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第182話 空の旅、ニ夜目

―――天翔船雪の女王スノー・クイーンの二日目の夜。


雪の女王スノー・クイーンは遂にフロンテ大陸南部スッドに入り、ビアンカ公国からワイス帝国の上空に差し掛かろうという位置まで来ていた―――


―――本来、この世界の移動手段であれば数年以上の時間を使っても不思議ではない広大な大陸の縦断移動をたった三日で実行している時点で驚異的な出来事だ。


雪の女王スノー・クイーンの責任者である艦長のアルテミスは、艦橋の索敵マップに表示された目的地への到着時間を計算する―――


「到着は―――明日の朝ですか。処女航海だったにしては設備や機材の問題も大きいものはなくて良かった」


推進部のバランス問題は八雲に報告しておいたし、それも航海中は問題とまではならなかったことに安心しながら艦橋から見える夜の星空に目を向ける。


「ディオネが言っていましたがマスターの女にしてもらうのは当分先になりそうですね。流石にこの三日間でお近づきになるには時間が足りませんでした……」


ディオネの名の下にそんな怪しげなことをひとり呟きながら、また夜空の闇と星を見つめ続けていた―――






―――艦内では、


白雪と雪菜が同じ部屋で久しぶりのアルブムへの帰国について語り合っていた。


「なんだか何年も戻ってなかったみたいな感覚がするよ……」


ソファーに腰掛けながら向かいの白雪に告げる雪菜。


「それは……人として生きてきた貴方にはそう思えるのでしょうけど、私達にとってはほんの一瞬……刹那の感覚よ」


この世界が誕生した頃から存在している神龍にとっては、この数ヵ月のことなど本当に刹那にしか感じられないほど、人とは時間間隔がそれこそ言い表せないほどに違いがあった。


「白雪達にとっては本当にそうなんだろうね……でも私達にしてみれば数ヵ月でも長い時間だよ。でも、その間に出会った人達とのことがいっぱいだから、だからこんなにもアルブムにいた頃のことが昔のことに思えちゃうんだろうね」


「貴方にとっては―――九頭竜八雲と過ごした時間は人生の殆どだったのでしょう?」


突然そんなことを訊いてきた白雪に雪菜はキョトンとした顔になり、


「どうしたの?突然そんなこと訊いてくるなんて。八雲と何かあった?」


本当に心から心配して白雪に問い掛けた。


「別に何もないのだけれど、あのノワールが御子にしたという事実を知って気にはなっている……といったところかしら。永遠に御子など迎えないと思っていたから」


「どうしてノワールはそんなに長い間、御子を迎えなかったの?」


当然の疑問を口にする雪菜だったが、白雪は暫く無言で答えてくれない。


だが、ゆっくりと重い口を開くと―――


「それは、ノワール本人でなければ語ってはいけないことでしょう?他の者が彼女の想いを口にするのは憚られるわ」


―――雪菜に諭すように優しく告げる。


「うん……そう……だね」


その言葉を聴いて雪菜もそれ以上詮索するようなことはせず、ただふたりで窓の外の闇夜を見つめていくのだった―――






―――その頃、自室の八雲。


ピチョン!と水滴が水面に波紋を作り広がっていく。


部屋に併設された専用の浴室で他の部屋よりも大きく立派に造られたその浴室の風呂に浸かり、その左右に佇む葵と白金の肩に手を回し三人で湯船に浸かっていた。


あれから落ち着いた白金の様子を見て、


「それじゃあもう今日はお休み、ふたりとも」


と休もうとした八雲に、


「は?何をおっしゃっているのですか?ぬし様。妾達が此処に来た理由をもうお忘れですか?」


と葵が長い金髪を揺らして反論する。


「え?―――いや白金を慰めて欲しかったからじゃないのか?」


と、問い掛ける八雲に葵は、


「違います!白金を慰めるのはあくまでついでのこと。目的は初めから申しました通り―――夜伽でございます」


ハッキリとついでだと言い切った。


「義姉さまヒドイ……」


「妹のこと、ついでって言い切ったよ……この姉ちゃん……」


葵の一言にドン引きした八雲と白金だったが、


「あら?そんなことを言って白金もぬし様に身体で慰めて頂きたいと思っていたでしょう?正直に申してみよ?」


と、白金の顎に手を置いて優しく問い掛ける葵に、顔を赤くして呻きながら、


「うぅぅ……そ、それは、そう、なればとは思って……ズルいです、義姉さま……/////」


と、本音を吐露してきたので、葵はそれを聴いてコロコロと笑いだす。


「そういうことですので、主様。どうか今宵は白金共々、可愛がってくださいませ♡/////」


ハートマークでも浮かんでいそうな瞳を向けながら、八雲に淫靡な笑みを浮かべたのだった……






―――そして、


八雲の疲れを癒そうとなって三人で風呂に入る経緯となる。


「はぁ~♡ 部屋の風呂もいいですが、こうして主様の部屋の風呂に義妹と三人で入るのもいいものですね♡ ねぇ、白金もそう思うでしょう?」


すると八雲を挟んで反対側にいた白金が、


「はい。主様と義姉さまと三人で過ごせて、私はそれだけで幸せです」


そういって銀髪を後ろに纏めた頭を八雲の肩に置いて甘えるように身体を密着させてくる。


「ふふっ♪ やはりそうであろう。妾も主様と白金とこうして過ごすのは何よりも幸福に感じる♡/////」


そう言って今度は葵が八雲の肩に金髪を纏めている頭を寄せて、身体を密着させてくる。


しかもこのふたり、身体を密着させるだけに止まらず、そっと湯船の中でその手を伸ばして八雲の身体に触れながら優しく程よい刺激を与えてくる。


そんな金髪と銀髪の狐娘ふたりに豊満な胸を押し付けられた挙句、大事なところまで優しく扱われたりすれば、八雲でなくとも肉欲が沸々と沸き上がるのは当然だろう。


寄り添うふたりの脇の下から腕を回し、そこにあるたわわな果実を軽く鷲掴みして、


「あん、んん/////」


「やん、あっ/////」


可愛い狐娘の吐息が八雲の耳に届いた。


両手いっぱいに広がった柔らかい感触を楽しみながら、徐々にその先端にある突起に指を伸ばして親指と人差し指でふたりとも同時に摘まんでやると―――


「―――あん♡ そこは/////」


「―――んう♡ 主様/////」


途端に期待を孕んだ濡れた瞳で八雲を見上げてくる葵と白金に八雲がそっと舌を突き出してやると、喜びの笑みを浮かべながらふたりともその可愛いくも淫らなピンクの舌を伸ばしてくる。


「んん、はぁ、ペロッ/////」


「はぁ、ちゅる、レロッ/////」


八雲の舌に左右から必死に絡みつくふたりの舌が蠢く間も八雲はふたりの胸の先端を『神の手』スキルを発動した両手の指で転がし、そしてふたりの手は湯船の中で八雲の身体を優しく弄るのを繰り返していく―――


そうして美女ふたりの奉仕を受ける八雲の興奮が昂ぶらないはずもなく、ザバッ!と湯船から立ち上がった。


「そろそろ上がろうか」


その八雲の言葉を待っていましたと言わんばかりに、ふたりは―――


「はい♡ 主様/////」


―――と、声を合わせて答えるのだった。






そして八雲の寝室のベッドでは―――


「あぁああ―――ッ!!! ああっ、そこぉ、もっとぉ/////」


側位の体勢になった白金を背中越しに八雲が、激しく腰を打ち付けている。


後ろから横を向いた白金の首筋に舌を這わせながら脇の下を通して柔らかな胸を鷲掴み、その八雲の背中側で横になった葵が八雲の脇の下を通して腕を伸ばし、八雲の胸板を指先で撫でながら舌の先を尖らせて八雲の耳に差し込んで舐め回していく。


一番左に白金、八雲、葵とベッドの上で側位の体勢で『川』の字状態となって密着しながらお互い密着している。


「ああっ、ぬしさまぁ、もっと、もっといっぱい、いっぱいしてぇえ♡/////」


普段はクールビューティーな見た目の蒼い巫女服を纏う白金が、八雲と閨に入ると途端に淫らな狐へと変貌する。


しかも今日はマキシとのこともあって少し気弱になっていたこともあり、随分と甘えたモードになっていたのを八雲も葵も気づいていたが、だからこそこうして可愛がってやることがふたりの白金への慰め方なのだ。


腰の打ち込む早さをさらに上げた八雲によって白金の息は荒くなり目の前が白くチカチカと煌いていく。


側位の体勢で腰を押し付けて密着させると同時に、激しい痙攣を開始する八雲―――


「オアァアア―――ッ!!!/////」


―――白金の瞳がぐるんと半白目を剥き、ピンクの唇の隙間から可愛い舌がピクピクと痙攣しながら突き出されている。


ゆっくりと腰を前後させていく八雲―――


そうしてようやく動きを終えた八雲は、ゆっくりと白金の身体から離れていく……


すると、待ち構えていたようにして、葵が八雲に圧し掛かると―――


「次は妾の番です♡ 主様ぁ/////」


―――待たされたせいか葵は八雲の返事も待たずに腰の上に跨ると、そのまま一気に腰を落としていった。


「んあぁあああ―――/////」


八雲の腰の上で見悶えてその大きな胸を、ぷるん♪ ぷるん♪ と揺らす葵に、


「主の許可も貰わずに、これはお仕置きしないとダメだな?」


と言い放つと、そのまま上半身を起こして葵を組みし抱くとそのまま押し倒した状態になる。


「ああ、ぬしさまぁ♡ どうか、どうか、お許しを♡/////」


許しを請いながらもその顔はどんなことをしてもらえるのかと、期待に満ちた表情になっている。


そんな葵を片腕はその背中に回し、もう片方の腕は葵の頭を抱き締めながら、その狐耳の傍で八雲は、


「俺が満足するまで止まらない」


そう囁くと、それを聴いた葵の身体はブルリッと震えていた―――






―――そして、


あれからもう何度失神させられたのか、葵自身も分かっていない……


腹の奥を何百回と打ち付けられて『神の手』スキルと『回復』の加護の併用で、むしろ快感に変わっている葵に八雲も遂に限界を迎える―――


―――次の瞬間、八雲の腰が一段と密着すると、ブルリと身体を痙攣させた。


半白目で失神しかけていた葵が、八雲に合わせて長い時間ピクピクとそれに反応していた。


そうしてふたりが気絶するまで何度も求めた八雲は気持ちのいい解放感の中でふたりの間に横になり、グッスリと眠りに就くのだった……


明日の朝には南部スッドのアルブム皇国へと到着する―――



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