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第209話 ネタバレしないで

ふんふん。この本が面白いのね。

あ、どこが面白いのかはネタバレしないでね。

まっさらな状態で読みたいの。

何にも知らないままで読みたいの。

うーん。なんだか語りそうな顔してるなぁ。

でもダメ。ネタバレ厳禁。

それじゃ、初見ではわかりにくいほど、設定がこみいってるのかな。

そうでもない、と。

とにかく語りたくなっちゃうんだね。

何も知らない初見さんに思わず語りたくなるほどのものである、と。

うーん。気になるなぁ。

でも、ネタバレはストップ。

語りたくなりそうだということ以外、

これ以上は語らないでね。お願い。

とにかく語りたくなりそうな代物ってことはわかったけれど、

何も前情報がないままで読みたいの。

よかった、わかってくれたんだね。

それじゃ、本に集中したいから、黙っててね。


ふむふむ。

え、それじゃあの子は。

そうきたかぁ。

え、え、え。

そこでこいつが来るとか。

こんなところにつながっているなんて誰が思うんだ。

作者の頭の中はどうなってるんだ。

うわ、すごい。

それでこんなにきれいにまとめちゃうわけ。

まじかぁ。

すごい、まだすごい。

ここでこんな返しがあったとか。

うーわー。


お待たせ。読んだ。

語りたくなる気持ちすっごくわかった。

これを一度読んだら、本を勧めるときに語りたくなるわ。

語る中にどうしてもネタバレが入りそうになるのもわかる。

あなたがどれだけ我慢していたかもわかる。

すっごい本だった。

待っている間暇じゃなかったかな。

私の反応聞いてて楽しかった、と。

ああ、その気持ちもわかる気がする。

私がもしこの本を誰かに勧めるとすれば、

この本を読んでいる反応も聞きたいと思うもの。

かなりうるさくなかったかな。

あっはっは。新鮮な悲鳴が聞けたとか。

うんうん。確かに新鮮な悲鳴を上げていたね。

あれは衝撃から来る新鮮な悲鳴で、

初見でないと味わえない悲鳴だよ。

確かに、この本を勧めたらその悲鳴を聞きたくなるのもわかる。

この本の衝撃はそのくらいのものだからね。

ネタバレ我慢してくれてありがとう。

おかげで衝撃をもろに食らって、すっごく楽しかった。

この本の世界を予備知識なしで食らうというのは、

やっぱり初見ならではだね。

うんうん。楽しかった。


今回ネタバレ我慢してくれたおかげで、

すっごい読書体験ができたけれど、

あなたはネタバレ構わない方なのかな、

それとも、ネタバレ無しでまっさらで初見を楽しみたい方かな。

ふむふむ。あなたは特に気にしないのか。

ただ、この本に関してはネタバレ無しが正解だと思ったと。

わかる。あなたがどれほど語りたくて、どれほど我慢していたかもわかる。

言いたくて言いたくて仕方ない気持ちになるのもわかる。

あなた自身は特にネタバレを気にしないみたいだけど、

この本はね、特別だよね。

設定のひとつを語りだそうものなら、

そこを説明するのにネタバレになって、

結局本を説明することになりかねなくなっちゃうからね。

この本はネタバレ無しの初見の衝撃がすごいからね。

あー。もう感謝しかない。

よく我慢してくれたよ。

ありがとう。


え。この本続きがあるの。

あそこからどう続くの。

全部まとまって終わったじゃない。

作者の神技かと思うほどのまとめ方だったじゃない。

ちょっとまって、やっぱりネタバレしないで。

続きがあるならまっさらなままで読むから。

この作者に関しては、語りたくなる気持ちもわかる。

さっき、あなたが我慢してくれていたことから、

続きも相当なものらしいこともわかる。

ネタバレは我慢して。

初見ならではの衝撃を味わいたいの。

その気持ちもわかってくれると思うんだけど。

うん。我慢しててね。

それじゃ、続きは書店に売ってるかな。

ちゃんと買って来るから、そのときは読んでる私の新鮮な悲鳴を聞いてよ。

読み終わったら思う存分ネタバレで語ろうよ。

この本の世界が共有できるって幸せだね。

まずはネタバレ無しでいきたいから、

少しだけ我慢してね。

多分読み終えたら、怒涛の勢いで語ると思うからさ。

あ、気持ちわかるんだ。

それなら続きも楽しみだ。


あなたとネタバレ解禁になって語り合えるのが、

今から楽しみだよ。

それじゃ、ひとっ走り買ってくるね。

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