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第101話 ころちゃん視点 オオカミとヒョウをやっつけつつ、カーラの所に戻ったら、オオカミに逆襲されてしまいました

「わんわん!」

俺は現れたオオカミのブラームスとヒョウのトムに吠え立てたのだ。

「「グオーーーー」」

二匹は俺に咆哮すると俺に飛びかかってきた。

俺はひょいっと飛んで躱す。


「グオッ!」

待て! ブラームスは叫んで俺を追いかけてきた。

それをヒョウのトムも追いかけてくる。


俺はギリギリまで引きつけて、道を右に曲がった。

ガツン!

そのまま追いかけてこようとしたブラームスは渡り廊下の鉄柱に激突した。

「ギャー」

ブラームスが悲鳴を上げる。

その柱に勢い余ってヒョウのトムが激突する。

バシン!

ヒョウの勢いに渡り廊下の屋根が耐えられなかったみたいで、倒れてくる。


ドシーーーーン!

幸いなことに渡り廊下にいたのは俺達だけだったみたいだ。

ブラームスとトムの上に屋根が落ちてきて二匹を押しつぶした。


やったか?

俺は少しだけ期待した。


でも、ダンッ

屋根を突き破ってブラームスが現れた。

その横からヒョウのトムも。


俺は慌てて、逃げ出した。


それをブラームスが急迫してくる。

ブラームスの手をかいくぐって俺は鉄の支柱を回り込む。

今度はブラームスもぶつからなかった。

そのまま回りきれずに、オーバーランする。

しかし、そこには王宮の肥だめがあったのだ。


ドボン!

ブラームスが飛び込んでいた。

ドボン!

続いてトムが。


「わんわん」

俺は吠えて馬鹿にしてやった。

二匹は超えだめに嵌って糞まみれになっていた。


「ウーーーー」

どうやらブラームスは完全にキレたみたいだった。

そのまま飛び出してきたのだ。


これはまずい。

「わんわん」

カーラ!

俺はカーラのことも心配だったので、全力でカーラの所に戻ろうとしたのだ。

俺の後ろからはオオカミになったブラームスとヒョウになったトムが追いかけてきた。

そして、その後ろからは王宮の騎士達が、そしてその遙か向こうにはフェルディナントが見えたのだ。

フェルディナントは遅すぎる!

俺はやきもきした。


スピードではオオカミやヒョウに子犬の俺が敵う訳は無かった。

ちょこまかステップを切って躱す。

俺は必死に駆けた。

オオカミのブラームスが俺に飛びかかってくる。

俺は溝に飛び込んだのだ。


バキン

「ギャーーーー」

蓋にブラームスは激突して悲鳴を上げていた。


よし! うまくいった。そのまま溝の出口に向かう。

でも、溝のトンネルを出たところにヒョウのトムが待ち構えていたのだ。


俺はその鼻に噛み付いてやったのだ。

「ギャーーーー!」

トムは痛さに悲鳴を上げた。

噛み付いた俺を手ではたき落とす。

俺は地面に叩きつけられた。

一瞬息が詰まったが、こうしてはいられない。

必死に叱咤激励して、起き上がった。


そこにブラームスが飛び込んできたが、俺は躱す。


ダン!

また、オオカミは俺の後ろの壁に激突していた。


そのまま壁沿いに走るが、今度はヒョウが追いついてくる。

ヒョウのスピードは100キロ超えるのだ。

勝てる訳は無い。

それはひょいと横に飛んでトムの手を避けた。

でも、次々に手の爪でヒョウは攻撃してくる。

俺はそれを避けながら走った。

その後をヒョウが付いてくる。

俺は必死に躱す。全力で走り出した。

ヒョウが付いてくる。ステップを切って躱す。

そして、右に飛んだ。そのままヒョウが付いてくる。

でも、そこには俺に襲いかかろうとしたオオカミがいた。


ダン!

「「ギャっ!」」

物の見事に二匹は正面衝突した。


普通ならここで終わりだろう。でも、二匹とも獣人王国の誇る特殊部隊。

体は頑丈だ。二匹は頭を振って立ち上った。

これは本当にやばくなってきた。


それにカーラも気になる。

俺はカーラの元に一気に駆け出した。


でも、普通に走ったら、あっという間に追いつかれしまう。

俺は花壇の中に飛び込んだのだ。

「グウォーーーー」

二匹が飛び込んでくる。

でも、そこはバラ園だったのだ。

俺は小さいからくぐり抜けられたが、でかい二匹はくぐり抜けられない。

「「ギャーーーー」」

薔薇のとげの中に二匹は飛び込んだのだ。


勢い余って二三本根元から抜けるが、全てを抜ける訳も無い。

薔薇のとげで傷だらけになった。二匹をおいて俺はカーラの所に一目散で走ったのだ。

オオカミとヒョウがなんと薔薇の茂みから抜け出した時には俺はカーラのいた部屋に飛び込んでいた。

そこには、また縛られたカーラとそれにナイフを突きつけているデボラがいた。


「来たわね」

デボラがナイフで俺に斬りかかってきたけれど、俺はそれを躱して、そのままデボラに飛びかかったのだ。デボラの目にパンチを喰らわせた。

「ギャーーーー」

デボラは目を押えて、その場にうずくまっていた。

俺はその手に噛み付いていた。

「痛い!」

デボラは手ごと俺を地面に叩きつけようとした。

その瞬間俺は離した。


「ギャーーーー」

デボラは俺を地面に叩きつけようとして自分の手を地面に叩きつけていた。

手を押えて、のたうち回る。

俺は再度その手に噛み付く。

「ギャーーーー」

デボラは悲鳴を上げていた。

俺が飛び退こうとした時だ。


後ろから駆けて来た、オオカミに思いっきりぶつかられたのだ。


ダンッ

「キャイーーーーン」

俺は壁に叩きつけられて、悲鳴を上げていたのだ。


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