目次
ブックマーク
応援する
5
コメント
シェア
通報

第213話 漆黒の御子と真紅の御子、乱れて

「―――さっきの話を聞いて……且つては他の男の妻だった女を……それでもお前は憎からず想えるか?」


―――それは七百年前にイェンリンと出会った紅蓮が感じていた




イェンリンの生きることへの美しさと―――




「俺はお前を―――愛してる」




―――その存在への愛しさだった。




ただ一言、その言葉だけしか今の八雲には思い浮かばなかった―――






八雲の言葉を聴いて、暫く黙っていたイェンリンだったが―――


「どうも女誑しのお前が言うと信用が置けないぞ……だったら、それを余に証明してみせよ―――」


静かにそう答えたイェンリンがブラウスを脱ぎ始め、一枚、また一枚と衣服を脱ぎ去っていく……


布の擦れる音がその寝室に響きながら、目の前のイェンリンの素肌が広がっていく姿に八雲の心臓は少しずつ跳ね上がっていった―――


そうして遂には真っ赤な下着まですべて脱ぎ去り、全裸になって八雲の前に立っていた。




リボンを解かれた赤いメッシュの入った金髪が広がり―――


―――七百年の時を経ても美しい肌


―――鍛えられて均整の取れたプロポーション


―――レギンレイヴのクリスタルに入っていた時から思っていたが大きさもあり、形も美しい胸


下腹のなだらかな白い肌が八雲の視線を釘付けにしていく……




そこまで止めることも出来ず、ただ黙ってその行動を見つめていた八雲。


「余の肌をタダで見ておいて、自分はそのままで脱がないのか?」


と告げられた八雲は、何も言わず自分も次々と衣服を脱ぎ捨てた―――




―――日々の鍛錬を忘れたことのない肉体


―――張りのある大胸筋


―――六つに割れた腹筋


―――引き締まった上腕二頭筋


そしてイェンリンの美しい身体に反応して、八雲のそれは既に天を突かんばかりの勢いになっている。




お互いに見事な肉体を露わにして向かい合う八雲とイェンリン―――


そうしていると、イェンリンがゆっくりと八雲に近づいてくる。


そして、何も言わずに両手を八雲の大胸筋の上に宛がった。


「ほう……今此処で一目見ても思ったが、やはり日々の鍛錬を怠らずに積み重ねてきたことが分かるぞ」


―――と、スベスベとした両手で八雲の胸元を撫でていると、右手だけを腹筋、下腹部へと滑らせていき、股間に指を滑り込ませて撫でていく。


「こんなにして……八雲よ、そんなに余の裸に興奮したのか?/////」


右手でスリスリと撫で上げながら少し紅潮しだした頬で問い掛けるイェンリンに―――


「ああ、興奮してる。惚れた女の裸を見て興奮しない男なんていない」


―――と正直に答えると、少しイェンリンが不満そうにした表情を浮かべる。


「他の男のことなど、どうでもよいわ。お前が興奮してくれるというのなら、それでよいのだから/////」


そんな女の一面を見せつけて鹽らしいイェンリンを一体誰が想像していただろうか……


此処でもし八雲が「お前どうしたんだ?いつもと違い過ぎるだろ」などと空気を読まない発言などすれば、忽ち違うルートへの分岐が発動してしまうことは八雲も分かっていることで、その別ルートの先には二度とこんなシチュエーションは訪れない『BAD ENDルート』だということも同時に想像出来た。


そんな八雲の口から零れたのは―――


「……綺麗だ」


―――という思ったままの一言だ。


「うおっ!?……そ、そうか……まあ当然だ!余の肌を見た男はフレント以外で言えば、お前が二人目だ!有難く思えよ!/////」


―――と、素直に八雲から言われた一言に意表を突かれたようで、変に空威張りしたような言い回しになっているのを八雲は必死に笑わないように耐えていた。


むしろ、そんな照れ隠しをするようなイェンリンが可愛らしくすら見えてくる。


「しかし……噂には聞いていたが、こんな立派な物を隠し持っていようとはな……流石は余の見込んだ男だ/////」


股間をいつの間にか両手で撫で回すようにしているイェンリンの指の巧みな動きに思わず快感が背中を走る。


そんな八雲から両手は離さず、むしろ自身の身体を密着させてくるように近づいてくるイェンリンがニヤリとしながら―――


「なんだ?余の指で弄ばれて悦に浸っているのか?ん?気持ちいいか?八雲/////」


下から上目遣いをしながら、そう問い掛けるイェンリンに八雲は頷きながら―――


「ああ、気持ちいいよ。イェンリンが触れていると思っただけで快感が止まらない」


―――とイェンリンの瞳を見つめながら答えると、


「フフフッ、まあまあの答えだな♪ ではその気持ちを口づけで返してはくれないのか?/////」


挑発的な返事がきたので、そのまま上目遣いのイェンリンに顔を近づけると瞼を閉じたイェンリンの瑞々しい唇へと自分の唇を落とした―――


「ん……んんっ……ちゅ♡……」


―――柔らかい感触が八雲の唇に伝わってくるだけで、股間がビクリと更に膨張したような感覚に囚われたが、イェンリンもまた唇を許した瞬間、自分の中で何かが大きく変わった感覚に囚われていた。


「んんっ……んちゅ……ちゅ……んあっ…んんっ…ちゅ…ハァ―――/////」


重なり合った唇は初めこそ、ゆっくりとお互いを確かめ合うようなものだったが、段々その感触が刺激を引き起こして、どちらからともなく互いの舌を求め合い、重なった唇の中でまるで別の生き物のように絡み合ってはお互いの気持ちをぶつけ合っていった。


そうしてどのくらいの時が過ぎただろうか―――


漸くゆっくりと引き離した二人の舌先にキラリとした橋が架かって途切れるところを見送ると、


「閨へ……」


そう言って八雲の手を取ってベッドへと誘うイェンリン。


そうしてベッドに膝をつき四つん這いで登っていくイェンリンの裸体が丸見えになり、八雲の目に飛び込んできたことで、もう八雲の脳裏にはイェンリンを抱きたい気持ちしかなかった。


ベッドに仰向けになって横たわるイェンリン……


真っ赤なシーツの上に横たわる白い肌の美しい肢体が薄っすらと汗ばんでいて、紅潮したその顔は魔性の魅了を放っていた。


そのイェンリンの横に並んで寝た八雲は、隣から上に覆い被さるようにして、イェンリンの顔を見つめる。


そこからは、ふたりに言葉は必要なかった―――


再び唇を奪う八雲に、イェンリンも先ほどと同じく舌を絡めて応える。


「ちゅ……ちゅ♡……ハァハァ……んんっ♡―――/////」


最初から激しく絡み合うふたりの舌と同時に、八雲は左手をそっとイェンリンの胸へと運ぶ。


横になっても型崩れなどほとんど起こさない張りのある胸の上から、そっと掌をのせてゆっくりと揉みしだく。


「んんっ!?ん!んん……んちゅ……ちゅ♡/////」


胸に触れられた瞬間、その快感にイェンリンは驚き、口から思わず大きな喘ぎ声を上げそうになるのを八雲のキスで塞がれていた。


八雲の掌で発動した『神の手』スキルにより、触れられている胸から広がる温かく、それでいて得も言われぬ快感が襲ってきたことに驚きを隠せないイェンリンだったが、相手が八雲だと思えば抵抗することもなくそのままに快感を受け入れていった―――


限りなく優しく胸に触れる八雲はスベスベの肌を掌で堪能しながら、その胸の天辺に佇む薄桃色の突起に人差し指で触れる。


それと同時に唇を離れた八雲の舌はイェンリンの細くて白い首筋を舐めながら下っていた。


「んああっ……な、んなの、だ?これは?……これは普通じゃ、んん!……ないだろ、んああっ♡ いい♡/////」


全身に走る過剰な快感でその違和感にすぐ気づきながらもイェンリンの身体はビクビクと反応して応える。


「これは俺が愛情をもって接する相手に快感を与える力だ」


イェンリンの耳元でそう答える八雲。


「なん、だと?お、お前、そんなスキルまで、あん♡ か、隠し持って、んんっ♡ いたのか!?あああっ♡!/////」


そんなイェンリンの首筋から胸元に舌を舐め下ろしていく八雲は、先ほど転がしていた胸の先端とは反対の先端へと移り、そっと舌先で舐め上げてやると―――


「んんんんっ!ダ、ダメだ!こ、これは♡ これ、は、ダメになって、しまう!!/////」


実際に体験することで八雲のスキルの中毒性をいち早く悟ったイェンリンだが―――


―――当然その舌先にも『神の手』スキルを発動していた八雲のそれに転がされた胸の突起は、まるで我が身を差し出すかのように隆々と膨らみ始めてコリコリとした突起へと育っていく。


目の前でそんな風に育っていれば、男として取る行動はひとつと言わんばかりに八雲は吸いついて、口の中で舌先を使って転がしながら可愛がった。


「ンアァアアア―――ッ!!や、やくもぉ♡/////」


さらに指で摘まみ上げたところでイェンリンが喘ぎ声を大にして腰をビクビクと震わせながら気をやったのがすぐに分かった。


「んんんっ♡ はぁはぁ……こ、この痴れ者めぇ……余を、なんだと、思っているのだ?はぁはぁ♡/////」


余韻に浸りながら、イェンリンは嫌味っぽくそう言い放つが、


「俺にとって大切な女だと思ってるけど?」


悪びれもせず素直にそう答える八雲。


「うっ!?そ、そうか、ならばよい……ん?よいのか? あん♡ コラッ!お前、まだ余は達したばかりでぇ♡!/////」


指先で優しく撫でるようにしながら、その指には『神の手』を少しずつ強めながら流し込んでいく―――


「アアアッ!!!お、お前、またさっきの力でぇ!余の、身体、を、んああ♡! す、好き勝手、しよって!あああ♡ いい……/////」


撫で回していく八雲の指先は、まだ攻めていない。


だが、もうとっくに準備の出来ているイェンリンに触れているだけで、八雲は胸の内に湧き上がる支配欲が止まらない。


イェンリンの耳元に口を持っていくと、そっと囁く―――


「イェンリン、もう俺、ひとつになりたい……」


―――と伝えると、絶頂後の余韻から少し意識がハッキリとしだしたイェンリンは、上半身を起こした八雲の前で、


「ああ、いいぞ……さぁ、おいで/////」


まるで処女のように美しい部分を八雲に見せつけるようにして、その美脚を左右に大きく開いた……


―――その美しくもエロい姿に八雲はビクリ!と波打つ。


早く!早く掻き回したい!!―――そんな衝動を『理性の強化』の発動で押さえながら、入口へと宛がう八雲。


擦り付けながら位置を確かめていき、『神の手』と一応『回復』も発動してイェンリンへと侵入を開始する。


「ンアアッ♡ こ、これは♡ そ、想像以上に、お、大きい……あああ♡ くる、やくもがあぁ/////」


侵入しては少し引き、また侵入しては少し引きを繰り返して掻き分けていく―――




―――まずは先端が、


「アンンンッ!ま、まだ、入るのか!?い、一体、どこまで♡♡/////」





―――ようやく半分が、


「んんん♡ こ、こんな、こわれて、しまうぅ♡ んああっ♡/////」




―――そして、イェンリンの奥に到達する。


「アアッ!!と、とどいた、のだな♡ んん♡ 余の奥に……わかるぞ……ああ……これが、やくもの♡ あああああ♡!/////」




「―――それじゃ最後まで」


「……はっ? な、なに? まだ最後まで入って―――ッ?!アアアアア―――ッ!!!/////」


正常位で向かい合いながら迎え入れていたイェンリンが背中を仰け反らせて身体を痙攣させていく。


「お、お前、大き、すぎぃ!こ、こんな……余の、潰れるぅ!/////」


そんなイェンリンにそっと顔を近づけて―――


「心配しなくても『回復』も使ってるからお前を傷つけるなんてしない。だから……快感だけ受け止めてくれ!」


―――そう言い放つと同時に腰を引いた八雲は再びその腰を前に送り込む。


イェンリンが喘ぎ声と荒い息をしている中で八雲はゴリゴリと理性が削られていく。


徐々に早められていく腰使いに、イェンリンはまた絶頂の兆しを迎えるが、八雲の腰は容赦なく打ち付けられていく―――


―――絶叫を上げて半白目を剥きながら震えるイェンリンの頭を抱き抱えるようにして八雲は腰を更に振る。


八雲の腰使いは止まらない―――


―――ベッドの軋む音が寝室に響き渡る。


「ハァハァ!俺も、俺も、もうすぐだ!!」


激しい腰使いに絶叫のような喘ぎ声を上げ続けるイェンリン―――


―――それを八雲はギュッと抱きしめて、


そして―――


「ウオオオッ!!!イェンリン!!受け止めてくれっ!!!!!」


「あぁああああ―――ッ!!! あはあああっ!!! やくもォオオ!!!/////」


―――八雲の欲望が弾けた瞬間、イェンリンもまた気をやってしまい涎まで溢すほど夢中になっていた。


そして漸くイェンリンの意識も少しずつ戻ってきていた……


「ハァハァ……まったく……お前は、んん!ああっ♡ なにもかも……規格外過ぎる/////」


呆れるようにそう告げたイェンリンだったが、そんな八雲がイェンリンの胸に吸いついて甘噛みし始める。


「あんん! コ、コラァ♡ そ、そのように、して、ガッつくでない……というか、んん! や、やくも? お前の、どうして、硬いまま、なのだ?/////」


すると胸に吸いつき、舌で転がしていた八雲が顔を上げると、


「―――言ってなかったか?俺、『絶倫』ってスキルも持ってるんだ」


と答える八雲にイェンリンは絶句していた。


「……ぜつ……りん……だと?ということは……/////」


『絶倫』という言葉に、何かを察したかのようなイェンリンの顔は真紅に染まっていく―――


「ああ、だからシッカリと覚えてくれよ、イェンリン!」


そう言って再び腰を前後に動かし始める八雲―――


「んあああっ♡! お、おい!じょ、冗談であろう?―――アアアッ!そんな!ああ!いいっ!!/////」


―――初めは驚いていたイェンリンだったが、


いつしか全身を走る快感に、自らも腰をうねらせていくのだった―――






漆黒の御子と真紅の御子―――ふたつの強烈な魂が今、ひとつに溶けあうかのように、お互いを求めあって魅かれあっていく……






―――再び動かし始めた腰の上に、イェンリンを抱き上げる八雲とイェンリン。


イェンリンの美脚の両膝裏に手を入れて持ち上げながら、激しい上下運動を繰り返していく八雲。


その動きに八雲の首に両腕を回しながら喘ぎ声を上げ続けるイェンリン。






ベッドの枕に顔を埋めながら、後ろから攻められるイェンリン―――


―――八雲の欲望が弾けるタイミングを身体に覚えさせられていった。






限界を訴えたイェンリンを容赦なく上に跨らせて下から腰を打ち付ける八雲―――


―――突き上げられる度に胸を揺らして、跨った腰を自らも無意識に動かしていくイェンリン。


仰向けになった八雲の上に同じく仰向けで横になるイェンリン―――


―――この後も、最強クラスの体力の持ち主であるふたり。


夕暮れになっても、夜になっても、空が白みだしてもまだ、お互いを求め続けていくのだった―――



この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?