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第231話 メイド双子姉妹とのデート

―――自らも影神楽を取り出して、白金と共に八雲達の前で美しい狐娘の義姉妹が舞踊る姿の素晴らしさに見ている者すべてが見惚れていた。


同じ黒き鉄扇を翳して、風のように疾く、凪のように穏やかに、そして春のような温かな笑みを浮かべるふたりを見つめながら―――


【ふたりとも、今夜、俺のところへ―――】


―――八雲がそっと『伝心』で伝えると、舞い踊るふたりの頬がポッと赤く期待に染まるのだった。


ふたりの狐娘は今夜のことを想像して頬を赤らめつつ舞を続けていた―――






―――その日の昼間フォンターナ迷宮で言った通りに葵と白金を夜に招いた八雲。


天翔船は空間船渠ドックで出航準備に入っているので、白龍城の客室を借りてふたりを招き入れる。


部屋に入ると赤と青の巫女服を布擦れの音を響かせながら脱ぎ去っていく葵と白金。


金髪の長い髪に狐の耳が付いている葵、銀髪の長い髪に狐の耳が付いている白金、ふたりの均整の取れた美しいプロポーションを曝け出して、八雲に見せつけるようにしてにじり寄ってくる。


「ウフフッ♡ 主様、今夜は妾と白金のふたりで、主様がご満足頂けるまでご奉仕させて頂きます/////」


「義姉さまとふたりで、主様のために頑張ります……/////」


妖艶な笑みを浮かべる葵と、やや恥じらいを漂わせながら八雲を上目遣いに見つめる白金の姿に、八雲の下半身はズボンを突き破りそうなほど膨張している。


そんな八雲の怒張に気づいたふたりは、その豊満な美しい身体を摺り寄せ、金と銀のフサフサした尻尾を揺らしながら手を伸ばしてズボンの上から撫で擦るようにしてくる。


「ああ♡ ほんとうに逞しい♡ 主様、早くこれを妾達に♡/////」


身を摺り寄せる葵と白金は、その白くてムッチリとした太腿をモジモジと擦り合わせている。


「ふたりとも、メチャクチャ厭らしくなってきたな。だが、それがいい!」


そう言って八雲は両手を二人の尻にもっていくとムッチリした尻をグニグニと鷲掴みにして堪能しながら、寝室のベッドへと向かっていくのだった―――






―――それから、


瞳にはハートが浮かんでいそうなくらい恍惚とした表情で必死に舌を絡めてくるふたりの可愛さに、八雲は夢中になって交互に抱いてはふたりが身体をブルブルと震わせて気をやっていく様子を楽しむ。


「ううっ! しろがね、すごい!!」


「おほおっ♡ あんっ! んおっ!ぬし……さまぁ! あはっ♡ また! また、はててしまいます!/////」


ベッドの上でシーツを波打たせながら身悶える白金に身体を重ねる八雲―――


―――汗に塗れて朦朧とした白金が何度も身体を痙攣させて意識を手放すと同時に欲望を解放する。


「まだ収まらないから、いいよな?葵」


「お“おおほおぉッ?!おっ…おお…おあ……ぬ、ぬし、さまぁ♡/////」


白金が気絶してしまうとすぐに葵に重なって貪るように抱いていく―――


―――何度も腰を打ち付けながら、再び湧き上がってきた欲望を葵に解き放つ。


八雲の自室に設置された巨大なベッドの上で白いシーツを汗で濡らしながら、波打たせていっては喘ぎ声を上げていく葵と白金の義姉妹に八雲は夢中になっていった。


こうして、ふたりとの長く熱い夜を窓の外が白むまで過ごしていくと、漸く『絶倫』スキルの発動を止めた八雲はふたりを両脇に寝かせて体温を感じながら天井を見上げていく……


「ああ、気持ちいい……ああ、最高……」


そうして漸く三人でベッドに沈み、深い眠りへと堕ちていくのだった―――






―――8月7日


八雲は既にサイドシート付の魔術飛行艇エア・ライドを白龍城の正門前に用意して、双子の姉妹を待っている。


昨日自分から遊びに行こうとジェミオスとヘミオスを誘った八雲は、ふたりのことを妹のように思っている反面、双子の美少女姉妹という存在に男としての目線で見ていないと言えば当然それは嘘だ。


可愛いふたりの笑顔に救われたことも、クレーブスの授業を一緒に受けてもらってこの世界の様々なことについて教えてもらったことも、今では思い出となって八雲の胸の内に仕舞われている。


「も、申し訳ありません!お待たせ致しました!―――兄さま」


「遅れてゴメンねぇ♡ ちょっと準備に時間掛かってさ♪―――兄ちゃん」


その時、突然声を掛けられたことで、八雲は振り返って正門から出てきたふたりの姿を見た時、思わず言葉を失って見惚れてしまう。




今日のジェミオスは―――


ロリータ調の姫袖とたっぷり白いフリルが袖や裾に使用されたブラックカラー基調のゴスロリワンピースドレスで、頭には黒基調にたくさんの白いフリルがついたヘッドアクセサリーを付けていて、まるで西洋人形のようだった。




そしてヘミオスは―――


ロリータ調の姫袖とたっぷり黒いフリルが袖や裾に使用されたホワイトカラー基調のゴスロリワンピースドレスで、頭には白基調にたくさんの黒いフリルがついたヘッドアクセサリーを付けていて、ジェミオスと同じく西洋人形のようだった。




「―――ふたりとも、メチャクチャ可愛いぞ。すごく似合ってる!」


八雲の絶賛の声を聞いたジェミオスとヘミオスは、お互い顔を見合わせるとそこから満面の笑みを浮かべて喜んでいる。


「でも、そんな可愛い服持ってたんだなぁ。もっと着てくれたらいいのに」


八雲は素直な感想と疑問をふたりに伝える。


「これは以前から左の牙レフト・ファングの諜報活動に出向いた際に着ていたものですから」


「お城にいる時は僕達、基本メイド服だもんねぇ」


ふたりの服装の使い道に納得顔の八雲が頷きながら告げる。


「ああ、なるほど。国外の情報収集とかする時に使ってたのか。でも、これだけ可愛いと逆に視線集め過ぎて目立つんじゃないか?」


本当に可憐で可愛いふたりの姿は、八雲が日本にいた頃にネットで見たことがある超高額のゴスロリ衣装を着たフィギア人形が、まるで人のサイズで目の前にいるような錯覚を起こし、十人中十人が振り返ると断言しても間違いないと思った。


「その……だから、あまり外では着られなくなってしまって……/////」


「けっこう気に入っていたのに、目立っちゃうから意味がないってクレーブスにも言われてさ」


ふたりの話しに八雲は頭の中で溜め息を吐きながらふたりに服装について指導するクレーブスの姿が浮かんでいた……


「そりゃあ秘密情報員が誰よりも目立つとか本末転倒だな……」


(なるほど。あんまり着られなかったから、今日はそれを着てきたのか)


と八雲もふたりのファッションに納得する。


「よし!それじゃあ、可愛らしいお嬢様方♪ どうぞ此方にお乗りください」


八雲がそう言って胸に右手を当てて左手で魔術飛行艇エア・ライドを指し示すと、ジェミオスとヘミオスは笑顔を浮かべてそれに従うのだった―――






―――そうしてアルブムの首都ヴァイスに到着した三人。


出発時にどちらが魔術飛行艇エア・ライドのサイドシートでどちらが八雲の後ろに座って抱きつくかで姉妹喧嘩が始まったが―――


「行きと帰りで交代したらいんじゃね?」


―――という八雲の提案でふたりは頬を赤く染めながら鎮静化する。


行きはジェミオスが八雲の後ろに座り、ブゥ~と頬を可愛らしく膨らませて文句を言いたそうな顔をしていたヘミオスはサイドシートに座る。


しかし、走り出すとふたりとも笑顔で景色を楽しみ、遠くに見えるスプルア山脈の六つの山を指差しながらお互いに山の名前を当てたり、その麓に広がる緑の草原で草を食べる山羊を指差して笑ったりと見た目の歳相応に合った反応を見せて喜んでいた―――


そうして景色を楽しみながら首都ヴァイスに入ると、以前ブリュンヒルデと行ったオープンカフェ形式の店に向かう。


「ここの溶かしたチーズをのせたパンがメチャクチャ美味しいんだ!ふたりは食べたことあるか?」


「いいえ、まだありません」


ジェミオスが首を横に振って八雲に答えると、笑顔のヘミオスが続けて答える。


「僕達あんまり南部スッドに行く任務ってなかったんだよねぇ。アルブムまで来るのもかなり久しぶりだし♪」


今でこそ八雲の『創造』で建造した天翔船があるため、数日ほどでフロンテ大陸の端から端まで、ひと飛びで来られるが以前は大地をその脚で進んでいたのだ。


如何に神龍の使徒たる龍の牙ドラゴン・ファング達といえども、此処まで来るには相当な時間を要する道のりである。


空中浮揚レビテーションで飛んで来るにしても、その間の魔力は消費されるのだから二十四時間飛び続けることも出来ない。


「美味しい~♪」


「あちゅっ?!ハフハフッ!んんん♡ このチーズ、いい仕事してますねぇ~♪」


オープンカフェに入って注文した朝食が運ばれてくると、パンに噛り付いて溶けたチーズをニョーンと伸ばしては喜ぶジェミオスとヘミオスを八雲も食事しながら微笑ましく見ている。


「アハハッ!あんまり慌て過ぎて火傷したりするなよ?」


この間と同じようにお客の前でチーズの塊を火属性基礎ファイヤー・コントロールを発動した指先で、バーナーの様にして熱したチーズをトロ―リ♪ と溶かし落としてくれたパンは、ほんのり火が通っていてパリパリとした食感がチーズと絶妙なアクセントを奏でていた。


三人で笑って話ながら食事を取っていると、通りを行き交う人々も店の前の道端に停車された魔術飛行艇エア・ライドと、お人形のようなジェミオス・ヘミオス姉妹に目を奪われて歩くスピードを落としながら通り過ぎていく―――


―――そんな通行人の視線にすぐに気がついたジェミオスとヘミオスは少し居心地が悪そうにしていたが、そういった好奇の視線を一切気にしない八雲が話題を振ることで、徐々にそうした視線を気にせずに色々な調査時の経験談などを八雲に語って聞かせていく。


そうして楽しいお喋りをしながらの食事も終えて、皆でお茶を頂いているところで、


「それで、ふたりは何処か見に行きたいところとかあるか?」


店の勘定を済ませた八雲が魔術飛行艇エア・ライドに跨りながら、ふたりに問い掛ける。


その言葉を聴いて同時に顔を見合わせたジェミオスとヘミオスは、また同時に八雲の顔を見つめると―――


「それなら兄さま―――」


「だったら兄ちゃん―――」


―――と同時に同じ場所を希望する。


可愛い妹達の希望に八雲は答えないなどという選択肢など浮かんでは来なかった―――



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