左側から、作業員たちによる投擲攻撃が行われている中、それでも、ショーン達は苦戦する。
何故なら、大量のゾンビや特殊感染者に加え、元作業員ゾンビ達が強すぎるからであった。
そんな中、ゾンビ化した、白人作業員のリーは、ミーに殺られて、電動釘打機を握ったまま倒れた。
感染血液が、ベッタリと付着した、ジョストは降りまくるジョストも、リズの火炎魔法で焼かれた。
しかし、まだまだ、ゾンビ軍団は健在であり、油断成らない状況であった。
「筋肉が硬くたっとねぇ~~? 殴り合いなら望む所さっ! 私も力自慢なんだよっ!」
「グオーーーー!? ナ、なぜ、コウゲキスル?」
「やっと、薬の効果が出てきたかっ! おしっ! そのまま、ゾンビ同士で戦えっ!」
「グアアッ? グアアッ? グアア…………」
「助かったっ! ミー、今度は俺が援護してやるからなっ!」
「ブシャ~~!! グブッ!?」
「援護してくれるなら、他のゾンビを狙うにゃあっ!」
「ギギガガッ!?」
「みんな、今から私も魔法を射つわっ!」
フリンカは、剣を投げ捨てると、拳を構えて、ヨランダの懐に入り込み、すぐさま殴りまくった。
ショーンは、トリップソードを抜くと、アーヴィンは薬の効果により、立ち上がったままになる。
ワシントンは、アフマドの腹に近距離から弓矢を射ち込み、奴を怯ませる。
その好きに距離を取ると、今度は自分を助けてくれた、ミーを支援しようと、敵に矢を放ちまくる。
ジョストを倒したばかりのリズは、休む間も無く、大火球を上空に向けて、打ち上げる。
そして、炎の雨を降らせて、ゾンビ達に火を着けていき、火傷によるダメージを与えた。
「グアッ! グアッ! グアア~~~~!!」
「く、これでも喰らえっ!」
フレッシャー化した黒人作業員ルーマスは、トンカチを振り撒くって、スバスを何度も叩く。
それを、両腕を交差させて、防御していた彼は、奴を蹴りあげた。
次いで、倒れた隙を狙い、顔面に思いっきり、ウニ鉄球を叩きこんだ。
「グギャーーーー!?」
「よっしゃ、次は爆弾を投げまくるぞっ!」
「スバス、その間は守ってやるっ!」
「にゃあっ! ウォーリアーやジャンピンガー達は、任せるにゃっ!」
「ゲロローーーー!?」
ようやく、ルーマスを仕留めた、スバスは入り口から現れるゾンビ達に爆弾を投げまくった。
それは、リズの火炎攻撃を掻い潜って、迫ってくる連中を何体か倒した。
トリップソードで、ショーンは、サバイバルナイフを握る、ウォーリアーと剣で打ち合う。
ミーは、ナットを指弾により、スピットゲロー化した、ライナーの後頭部に命中させた。
そして、奴が握っていた鉄パイプが地面に落下して、カランカランと音を立てた。
「段々、ゾンビの数は少なくなったぞっ! 残りも切り裂きながら減らしてやるからなっ!」
「だねっ! おら、おら、おら、おらっ! ん、ちょっと変だね?」
「ウガ、ウガ、ウガ、ウガ、ウガ~~~~?」
ショーンは走り回りがなら、次々と群がるゾンビ達を切っていく。
互いの顔が、ボコボコになるまで、フリンカとヨランダ達は殴り合っていた。
「やっぱり? 妙だと思ったら」
「ウガアーー!? な、何、ドウナ…………!?」
「ゲガガッ!?」
フリンカは、急に勢いを無くして、ヨランダが大人しくなったので、驚いてしまった。
どうやら、彼女にはトリップソードの効果が効いてきたらしく、それで混乱しているようだ。
そして、毒ガスを吐きまくる、アフマドを後ろから殴り始めた。
背中を、叩かれたせいで、彼は体中から毒霧を噴出しながら、手からスコップを落として倒れた。
「ギャーーーー!? 何ナノーーーー!!」
「グアッ!!」
「ガア~~~~!?」
「なんだ? あ、そうかっ! ようやく、彼女に薬が回ってきたのかっ! なら、他も切りつけてたし、後少しだっ!」
「これは、好都合だわっ! 下手に、彼女に近寄らなければ、勝手にゾンビを倒してくれる」
ヨランダは、周りを歩くゾンビ達を殴りまくり、ウォーリアー達を掴んで投げ飛ばす。
それに加えて、他のゾンビ集団も、激しく互いに攻撃をし始めた。
これは、ショーンの目論見が見事に成功して、彼が切っていた連中にも、薬が効いてきたからだ。
火炎放射を噴射しようと、リズは構えたが、マジックロッドを下ろして様子を見る事にした。
「グオーーーー!? ぞ、ぞ、ゾンビの襲撃イイイイ~~~~!!」
「ぞぞぞぞ、ゾンビ?」
「ギャーー!!」
「グアアアアーー!!」
「お前ら、ゾンビ達から離れろっ! 連中には、薬が効いてきているから、後は自滅する」
「だな? 後は矢を射たなくて良さそうだ」
「暫くは、戦いを見ているとするかにゃ?」
ヨランダは、、スレッジハンマーを拾い上げ、砲丸投げの要領で、体を回転させる。
こうして、周りに近寄る、フレッシャー&ウォーリアー達を、殴りまくっていく。
アーヴィンは、飛びはねまくり、スパナで見かけた、ゾンビの群れを叩きまくる。
さらに、他のゾンビ集団も互いに戦った結果、だいぶ数を減らしていた。
ショーンは、仲間たちに指示を出しながら、敵から離れて、目立たないように隠れる場所を探す。
ワシントンとミー達は、群れの合間を密かに通り、建物左側にある路地にまで撤退する。
「グアッ! アア」
「グオーー!?」
「ギャアアアアッ!」
「ウエアアーーーー!!」
フレッシャーは、ウォーリアーを殴り、ロングソードの反撃で、首を跳ねられる。
小走りするゾンビは、ジャンピンガーによって、上から奇襲されて、激しく揉み合う。
「ゾンビ、ゾンビ、グアアアアッ!!」
「ゾンビだ、コロセーー!? コ…………」
ヨランダは、一匹のジャンピンガー化した、リザードマンに目をつけた。
それは、アーヴィンだったが、奴の後ろから、スレッジハンマーが振り下ろされて頭が潰された。
「グルルルルーー!」
「ギャアアーー!」
「グアッ! グアッ! グアアァァァァ…………」
「可哀想だねぇ…………だけど」
「彼女で最後か? しかし、鉄球の間合いではないしな」
「仕方ない、止めを刺してやるか」
ウォーリアーが右腕に握るマチェットを振るい、フレッシャーが殴りかかる。
この攻撃を受けながらも、スレッジハンマーを豪快に、ヨランダはスイングしていた。
しかし、腕を刃物で斬られ、打撃武器により足を叩かれて、体中から血を吹き出している。
ゾンビ化しているとは言え、ずっと攻撃を受けていた彼女は、いよいよ限界が来たようだ。
その様子を見ていた、フリンカとスバス達は、哀れな姿だと思うが、下手に近づけないでいた。
だが、ショーンは密かにゾンビ達に近寄っていき、トリップソードを振るった。
「邪魔だっ! 退きやがれっ! このっ! ヨランダ、最後の止めだ」
「ウアッ!」
「ギャッ!?」
「ウガアアーー!? ヤメテーー!?」
背後から、フレッシャーの首を跳ね、ウォーリアーを切り捨てる、ショーン。
彼は、ヨランダに近づくが、彼女は両ヒザを地面に突いて、命乞いを懇願する。
「ああ、やめてやる…………この一発を加えたらなっ!!」
「ギャアーーーーーー!!」
ショーンが首を跳ねる前、ヨランダは凄まじい悲鳴を上げたが、やがては頭が地面を転がる。
それにより、彼女の体は、ゆっくりと前に倒れて、ドシンッと音を立てた。
「ついに、ついに終わったんだにゃ? 私達は勝ったんだにゃあっ!」
「ああ、だが、まだ気を抜くなよ? ゾンビの生き残りが存在するかも知れないからな? だから、弓を下げられん」
「そうだわっ! 念のため、火炎魔法で焼却しないと成らないもの」
「爆薬や地雷の準備もしないとな? また、敵が来るかも知れんし」
最後のゾンビだった、ヨランダが死んだ事で、ミーは安心して建物に背中を預けた。
対する、ワシントンは警戒を怠らず、狩猟弓を強く握ったまま、死体を睨み続ける。
火炎放射で、倒れている死体を、リズは焼いていき、生き残りが居ないかと探しつつ掃討する。
スバスも、入口の手前に、爆弾などを設置しながら道路を見張る。
「ショーン、残念だったね…………」
「ああ、でも仕方ないさ」
ヨランダの死体を見ながら、フリンカとショーン達は、呟きながら立ち尽くす他なかった。