さらに深呼吸を繰り返していると、幻想的なビジョンが意識の海から浮かび上がってきた。光の球を内包した巨大なタワーの姿が、
やがて、
一体何だこれは!?
俺は思念体となって、まるで精霊のように軽やかに宙を舞いながら、その花に近づいていく。花びらの規模は想像を超えており、一枚だけで体育館ほどの広さを持つ。その表面は無数の微細な光の粒子に覆われ、
俺はしばらくその
美しい……。
次の瞬間、衝撃的な
そう、これこそが、マインドカーネルの真の姿なのだ。あの巨大なサーバータワーが描き出す世界、それがこの巨大な花だったのだ。
この煌めきの一つ一つは、人間の魂の輝き――喜怒哀楽のエネルギーの結晶なのだと分かってしまう。今この瞬間も、何億という人々の魂の営みが、この花の中で光り輝いている。
人間の根源に触れたその瞬間、胸の奥が熱く込み上げてきた。そうか、これが人間だったのか……。人間とは巨大な花の中で輝き合う存在。この
俺は溢れ出る感動の涙を拭おうともせず、ただただ魂の輝きに
この世界が仮想現実空間だと知った時の戸惑いは、今や完全に消え去っていた。仮想か現実かという区別など、もはや意味を持たない。人間にとって本当に大切なのは、そのハードウェアの構造ではない。魂が熱く、純粋に輝けるかどうか――それだけが真実なのだ。その輝きを包み込む器がどんな形態であっても、本質は変わらない。むしろ、この
俺は無数の煌めきの洪水にしばらく動けなくなった。それは、人間存在の真実に触れた者だけが味わえる、
◇
人間はここに全員いるという事は俺もドロシーもいるはずだ。俺は
心の
次にドロシーのことを思い浮かべる。魂の
「えっ!?」
俺は心臓が凍りつく思いだった。この
考えている暇はない、一刻も早く神殿に戻らねば!
俺は再度深呼吸を繰り返し、本来の自分の体への
大きく息を吸って……、吐いて……。
吸って……、吐いて……。
やがてオレンジ色の光に包まれていく――――。
先ほどマインドカーネルで目にした輝く点の中にいるような感覚。ここでしばらく意識の流れに身を委ねてみた。
温かい光の
直後、意識は光の