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第253話 カリスマとは

私にとってのカリスマとは、

あなたなのだろうなと思う。


あなたが正しいと思った道が正しい道。

私はいつでもそう思う。

誰に何を言われようとも、

あなたが正しい道と思ったが正しい道。

そして、私にとって正しい道。

あなたが進む道を私も行く。

例えいばらの道であろうとも、

私はいばらを切り拓いて、

あなたの進むべき道を作る。

あなたが正しいというのだから、

この道はいばらであろうが正しい。

あなたを傷つけるわけにはいかないから、

私はいばらを切り拓く。


あなたは正しい。

私にとってあなただけが正しい。

あなたはあまりにも真っすぐすぎる。

それゆえに正しくないと言う奴もいる。

何を見ているのだろうかと思う。

この人はあまりにも正しい。

正しく、清い。

真っすぐに生きていて、

裏表のない存在だ。

天使がいるとするならばこのような存在なのだろう。

あなたは正しい。

私はそれを証明し続ける。


あなたの声を聞ければ幸せになる。

あなたに微笑まれれば幸せになる。

あなたが苦しんでいるときは、

その苦しみを取り除きたいと思う。

あなたがどこかに行こうとするときは、

そのそばにいようと思う。

あなたを害するものすべてを取り除いて、

あなたには幸せでいてほしいと願う。

汚れ役は私だけで十分だ。

あなたはそれを知らなくていい。

あなたは真っすぐに生きて欲しい。

進むべき道を見据えて、前へ前へと進んでほしい。

あなたは正しい。

あなたは私のカリスマ。


近い将来、あなたのカリスマ性がもっと知られていくだろう。

あなたにはそれだけの素質がある。

あなたについてくるものもたくさん出てくるだろう。

あなたの言葉を待ち、

あなたの道を共に歩み、

あなたを認めるものがたくさん出るだろう。

それでも、あなたを真に理解しているのは私だ。

あなたのいばらの道を切り開いてきたのは私だ。

あなたを守ってきたのも私だ。

全ての害するものから守ってきたのも私だ。

私なのだけど、

あなたは前を見ていて、そのことに気が付いていない。

それでこそあなたなのだ。

あなたは私に気が付かないくらいでいい。

汚れ役を買って出る私を知らなくていい。

あなたは汚いものを知らなくていい。

あなたは美しいカリスマ。


あなたは信じた道を行く。

私はそっとついていく。

あなたが傷つかないように、

邪魔なものは取り除いておく。

あなたをはじめとした、

あなたの道を信じたものが続いていく。

ともに歩むものはどんどん増えていく。

あなたのカリスマ性はもっと知られていく。

私のことは知られなくていい。

あなたにすら知られなくていい。

私のことを知られれば、

あなたのカリスマ性が地に落ちてしまう。

私のことは隠されなければならない。


あなたは奇跡のような存在だ。

そこにいることだけで奇跡だ。

微笑むことで観衆を幸福にして、

言葉を言うことで心を打つ。

反対勢力は私が処分した。

あなたはそのまま信じた道を行ってほしい。

あなたに敵対する萌芽も摘み取っておいた。

あなたに逆らおうとするものはもう出ないはずだ。

そうすることで、私は法を犯した。

やがて私は裁きにあう。

あなたの進むべき道は、私が全て整えておいた。

あなたはこのまま信じた道を幸せに歩んでほしい。

あなたがこの道を進むことで、

たくさんの存在が救われる。

私はその道をともに歩むことはできない。

あなたが微笑みながらこの道を進んでくれればそれでいい。

私はきっと死ぬだろう。

あなたはきっとそのことを知らない。

誰も私のことなど知らない。

あなたはまっすぐ前を見ていた。

奇跡のように純粋な存在だった。

そのあなたを曇らせることなく、

前へ進む道を作れたことを、

私は誇って死のう。


あなたは私のカリスマ。

あなたのためならばなんだってした。

どうか、ずっと純粋なままでいて欲しい。

全ての人のためのカリスマであってほしい。

私は見届けられないけれど、

あなたのためにこの命を使えたことを、

私は喜びと思って死のう。


カリスマとは、あなただ。

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