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王胡之3 ザコ家門はNO

王胡之おうこし会稽かいけい郡の東山とうざん

謝安しゃあんさまや阮裕げんゆう王羲之おうぎしなどが

引きこもっていた山にいた時、

めっちゃ貧乏だった。


王胡之のこの様子を

心配したのが、陶範とうはん

あの陶侃とうかんさんの息子である。


近所の烏程うていの長官であったため、

飢えている王胡之に宛て、

船で米を運送した。


が、王胡之、突っ返す。

受け取ろうとしない。


すぐさま、こう書を送っている。


「わたくしが飢えたのであれば、

 謝尚しゃしょうどのに頼りますよ?


 なので陶範どのの米を

 受け取る余地はないのです」




王脩齡嘗在東山甚貧乏。陶胡奴為烏程令,送一船米遺之,卻不肯取。直答語「王脩齡若飢,自當就謝仁祖索食,不須陶胡奴米。」


王脩齡は嘗て東山に在りて甚だ貧乏なり。陶胡奴は烏程令と為り、一なる船を送りて米を之に遺らんとせど、卻けて取るを肯ぜず。直ちに答えて語るらく「王脩齡の若し飢うるも、自ら當に謝仁祖に就きて食を索めん、陶胡奴が米を須めず」と。


(方正52)




王胡之

琅邪ろうや王氏。名族。ド名族。


謝尚

陳郡ちんぐん謝氏。名族。ド名族。


陶範

陶侃の息子。

いわば成り上がりのボンボン。

そんな奴の施しなんぞ、

誰が受けるかよ、というわけだ。


にしたってケーベツ剥き出しに

しすぎでしょうよ王胡之さん……。

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