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584. 『Vの軌跡』ネット番組対談配信①

584. 『Vの軌跡』ネット番組対談配信①




 そして時間は19時。ネット番組の配信が始まる。司会の人の挨拶から始まって、進行していく。ネット配信なのにかなりの人数が観ているようだ。


「始まりました。『Vの軌跡』第2夜ということで、今日の対談のお相手はVtuber事務所『Fmすたーらいぶ』の代表取締役社長の星乃社長です。よろしくお願いいたします」


「はい。よろしくお願いいたします」


「そしてライバーさんも来てくれてます。ご存知の方も多くいると思いますが、自己紹介お願いできますか?」


 《皆さんこんばんは。良い夜をお過ごしですか?Fmすたーらいぶ1期生、みんなの姫こと姫宮ましろです》


 《夢に向かって一直線!Fmすたーらいぶ4期生、きらめき☆アイドルこと夢花かなえで~す!よろしく!》


 自己紹介も終え、対談が始まっていく。基本的には社長が答えていく。そして話を振られたときに答えるという形だな。質問の内容はどれもこれも予想の範囲内だし、事前に調べているので答えることも出来るので問題はないな。そのまま配信が続いていき質問コーナーになる。


「ここでぜひ聞いてみたい質問がありまして、よろしいでしょうか?」


「どうする?かなえさん?」


 《えっ!?かなえですかw》


「冗談です。どうぞ。なんでも答えますよ」


「あはは。面白い社長さんですね。では質問を読ませてもらいますね?『Fmすたーらいぶと言えばアイドルVtuberのイメージが強いですが、当初からその路線は意識していたのですか?』とのことですが、どうなんですか?」


 ……確かにそんなコンセプトは当初はなかったけどな……どうなんだろうか?


「いえ。全然意識してませんでしたwただ1期生がデビューして少しずつVtuberプロジェクトが軌道に乗り始めて、最初に事務所として思い付いたのは『すたフェス』と『夏の長時間配信』でした」


「そうなんですね。特に『すたフェス』は『Fmすたーらいぶ』さんと言えば知らない人はいないくらい有名ですよね?」


「おかげさまで。1期生を3D化する時にせっかくなら動きを活かした企画がないかと思い付いたのが『すたフェス』でした。今だからお話しますが2期生のオーディションは歌唱力を少し重視していました。それで受かったのが黒夜ルナ、輝聖いのりです。ダンスの得意な伊集院クララをスカウト。そしてもう1つコンセプトとして『1期生のライバル』というのがありました。そしてアンチが多くなることはある程度予想はしていました。どんなことがあっても折れないメンタルの強い子が必要でした。それが遠山さくらですね。これが2期生です」


「いやぁ……なんて言うか……すごいですね。ましろさんはご存知でしたか?」


 《いえ。初耳です。驚きました……きちんと考えてるんだな社長ってw》


「あら?弄ってもらえて光栄よw」


 配信は笑いに包まれながらも質問コーナーは進んでいく。


「そしてもう1つの『夏の長時間配信』ですが、最初の『みこシス30』は正直失敗でした。圧倒的に人数が足りていなかった。ライバーには辛い思いをさせてしまいました」


「最初なので、ましろさんも参加してますよね?どうだったんですか?」


 《ましろは司会ではなかったので、司会の2人よりは楽でしたけど、休む時間がほぼなかったですw》


「本当に申し訳ないことをしました。その経験があって、3期生は5人採用することにしました。そしてコンセプトは『箱』。失敗してしまった『みこシス30』ですが、そこで素晴らしい企画が生まれました。今まで個々で頑張っていくスタイルから箱として配信を多くするコンセプトに切り替えました。合わせてeスポーツの認知度が上がっていたので、海原あるとをスカウト。1番年上の九重キサラを軸として箱の力を最大限に活かせるような、全員が『若いけど何か光る真っ直ぐなもの』を持つ子、そして更にゲームが出来る子を採用し、色々な内容のゲーム配信が出来るようにしました。この頃から応募者もかなり多くなって来ましたね」


「なるほど。実際に先輩がたの色々な話を社長から聞いて、どうですかかなえさん?」


 《正直ビックリしてます。このあと4期生も聞けるのかな?って思うと少し怖いんですけどw》


 そんな感じで番組は続いていく。……正直オレも初めて聞いた事ばかりだ。星乃社長は『ライバー全員にも観てほしいわ』と言っていたと桃姉さんが言ってたな。確かにこういう話しは普段聞くことが出来ないからな……改めて社長はすごい人なんだな。

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