ショーンとミー達は、BB団を助けるべく、中央ホールを突破してきた、ゾンビ達に向かっていく。
「ゾンビが見えたな? ファットゲローか?」
「アレは、スカルビーマーだにゃっ!」
「ウオオオオ~~」
「グアアアアアアアア」
ショーンは、大勢のゾンビ達に混じっている、背が高いファットゲローを見つける。
ミーも、紫色に光る特殊感染者であるスカルビーマーが、口を開く姿を見る。
「うおおっ! 撃ちまくるんだよっ!」
「弾が切れるまで、撃つぜぇ~~!」
「グギャギャッ!?」
「ガア~~~~~~!?」
赤髪ショートヘアの女性エルフBB団員は、廊下に向けて、M2ブローニングから火を吹かせた。
顔に赤いマフラーを巻いている、トロールのBB団員は、ガトリングガンを左右に連射する
これだけで、かなりのゾンビ達が穴だらけになって、手足が吹き飛び、次々と死んでいった。
だが、これは第一陣であり、奥から第二陣が直ぐに向かってくる。
「ウオオ~~~~」
薄暗い廊下の先からは、かすかな呻き声が、こちらまで響いている。
「弾が切れた、クソッ! 鉄パイプ槍を振るうしかないわっ!」
「こっちは、消化斧を振るうぜっ!」
「助けに来たぜっ! 俺達も、援護するぞっ!」
「にゃあっ! 雑魚なら、釘や指弾で倒せるにゃっ!」
廊下の左右からは、無数のゾンビ達が、ウジャウジャと蠢きながら現れた。
そんな連中を前にして、赤髪ショートヘアの女性エルフBB団員は、両手で鉄パイプ槍を構える。
顔に赤いマフラーを巻いている、トロールのBB団員は、消化斧を片手で握った。
そこに現れたばかりのショーンは、トリップソードを握りしめ、ミーに目を向けた。
彼女も、懐から釘を取り出し、投擲範囲に敵が入るまでは、じっと待ち構えた。
「ウォーーーー!」
「グオオオ~~!」
「行くぞ、みんなっ! 敵を食い止めるために、ここを突破させるワケにはいかない!」
「そうだにゃっ! にゃっ! 喰らえ、喰らえっ! 頭を狙えばっ!」
「お前ら、ここは俺たちに任せろっ! さっき、手榴弾を見つけたしなっ! 子樽型に比べれば、爆発範囲は狭いが、威力は高いぜ」
「グアアーーーー!?」
「ガエエ~~~~!!」
「白兵戦なら、私が相手になってやるよっ? ポイズンソードで、一刀両断さっ!」
「グエッ!」
「ギャアアーー! グギャアア…………」
向かってくるゾンビ達の中から、ジャンパーが来ると、ショーンはトリップソードを振るう。
一撃目は避けられるが、二撃目は脇腹を切り裂いて、違法薬物を浸透させる。
ミーは頷き、心臓が高鳴るのを感じて、彼とともに戦うべく、右隣に並びながら釘を投げる。
それは、群れの中から飛び出てくる、フレッシャー&ジャンピンガー等に当たり、額を赤く染める。
周囲を見渡して、スバスは手榴弾のピンを抜くと、転がすように下から投げた。
その後、間も無く爆風が舞い上がり、動く死者たちを纏めて、吹き飛ばす。
フリンカは、ポイズンソードで、ウォーリアーが走ってくると、簡単に切り捨てた。
次に、飛び出てきたばかりのエングラーが叫ぶ前に金髪ロングヘアーを掴んで、敵側に放り投げた。
「グオオオオッ!!」
「ガアアアアーー」
「頭を狙えば殺れるっ!」
「ぶった切るぜええ」
赤髪ショートヘアの女性エルフBB団員は、両手で鉄パイプ槍で、マッスラーを突き刺す。
顔に赤いマフラーを巻いている、トロールのBB団員は、消化斧で頭からジャンパーを叩き割る。
ゾンビ達が、こちらを睨むが、目は虚ろで、まるで何も感じていないかのようだった。
しかし、連中の大半は動きが鈍く、彼らの間をすり抜けてくる特殊感染者だけが脅威だった。
「グルエエエエ? グルエ~~?」
「ガアアアッ! アア、ア?」
「グルル、グギイッ!?」
「来たなっ! なら、コイツを喰らえっ!」
ショーンは、フラフラと歩く、ジャンパーを見ながら、後ろから走ってくる他のゾンビ達を睨む。
彼は、トリップソードで、敵を混乱させれば、勝てるチャンスがあるはずだと信じていた。
さらに、フレッシャーの腹を斬った後、スピットゲローが吐いた強酸を、バックラーで防御する。
そして、次は口を開く前に、奴の胸を袈裟斬りにして、直ぐにバックステップで距離を取った。
「グアア、じじじじ、自爆するぞ、ゾゾッ!?」
「自爆野郎が、来たにゃあっ!」
廊下の奥から新たに走ってくる群れだが、そこには自爆ゾンビこと、ボンバーが存在した。
ミーは、奴を自分たちへと、近づく前に起爆させようと、指弾でナットを飛ばしまくる。
「お、お前ら、ジジ自爆に巻き込みミミミミ?」
「不味い…………あっ! 右から味方が来るわっ!」
「銃を持っているぞ」
「援護するっ! これで、何体かは倒せる」
「なんだ、この数はっ!」
まだ少しだけ、知性と自我が残っているボンバーは、訳も分からず、ただ自爆しようと走ってくる。
赤髪ショートヘアの女性エルフBB団員は、鉄パイプ槍を構えながら、援軍に気がついて叫ぶ。
顔に赤いマフラーを巻いている、トロールのBB団員は、消化斧を右肩に担いで、味方を見て喜ぶ。
右側から走ってきた、赤帽子のキョンシーBB団員は、曲がり角からAK47を撃ちまくる。
赤肌オーガー族のBB団員は、二連散弾銃コーチガンから、弾丸を無数発射した。
「グアッ! バクハツする、ルルルルッ! ドッカーーンッ!」
「グギャアッ!?」
「ギギャアッ!!」
「死んだかっ! もう、こっちは任せて、大丈夫そうだな?」
ボンバーの体を弾丸が貫くと、奴は膨れ上がりながら大爆発を起こした。
こうして、周りを走るゾンビ達も、爆炎に巻き込まれながら、肉片と化した。
ショーンは、素早く反応して、バックラーを構えて、トリップソードを振り下ろした。
彼が廊下を見ると、奥は血塗れになり、鼻を突くほどの腐臭が立ち込めていた。
「撃ち殺せっ! こっちに近寄らせるなっ!」
「ギャアアアアーーーー!! グギイ…………」
「ウオオオオ~~」
「他の場所からも、来たぞっ!」
頭に、赤バンダナを巻いている、ワーウルフBB団員は、機関拳銃イングラムを連射しまくる。
それは、絶叫するエングラーの体中に命中して、鈍い音を立てて倒れ込む。
マッスラーが右肩を前に出しながら、タックルを繰り出しつつ、突撃してくる。
オークのBB団員は、風刃魔法により、空気砲を背中に背負った掃除機から放ち、応戦する。
しかし、いつの間にか中央ホールは、一階だけでなく上階まで、ゾンビ達が溢れかえっていた。
連中は、アチコチから現れては、金銀財宝の山を中心に走り回って、叫び声や唸り声を上げる。
「今度は、後ろから来たかっ! お前ら、廊下はBB団の連中に任せて、俺たちは再び中央ホールに戻るぞっ!」
「ウアア~~」
「厄介だにゃっ! 退くんだにゃあーー! 次は、こっちから来るのかにゃっ! にゃ、にゃ、にゃあっ!」
「当たったわっ! あっ! みんな、離れてっ! 上から、クジラの模型が落ちてくるわよ」
「不味い、あっちの連中が、下敷きになるぞっ!」
中央ホールに侵入してきた群れは、津波のように押し寄せてくる。
ショーンは、連中を殲滅せんと、剣と盾を構えて、敵の方へと走っていった。
ミーは、隙を突いた攻撃に気がつき、後ろから迫るゾンビを回りし蹴りで、黄金の山に飛ばした。
そんな中、海トカゲ団の狙撃兵部隊や機関銃手と戦っていた、リズが叫んだ。
ついに、彼女が放っていた大火球が、天井に備えられた吊り下げ装置を破壊したのだ。
紫色のレーザー糸が消え失せ、支えを失った骨を見て、スバスは叫んだ。
「うわああ~~~~!? 逃げろーーーー!!」
「こ、後退だ、ひええええっ!?」
「グルアア~~?」
「ガオオオオオオ~~~~!!」
ブラックアントに跨がる、緑色のアリ人間は、急いで、落下地点から離れていく。
床に、巨大な黒い影が大きくなる度に、青アリ人間は、包丁を握りしめ、焦りながら逃げていく。
マッスラーは、逃げるアリ人間たちを、不思議そうに思い、ドシドシと足音を鳴らして追いかける。
フレッシャーは、勢いよく走り、獲物を追撃せんと、近くの海トカゲ団側へと向かっていく。
その後、クジラ模型は、落下と同時に轟音を立てて、バラバラに飛び散った。