目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

阮籍8  酒飲みシンパシー

東晋とうしん末、名族太原たいげん王氏の貴公子、

王恭おうきょうが親戚の王忱おうしんに聞く。


阮籍げんせきは、司馬相如しばしょうじょと較べてどうだろう」


王忱は答える。


「何ら変わらんさ。


 ただ、阮籍の胸のうちには

 深いわだかまりがあった。


 それを洗い流さんと、

 酒を痛飲していたのだろうな」


前漢ぜんかんの時代、

武帝ぶていに大いに気に入られていた

司馬相如。


西晋せいしんの時代、

司馬昭しばしょうに大いに気に入られていた

阮籍。


その差を、酒と見るわけだ。




王孝伯問王大:「阮籍何如司馬相如?」王大曰:「阮籍胸中壘塊,故須酒澆之。」


王孝伯は王大に問うらく:「阮籍は司馬相如とで何如?」と。王大は曰く:「阮籍が胸中は壘塊、故より須らく酒にて之を澆う」と。


(任誕51)




王恭

東晋末にめちゃくちゃ大きな存在感を放つ貴公子。ただし軍事の才能がないのに軍を動かして、その軍部に裏切られ死亡。まぁ後々いっぱい出てきます。


王忱

王恭のはとこにして、東晋末が誇るアル中。まぁ基本的には「王忱が極度のアル中だったから阮籍に比定された」という感じのエピソードである。


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?