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第57話 建設現場の激闘


 左側から、作業員たちによる投擲攻撃が行われている中、それでも、ショーン達は苦戦する。


 何故なら、大量のゾンビや特殊感染者に加え、元作業員ゾンビ達が強すぎるからであった。



 そんな中、ゾンビ化した、白人作業員のリーは、ミーに殺られて、電動釘打機を握ったまま倒れた。



 感染血液が、ベッタリと付着した、ジョストは降りまくるジョストも、リズの火炎魔法で焼かれた。



 しかし、まだまだ、ゾンビ軍団は健在であり、油断成らない状況であった。



「筋肉が硬くたっとねぇ~~? 殴り合いなら望む所さっ! 私も力自慢なんだよっ!」


「グオーーーー!? ナ、なぜ、コウゲキスル?」


「やっと、薬の効果が出てきたかっ! おしっ! そのまま、ゾンビ同士で戦えっ!」


「グアアッ? グアアッ? グアア…………」


「助かったっ! ミー、今度は俺が援護してやるからなっ!」


「ブシャ~~!! グブッ!?」


「援護してくれるなら、他のゾンビを狙うにゃあっ!」


「ギギガガッ!?」


「みんな、今から私も魔法を射つわっ!」


 フリンカは、剣を投げ捨てると、拳を構えて、ヨランダの懐に入り込み、すぐさま殴りまくった。


 ショーンは、トリップソードを抜くと、アーヴィンは薬の効果により、立ち上がったままになる。



 ワシントンは、アフマドの腹に近距離から弓矢を射ち込み、奴を怯ませる。


 その好きに距離を取ると、今度は自分を助けてくれた、ミーを支援しようと、敵に矢を放ちまくる。



 ジョストを倒したばかりのリズは、休む間も無く、大火球を上空に向けて、打ち上げる。


 そして、炎の雨を降らせて、ゾンビ達に火を着けていき、火傷によるダメージを与えた。



「グアッ! グアッ! グアア~~~~!!」


「く、これでも喰らえっ!」


 フレッシャー化した黒人作業員ルーマスは、トンカチを振り撒くって、スバスを何度も叩く。


 それを、両腕を交差させて、防御していた彼は、奴を蹴りあげた。



 次いで、倒れた隙を狙い、顔面に思いっきり、ウニ鉄球を叩きこんだ。



「グギャーーーー!?」


「よっしゃ、次は爆弾を投げまくるぞっ!」


「スバス、その間は守ってやるっ!」


「にゃあっ! ウォーリアーやジャンピンガー達は、任せるにゃっ!」


「ゲロローーーー!?」


 ようやく、ルーマスを仕留めた、スバスは入り口から現れるゾンビ達に爆弾を投げまくった。


 それは、リズの火炎攻撃を掻い潜って、迫ってくる連中を何体か倒した。



 トリップソードで、ショーンは、サバイバルナイフを握る、ウォーリアーと剣で打ち合う。


 ミーは、ナットを指弾により、スピットゲロー化した、ライナーの後頭部に命中させた。


 そして、奴が握っていた鉄パイプが地面に落下して、カランカランと音を立てた。



「段々、ゾンビの数は少なくなったぞっ! 残りも切り裂きながら減らしてやるからなっ!」


「だねっ! おら、おら、おら、おらっ! ん、ちょっと変だね?」


「ウガ、ウガ、ウガ、ウガ、ウガ~~~~?」


 ショーンは走り回りがなら、次々と群がるゾンビ達を切っていく。


 互いの顔が、ボコボコになるまで、フリンカとヨランダ達は殴り合っていた。



「やっぱり? 妙だと思ったら」


「ウガアーー!? な、何、ドウナ…………!?」


「ゲガガッ!?」


 フリンカは、急に勢いを無くして、ヨランダが大人しくなったので、驚いてしまった。


 どうやら、彼女にはトリップソードの効果が効いてきたらしく、それで混乱しているようだ。



 そして、毒ガスを吐きまくる、アフマドを後ろから殴り始めた。


 背中を、叩かれたせいで、彼は体中から毒霧を噴出しながら、手からスコップを落として倒れた。



「ギャーーーー!? 何ナノーーーー!!」


「グアッ!!」


「ガア~~~~!?」


「なんだ? あ、そうかっ! ようやく、彼女に薬が回ってきたのかっ! なら、他も切りつけてたし、後少しだっ!」


「これは、好都合だわっ! 下手に、彼女に近寄らなければ、勝手にゾンビを倒してくれる」


 ヨランダは、周りを歩くゾンビ達を殴りまくり、ウォーリアー達を掴んで投げ飛ばす。


 それに加えて、他のゾンビ集団も、激しく互いに攻撃をし始めた。



 これは、ショーンの目論見が見事に成功して、彼が切っていた連中にも、薬が効いてきたからだ。


 火炎放射を噴射しようと、リズは構えたが、マジックロッドを下ろして様子を見る事にした。



「グオーーーー!? ぞ、ぞ、ゾンビの襲撃イイイイ~~~~!!」


「ぞぞぞぞ、ゾンビ?」


「ギャーー!!」


「グアアアアーー!!」


「お前ら、ゾンビ達から離れろっ! 連中には、薬が効いてきているから、後は自滅する」


「だな? 後は矢を射たなくて良さそうだ」


「暫くは、戦いを見ているとするかにゃ?」


 ヨランダは、、スレッジハンマーを拾い上げ、砲丸投げの要領で、体を回転させる。


 こうして、周りに近寄る、フレッシャー&ウォーリアー達を、殴りまくっていく。



 アーヴィンは、飛びはねまくり、スパナで見かけた、ゾンビの群れを叩きまくる。 


 さらに、他のゾンビ集団も互いに戦った結果、だいぶ数を減らしていた。



 ショーンは、仲間たちに指示を出しながら、敵から離れて、目立たないように隠れる場所を探す。


 ワシントンとミー達は、群れの合間を密かに通り、建物左側にある路地にまで撤退する。



「グアッ! アア」


「グオーー!?」


「ギャアアアアッ!」


「ウエアアーーーー!!」


 フレッシャーは、ウォーリアーを殴り、ロングソードの反撃で、首を跳ねられる。


 小走りするゾンビは、ジャンピンガーによって、上から奇襲されて、激しく揉み合う。



「ゾンビ、ゾンビ、グアアアアッ!!」


「ゾンビだ、コロセーー!? コ…………」


 ヨランダは、一匹のジャンピンガー化した、リザードマンに目をつけた。


 それは、アーヴィンだったが、奴の後ろから、スレッジハンマーが振り下ろされて頭が潰された。



「グルルルルーー!」


「ギャアアーー!」


「グアッ! グアッ! グアアァァァァ…………」


「可哀想だねぇ…………だけど」


「彼女で最後か? しかし、鉄球の間合いではないしな」


「仕方ない、止めを刺してやるか」


 ウォーリアーが右腕に握るマチェットを振るい、フレッシャーが殴りかかる。


 この攻撃を受けながらも、スレッジハンマーを豪快に、ヨランダはスイングしていた。



 しかし、腕を刃物で斬られ、打撃武器により足を叩かれて、体中から血を吹き出している。


 ゾンビ化しているとは言え、ずっと攻撃を受けていた彼女は、いよいよ限界が来たようだ。



 その様子を見ていた、フリンカとスバス達は、哀れな姿だと思うが、下手に近づけないでいた。


 だが、ショーンは密かにゾンビ達に近寄っていき、トリップソードを振るった。



「邪魔だっ! 退きやがれっ! このっ! ヨランダ、最後の止めだ」


「ウアッ!」


「ギャッ!?」


「ウガアアーー!? ヤメテーー!?」


 背後から、フレッシャーの首を跳ね、ウォーリアーを切り捨てる、ショーン。


 彼は、ヨランダに近づくが、彼女は両ヒザを地面に突いて、命乞いを懇願する。



「ああ、やめてやる…………この一発を加えたらなっ!!」


「ギャアーーーーーー!!」


 ショーンが首を跳ねる前、ヨランダは凄まじい悲鳴を上げたが、やがては頭が地面を転がる。


 それにより、彼女の体は、ゆっくりと前に倒れて、ドシンッと音を立てた。



「ついに、ついに終わったんだにゃ? 私達は勝ったんだにゃあっ!」


「ああ、だが、まだ気を抜くなよ? ゾンビの生き残りが存在するかも知れないからな? だから、弓を下げられん」


「そうだわっ! 念のため、火炎魔法で焼却しないと成らないもの」


「爆薬や地雷の準備もしないとな? また、敵が来るかも知れんし」


 最後のゾンビだった、ヨランダが死んだ事で、ミーは安心して建物に背中を預けた。


 対する、ワシントンは警戒を怠らず、狩猟弓を強く握ったまま、死体を睨み続ける。



 火炎放射で、倒れている死体を、リズは焼いていき、生き残りが居ないかと探しつつ掃討する。


 スバスも、入口の手前に、爆弾などを設置しながら道路を見張る。



「ショーン、残念だったね…………」


「ああ、でも仕方ないさ」


 ヨランダの死体を見ながら、フリンカとショーン達は、呟きながら立ち尽くす他なかった。

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