234. 『姫。魔法使いになります!』~魔法使いになれたら★案件ゲーム耐久配信~③
配信から1時間半。オレは案件コラボ配信をしている。分からないことが多すぎて未だにゲームをプレイしてないのだが大丈夫だろうか……これ本当に10時間位で終わるのか?不安になってきたが、リスナーのみんなは楽しんでいるみたいで安心している。
ちなみにルナちゃんは自分の仕事に戻った。時間がない中、配信に来てくれて助かった。あとでお礼言っておかないと。
「さてさて。早速ガチャ引こうかな。まずは10連目ね……えい!」
コメント
『10連で引けるといいな~』
『まぁ1人でも出ればラッキー』
『もう9人一発で当てよw』
ガチャ演出が流れ、10冊の魔導書が現れる。その中に虹色の魔導書が3冊ある。ゲームをやらないオレでも虹色が一番良いことくらい分かる。これはもしかしなくても……来たんじゃないか?
「おお!すごい!いっぱい来た!」
コメント
『大草原w』
『神引きすぎw』
『いや姫引きw』
「とりあえず虹色の魔導書を順番に開こう。かのんちゃん。ましろ信じてるからね?」
画面をタップすると、虹色の魔導書から光が溢れてくる。虹色の光と共にキャラクターのセリフと声が聞こえる。
『この森を汚す者は何人足りも許しませんよ?』
そこには黄緑の長い髪の少女が立っている。手には樫の杖、服装は聖職者っぽい白いローブと帽子を身に纏っている。
「なんかお清楚wましろとかのんちゃんを足して割ったみたいな可愛いキャラクター来たんだけど!」
コメント
『妖精王来たぁ!』
『フェリシアじゃんw』
『それ風属性最強キャラだよw』
『ピックアップすり抜けw』
『でも使えなくね?』
『縛りプレイだからw』
「フェリシアちゃん?最強の妖精王なんだぁ……かのんちゃんの上位互換だねw使いたいけど、今回はダメだね。Fmすたーらいぶのライバー以外も出るんだね……気を取り直して次いこ次!じゃあこれにしよ。かのんちゃん。ましろ信じてるからね?」
『究極の必殺魔法をお見舞いしてあげる!逃げても無駄だよ?キルすっぞ!するから』
「おお!あるとちゃんだぁ!『あるましろ』の絆来たね?キルすっぞ!できるのは嬉しいね」
コメント
『あるてぃめいとの想いが勝ったw』
『とりあえず1人』
『次いこ次!』
「そうだね。あるとちゃんはサポーターだから、欲しいのはアタッカーかヒーラーだよね……お願いかのんちゃん!ましろのこと好きだよね?」
『このくらい天才魔女っこの手にかかれば……うん!完璧……あれ?ええ!?なんか間違えたかも!?』
「あ!これはココアちゃんだ!『まっしろココア』の絆も来た!やったねアタッカー来たよ!」
コメント
『ゲームでもポンココするなw』
『あるココてぇてぇ来たw』
『あとかのんちゃんだけ』
そのあともオレはガチャを回していく。ソフィアちゃん、キサラさんと4期生も全員当てるという姫引きを見せた。が。なぜか……かのんちゃんだけ出ないまま残り10連……
「やっぱり……『ましのん』はビジネスなんだ……ねぇ親衛隊のみんな?かのんちゃんの代わりに、このフェリシアちゃんじゃダメ?彼女5期生だからさw」
コメント
『それは草』
『流石にw』
『主役は遅れてやってくるからw』
『ましろんエキスプレスカード使おw』
「最後の10連やっちゃうね。これで出なかったら……ましろんエキスプレスカード使うねwかのんちゃん可哀想だもんね。出るようにみんな応援しててね?ましろ、次で出ないとかのんちゃん嫌いになるよ?」
そう言ってオレはガチャを回す。虹色の魔導書は1冊。これがかのんちゃんじゃない場合、課金ということになるのか……
コメント
『とりあえずセーフ』
『姫引き信じよ』
『隊長。姫がご立腹ですよw』
「じゃあタップするよ?かのんちゃんお願い!」
『ましろん先輩のために頑張ります!だって……親衛隊隊長ですから!』
コメント
『来たぁぁぁぁ!』
『ラストでかのんちゃん引いてて草』
『最後の最後でましのんの絆が勝ったなw』
『全員揃える姫引きw』
「ましろ信じてたよかのんちゃん!うわぁ嬉しい!とりあえずこれで始められるね。パーティー組もう!せっかくだから最初に来たあるココとかのんちゃんで行こうかな」
こうしてやっとスタートを切ることになる。……課金沼にハマる人の気持ちが少し分かったかもな。もし当たらなかったら意地でも課金していた自信があるし。……ハマらないように気をつけよう。