮かべ、ドロシーをテーブルまで引きずるとテーブルの上に転がした。まさに底なしの
「いたぁい!」
大理石のテーブルに叩きつけられ、ドロシーは
「さて、ちょっと大人しくしてもらおうか」
ヌチ・ギは指先を紫色に輝かせると、ドロシーの眉間をトンと突く。その指先には、邪悪な魔力が
「うっ!」
ドロシーはうめくと、手足をだらんとさせた。何らかの麻酔効果で手足の自由を奪われてしまったのだ。
「さて、どんな声で鳴くのかな……」
嫌らしく目を光らせながらヌチ・ギはズボンのチャックを下ろす――――。
その瞳には、ただ
「やめてぇ……、あなたぁ……」
ドロシーは転がったポッドを見つめ、か細い声でつぶやきながら涙をこぼす。その
ヌチ・ギはドロシーの両足を持ち、ググっと広げる。
「クフフフ、気持ち良くさせてやるぞ、お前も楽し――――」
その時だった――――。
なんと、ヌチ・ギがフッと消えたのだ。
まるで幻のように、その存在が完全に
え……?
ドロシーには一体何が起こったのか分からなかった。絶体絶命のピンチに訪れた奇跡――――。
動揺と安堵が入り混じった感情が、彼女の心を満たしていく。
きっとユータたちが守ってくれたのだろう。
その確信が、彼女の心に温かな光を灯す。彼女の中で、ユータへの信頼と愛情が深く輝いた。
だが――――。
事態は思いもよらなかった方向へと進んでいく。
カン、カン……。
巨大化レーザー発振器が落ち、チカチカと光りながら転がって行った――――。
その音が神殿に不気味な
一瞬の静寂の後、何かが動く気配――――。
転がった先に動く影……、それは全く予想外のものだった。
ドロシーの
神殿の暗闇が、新たな脅威を
薄暗がりの中で、何かが蠢き始める。それは、ヌチ・ギとはまた違う、より根源的な恐怖を漂わせていた。
ドロシーの安堵の表情が、再び恐怖に歪んだ――――。