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第220話 三人と夏の夜

―――バーベキューを終えて、後片付けも終えた八雲達。


「エエッ!?―――この部屋、本当にひとりで使ってもいいのぉ!?」


キャンピング馬車の伸ばした二階に上って二つある寝室のひとつに八雲とリヴァーがいた―――


「ああ。昨日まではチビッ子達の相手をよくしてくれていたからな。このキングサイズの豪華ベッドをひとりで好きなだけ転がりながら休んでくれ。この部屋は今日、リヴァー専用の部屋だ」


「ううっ……マスター!貴方ホントは良い人だったのね♪ 今まで女の敵のクズ男だとか、ハズレマスターだとか、扱い最悪で労働条件劣悪とか言ってゴメンね☆」


「……あ、ああ……そんなこと……気にするな……ホント……気にするな……」


リヴァーの散々な貶しように頬肉がピクピクと怒りで震える八雲だが、これから雪菜、フォウリン、マキシとの夜を邪魔させる訳にはいかないので、怒りを抑える意味で『理性の強化』スキルを発動し続ける……


「さ、さあ、広々としたベッドの寝心地でも確かめてみてくれ」


「そうね♪こんなに広ければどんなに転がってもベッドから落ちることなんてないわよね♪」


そう言ってリヴァーから見れば広大な庭のようなシーツのど真ん中にチョコンと横になってみると、


「ああ~♪ いいわぁ♡ もうこれ、ホント寝心地最高よマスター♪ ホント、こんな……気持ち……よかった、ら……すぐに……スピィ……スー、スー……」


「どんなけ寝つき良い子なんだよ!?ハァ……おやすみリヴァー」


ベッドに横になった途端に眠りに落ちたリヴァーの様子を苦笑しながら眺めていた八雲は寝息を聞きながら、そっと一階に降りて行く。


そして一階の奥にある寝室へ向かうと、そこには―――


レースの施されているシルクで織られたナイトローブを纏った雪菜とフォウリン、それにマキシが待っていた。




―――雪菜は白のナイトローブ。




―――フォウリンはピンクのナイトローブ。




―――マキシは薄い水色のナイトローブだった。




そう―――あの日の夜、フォンターナ迷宮の第二階層で八雲に諭された夜と同じものを纏って寝室で揃って八雲を待っていたのだ。




「今日は……あの夜のやり直しだから、三人でここからやり直そうって決めてたの」


白いナイトローブを纏い、そう八雲に告げた雪菜の瞳は少し潤んでいる。


フォウリンとマキシも八雲が前まで行くとその瞳を潤ませながら、上目遣いになりつつ頬を薄っすらと赤らめているのが八雲にも見て取れた。


そんな三人を見つめながら、改めて八雲は思う……


こんな可愛い三人の美少女達に好意を示されて、そして今夜はその中の二人の処女を捧げると言われているのだ。


日本にいた頃ならば、このようなシチュエーションなど絶対にありはしなかっただろう。


ノワールを頂点とした八雲の寵愛を受けた女達の集い、龍紋の乙女クレスト・メイデンなるものまで結成され、本当に今の自分が置かれている立場は幸せであることが実感として八雲の胸に溢れ返っている。


「三人とも……俺の妻になって欲しい。これからも俺の傍にいて欲しい。家族として」


その言葉が自然と口から出てきた八雲は、もうこの三人を絶対に手放さないと改めて誓う。


「勿論だよ。だって、私が八雲から離れるなんて……もうあんな思いするのは……嫌だよ」


そう呟くように応えたのは雪菜だ。


八雲が突然この異世界に飛ばされ、訳も分からずに探していた雪菜……


この世界で再び八雲と会うことが出来たのが、どれほど幸福だったことか。


「わたくしは、学園で初めてお会いして剣帝母様のことを命懸けで救って頂いている間にも、八雲様に魅かれておりました。今は剣帝母様にもわたくしの気持ちをお認め頂いて、こうして貴方様の前に立てることを心から喜んでいますわ」


三大公爵家の令嬢としてバビロン空中学園で初めて出会ったフォウリン。


どこかイェンリンに似ている彼女がヴァーミリオンから、こうしてアルブム皇国まで同行してイェンリンの回復のため、迷宮にまで足を踏み入れてきた勇気と、己を研鑽することを忘れない姿勢、そんな彼女が自分を慕ってくれたことが何よりも嬉しいと八雲は思っている。


「僕は……罪を犯した人間だけど、それでも僕のことを支えてくれた皆には今は感謝しか出来ない……でも!そんな僕でもきっと、この先何かの時には皆の助けになれるような人になりたいんだ。僕が人を好きになることを、セレストは諦めないでと言ってくれた。だから、僕は君が好きだよ……八雲君」


生い立ちから既に不幸のどん底のような環境で育ってきたマキシ。


彼女の行った行為は、本来なら許されることではないのだろう。


だが、それでも彼女の周りには彼女に生きて欲しいと願った者達がたしかにいた。


そして、その中の一人として八雲も間違いなくいたのだ。


三人の言葉を聴いて、八雲はグッと腹に力を入れて己の資質に問い掛ける―――




―――この三人を幸せにするか?


勿論、当然だ―――




―――この三人が困難や病に見舞われた時は手を差し伸べるか?


誰よりも手を差し伸べて助ける―――




―――この三人を生涯、愛していくか?




その答えは―――




「―――愛してる……これからもずっと、三人を愛していく」


八雲自身の口から、ハッキリと告げられる愛の告白―――


―――もう三人にこれ以上の言葉はいらなかった。






―――ベッドの上に膝をつきあって、全裸で抱き合う四人の男女。


八雲の左側にフォウリン、真ん中には雪菜、そして左側にはマキシがいて、八雲が三人を包むように抱きしめる。


そうして顔を近づけると、八雲は雪菜にまずキスをする―――


「んっ♡……んん……んちゅ……チュッ……ちゅ/////」


―――目の前で交わされる八雲と雪菜の舌づかいや唾液の交換される水音に、フォウリンとマキシはそれを見つめながらも、その瞳は羨ましいと訴えかけていた。


そっと雪菜から唇を離した八雲はフォウリンを見つめる―――


「んっ!……んん♡……はあ……ん、ん、んん!?……あん……ちゅる/////」


―――八雲の唇を受け入れるため、目を閉じていたフォウリンの潤んだ唇を奪った八雲は、それから差し入れた舌で、フォウリンの舌を愛撫して蕩けさせていった。


そして、最後に残ったマキシに目線を向けると、すでに瞳には涙が溜まっている。


そんなマキシの身体をそっと抱き寄せながら、八雲はマキシの唇を堪能していく―――


「んん♡……あん……ちゅ……はあ♡ んちゅ……んん……好き/////」


―――待ち切れなかったマキシは口づけとほぼ同時に八雲の唇を自らの舌で割り入って、積極的に舌を絡めていく。


そんなマキシとのキスを堪能している間に、雪菜は次に何をすべきなのかを考えて八雲の既に目覚め始めている男性の象徴を、その白く細い指でそっと包み込むと、まるで割れ物を扱うような手つきで優しく撫で摩っていく―――


―――甘い快感にマキシの唇を離して雪菜に視線が交差すると、微笑みを讃えながらも指先はまるで娼婦のように巧みに八雲の感じるポイントを攻めてきていた。


「―――うっ!」


雪菜の手淫で受けた快感に、思わずくぐもった声が出る八雲の表情をフォウリンとマキシも頬を赤く染めながら見ていた。


「見てフォウリン、マキシ。八雲が私達に感じてくれてこんなになったよ/////」


ふたりの耳元で囁くようにして雪菜が手の中で弄んでいたことで目覚める逞しいものを示す。


そんな巨大なものを目にしてフォウリンとマキシの二人は破瓜の期待と恐怖、両方が入り混じった感情に頭が染め上げられていき、少しずつ息が荒くなって甘い吐息を漏らしていく……


「さあ、ふたりも触ってあげて。これからふたりを気持ちよくして八雲の虜にしてくれる大切なものだから、丁寧に優しく触れてあげてみて/////」


まるで悪魔の囁き……いや、この場合は淫魔の囁きとでもいうのだろうか?


そんなサキュバスのような雪菜の囁きにふたりがそっとその手を伸ばしていくと、指先で触れてくる。


少し冷やりとした指が左右から触れてきて、逆に彼女達は逞しいその熱を指先から感じていた。


「あ、熱い……ですわ……/////」


「う、うん……それに……とっても逞しいよ/////」


徐々に触れることにも慣れてきたふたりは、優しく優しく可愛がるようにして撫で回す。


美少女三人に身体を撫で回されるという体験は、八雲ならずともすぐに果ててしまってもおかしくない場面だ。


だが、そこで雪菜が八雲に―――


「八雲、そのまま後ろに横になって。ふたりに色々と教えていきたいから/////」


―――と、胸の辺りを雪菜の掌で軽く押されると、八雲は抵抗もなく後ろへ倒れて仰向けになる。


そして雪菜に促されて、八雲の股間に集合される美少女達の顔から届く吐息がかかる度に反応していた。


「それじゃ、キスと愛撫の次はお口でのご奉仕をしましょ!私がやってみるから、ふたりともよく見てて♡/////」


「は、はい/////」


「はい、分かりました/////」


ふたりの返事を待つか待たないかというタイミングで、雪菜の感触を覚える八雲―――


「―――八雲はここが感じやすいの♡/////」


―――雪菜の動きをフォウリンもマキシも恥ずかしがりつつ、しっかりと目に焼き付けていく。


「……そして、次は、ここを―――」


雪菜はふたりにもわかりやすいようにして、始めはゆっくりと動いていたが、その頭の動きをどんどん早めていき、今では普段自分が行っている動きにまで昇華していった。


高等テクニックを展開する雪菜に、フォウリンとマキシは顔を真っ赤にしながら目を丸くして、その光景を見守っていた。


(うおっ!雪菜のやつ、このまま俺を!だったら―――)


「雪菜―――もう、ダメだ!!」


「ンンンン―――ッ♡!/////」


最後に上目遣いで雪菜の伸びきったエロい口元を見つめながら、八雲はそのまま欲望を吐き出す―――


脈打つように吐き出されるリズムに合わせるかのようにして飲み込む雪菜―――


「フォウリン、マキシ、今のがご奉仕だよ。奉仕して八雲に気持ち良くなってもらうの♡ 次はふたりにやってもらうけど、いいよね?/////」


そう言ってふたりの肩を抱きよせると最初に舌を使って舐めるところから、どう動くかを説明する雪菜。


「最初はふたりで一緒にやってみようか♡ 大丈夫だよ。八雲はふたりのご奉仕が嫌な訳ないもの。だから、気持ちよくしてあげることだけを考えてね/////」


やっぱりコイツ、淫魔サキュバスじゃねぇの?と、思わず雪菜が人間じゃない疑いまで持ち出した八雲だったが、左右から当てられる生温かくて柔らかい感触に視線が股間に向かった。


すると、上目遣いをしながら一生懸命に舌を伸ばして、奉仕を開始するフォウリンとマキシが目に入る。


雪菜に比べれば、ぎこちない感覚を覚える舌づかいではあるものの、そこは上目遣いを送りながら美少女が必死でしているという姿を見るだけで快感が八雲を包み込む―――


―――そしてふたりが必死にしている最中、雪菜は八雲の上半身に被さりながら、八雲の逞しい胸板にある突起に吸いつきつつ、反対側をその白い指先でスリスリと転がし始めた。


「うっ!三人とも……すごい……気持ちいい……」


全身に絡みつくような三人の美少女達の奉仕に、八雲は早くも次弾装填から発射秒読み段階へと入っていった。


いつの間にかフォウリンとマキシも雪菜に対抗心でも燃やしたのか、お互い交互にそれぞれ違う感覚で八雲に快感を与えてくる。


激しさが増してきて吸いつくような奉仕するフォウリン―――


―――どこまでも優しく、柔らかく包み込むような奉仕をするマキシ。


どちらも八雲の限界を突破させるには充分な快感だった―――


「また!ふたりとも!―――受け、止め、ろぉお!!」


噴き出す大量の熱を顔で受け止めていくフォウリンとマキシ―――


―――すると互いに顔を綺麗にし合いながら、ウットリとした表情を浮かべる。


そうしてお互いの顔を綺麗にし終わったふたりは、八雲の方を向くと―――


「―――美味しい/////」


―――声を揃えてそう伝えたのだった。


「君達、本当は淫魔サキュバスとかじゃ、ないよね?」


本気で不安になってきた八雲は三人にそう問い掛けずにはいられなかった―――




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