このときの王戎の慟哭は、
それはもう凄まじいものだった。
王戎のその様子を見て、言う。
「王戎殿、慟哭をするな、とは言わん。
だがな、己が身を損ねてしまえば、
結局は親より頂いたものを
損ねてしまうこととなる。
それはそれで、不孝と
言われてしまうのではないかな?」
王安豐遭艱,至性過人。裴令往弔之,曰:「若使一慟果能傷人,濬沖必不免滅性之譏。」
王安豐の艱に遭ぜるに、至性なること人に過ぐ。裴令は往きて之を弔うに、曰く:「若し一慟をして果して能く人を傷ぜしまば、濬沖は必ずや滅性の譏りを免れざらん」と。
(德行20)
性は正に転ず、という感じなのでしょうかね。にしてもこの裴楷のたしなめ方、クレバーで良いですね。