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王戎3  はてなき慟哭

王戎おうじゅうの母親が死んだ。

このときの王戎の慟哭は、

それはもう凄まじいものだった。


裴楷はいかいが弔問に訪れると、

王戎のその様子を見て、言う。


「王戎殿、慟哭をするな、とは言わん。


 だがな、己が身を損ねてしまえば、

 結局は親より頂いたものを

 損ねてしまうこととなる。


 それはそれで、不孝と

 言われてしまうのではないかな?」




王安豐遭艱,至性過人。裴令往弔之,曰:「若使一慟果能傷人,濬沖必不免滅性之譏。」


王安豐の艱に遭ぜるに、至性なること人に過ぐ。裴令は往きて之を弔うに、曰く:「若し一慟をして果して能く人を傷ぜしまば、濬沖は必ずや滅性の譏りを免れざらん」と。


(德行20)




性は正に転ず、という感じなのでしょうかね。にしてもこの裴楷のたしなめ方、クレバーで良いですね。

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