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庾亮5  わしの扇子

穎川郡えいせんぐんの氏族として、漢魏かんぎの時代には

あまりぱっとしなかった庾氏。

だが庾敳ゆがい庾亮ゆりょうといった存在のおかげで、

東晋とうしん期にはだいぶ存在感を

大きくしている。


そんな庾氏のひとり、庾法暢ゆほうちょう

かれは庾亮と同年代のひとだ。


ある時庾法暢、庾亮さまを訪問。

この時かれの手には、

実に見事な扇子があった。


「おや、ずいぶん立派なものだな。

 どこで手に入れたのだ?」


庾亮さまが聞くと、庾法暢、答えるよ。


「わしが作ったのよ。

 こんなもん、慎ましき奴は欲しがらん。

 と言って、欲張りにやろうとも思わん。

 なので今、手元にあるのだ」




庾法暢造庾太尉,握麈尾至佳,公曰:「此至佳,那得在?」法暢曰:「廉者不求,貪者不與,故得在耳。」


庾法暢の庾太尉に造れるに、握れる麈尾の至りて佳なれば、公は曰く:「此れ至りて佳なれば、那こにて在せるを得んか?」と。法暢は曰く:「廉なるは求めず、貪なるには與えざれば、故に在すを得たるのみ」と。


(言語52)




庾法暢

たぶん字なんだけど、諱も残ってないのでどうしようもない。あと続柄も不明。何もかもが謎すぎるせいで、一体この話に何を読み取ればいいのかって感じになりましたよね。


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