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周顗12 周顗さんつおい2

庾亮ゆりょうさま、突然周顗しゅうぎに言う。


「周顗殿。其方のことを、

 皆ががく氏に準えておる」


ほう、と顎をしゃくる周顗さん。


「どの楽か?

 無論、楽毅がくきのことであろうな?」


「いや、楽広がくこうだ」


これを聞き、周顗さんプッツンきた。


「はぁ!?

 いくら鍾離春しょうりしゅんを飾り立てたところで、

 どうすれば西施せいしにまで

 持って行けるというのだ!」


あっ……。

周顗さん、自己効力感

高くていらっしゃいますね……。




庾元規語周伯仁:「諸人皆以君方樂。」周曰:「何樂?謂樂毅邪?」庾曰:「不爾。樂令耳!」周曰:「何乃刻畫無鹽,以唐突西子也。」


庾元規は周伯仁に語るらく:「諸人は皆な君を以て樂と方ぶ」と。周は曰く:「何ぞの樂か? 樂毅と謂わんや?」と。庾は曰く:「爾らず。樂令なるのみ!」と。周は曰く:「何ぞ乃ち無鹽に刻畫し、以て西子に唐突せるや?」と。


(輕詆2)




楽毅

宮城谷昌光みやぎたにあきみつ氏が小説にするレベルの人物、と言ってしまうのが早いか。戦国時代、しんせいの二大国状態にまで進んでいた情勢下、えんの将軍になって他国と連携、斉を総スカンにして一気に小国にまで落とし込んだ手腕の持ち主。あまりにも有能すぎて燕の王から猜疑心で見られたのでちょうの国に亡命、客死した。


楽広

西晋の名士。来歴辿ると割と八王の乱引き起こした一人。「楽広なんぞをどう飾り立てたら俺レベルに辿り着くって言うんだ!?」と周顗さんは仰っており、おぉ、この人はもう……と言う感じになる。


鍾離春

無塩むえん」と言う地に住んでいた醜女の代表格みたいな人。ただしめっちゃ聡明だったそうで、最終的には斉王の妃にまで上り詰めている。なんだこの阮氏みたいな人。


西施

絶世の美女の代表格。ところでこの人いわゆる「傾国の美女」であり、そう考えると周顗さん「栄達した人よりも国を滅ぼした人の方が優先される」って認識になるわけで、だいぶアウトな思考してませんかね、という事になる。


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