―――ピチョン!
大きな浴槽の湯面に天井から零れ落ちてきた水滴が波紋を広げていく―――
「あっ……んんっ……きもちいっ♡……/////」
浴槽の中では八雲の前に背中を向けて、膝の上に跨るように座ったマキシが、八雲に凭れ掛かりながら甘い声を上げる。
浴槽の中では八雲とマキシが繋がりながら、そこから動かさずにふたりで湯に浸かり、甘い時を過ごしていた……
自室で待っていたマキシと話しをして、それから制服姿のマキシに欲望を押さえきれなかった八雲は、マキシを抱き上げてベッドに飛び込んでいった。
コートを脱いだ八雲はマキシのプリーツスカートの中に手を差し込み、薄緑の紐パンを指でなぞり、その下着を撫でながら何度もキスを繰り返して舌を絡め合っていった。
「んちゅ♡ ああっ♡ や、やくも、くん♡ そこ、もっと、もっと触って/////」
「ちゅ、んん……マキシ、顔がどんどんトロけてきてるぞ?」
「いやぁん♡ あんっ♡ あうぅ♡ や、やくもくんのせい、なんだからぁあ/////」
そうして十分に準備の整ったマキシに制服を纏ったまま一気に奥まで到達させると途端にマキシが抱きつく。
「ア“ア”ア“ァ―――ッ!!!あ”っ!あ“っ!お”っ!や、やくもくん♡!/////」
その瞬間に絶頂してしまったマキシに八雲は激しく突き動かしていく。
「あ“あ”っ!ダメッ! せ、制服がぁ! 汚れちゃうからぁ! あっ!あっ!おっ!ま、また―――ッグゥウッ♡!/////」
JKのような制服姿に興奮が収まらない八雲は、それから何度も夢中になって制服マキシを貪るように連続で続けていた……
そして―――
―――漸く落ち着いて、風呂に入ろうとマキシを連れて浴場にきた八雲達は、互いに身体を洗って浴槽に浸かったがそこでまた抑えが効かなくなった八雲が浴槽に浸かりながら再び繋がって現在に至る。
今は激しい動きをするでもなく、マキシの柔らかい感触を八雲は楽しんでいた。
「あっ……うんっ……ね、ねぇ……やくもくん?/////」
「ん?どうした?動いて欲しいのか?」
後ろを振り返り気味で問い掛けてくるマキシの耳元で優しく問い掛ける八雲の声に、ブルリと身体を震わせながらマキシが否定する。
「ち、違って、そうじゃなくて……あっ♡……ハァハァ……ぼく、学園で……みんなと、仲良く出来る、かな?/////」
女の子の姿で学園に初めて通うことに、不安を抱いているマキシは八雲に問い掛ける。
「心配だ……」
「エッ!?……や、やっぱり……ぼく、行かないほうが―――」
「―――こんなに可愛いマキシが学園に通ったら!絶対に勘違い野郎がお前に群がってくる!!」
「へっ?……えっ!?そ、そんなことないと思うけど……/////」
「マキシ!お前は自分がどれだけ可愛いのかいい加減に自覚しなさい」
「エエエッ!そ、そんなこと言われても、僕、そんなこと言われたのって八雲君が初めてだし……/////」
すると八雲がマキシの形のいい美乳に両手を伸ばし全体を揉み上げるようにしながら、人差し指と親指で尖った先端を摘まみ上げる―――
「ヒャアアッ!!―――あっ!あっ♡! ダメッ!いま、イジッたらぁ!!/////」
『神の手』スキルで八雲によって開発された可愛い先端をクリクリ♪ と指で転がされ、摘ままれてマキシの絶頂ゲージはすぐにMAXへと到達していく。
「ほら♪ こんな可愛いマキシを見たら、男子は絶対に放っておかないぞ?」
「あ“あ”っ!あ“あ”っ!も、もうっ♡ ま、また!や、やくもくぅん♡!/////」
マキシの絶頂に合わせて両胸の先端を摘まみ上げてやると―――
「ッキュウゥウウウ―――ッ♡!/////」
―――仰け反りながら絶頂に到達して八雲の欲望解放を求めると、八雲もそれに応じて欲望を激しく解放する。
「オォオオ―――ッ♡ あ“っ♡ あ”っ♡ ぼ、ぼくのお腹♡ あったかいぃ♡ 気持ちイィイよぉ……/////」
最後まで搾り取るように締めつけるマキシに、八雲は腰を押しつけながら、最後までひとつになっていった……
「ああ……気持ちいい……マキシ、お前は可愛い。だから、ちゃんと自分でも自覚するんだぞ」
「あうぅ♡ ハァハァ♡ う、うん、わ、わかったよぉ♡ や、やくもくんのぉ言うこと♡ ちゃんと、きくぅ♡/////」
マキシは魔族の血による淫乱な性癖が顔を覗かせて半白目を剥きながら、全身を快感で震わせていった。
そして舌を絡ませる口づけをしてまた、八雲と愛し合うのだった……
―――マキシの制服に萌えて燃えた日からすぐに9月25日となった。
バビロン空中学園の二学期始業となる日である―――
八雲は久しぶりに、真紅のブレザーにグレーのスラックスで胸元には校章である紅蓮の龍紋に剣が二本交差している図柄が描かれたエンブレムが付いている制服に袖を通した。
ブレザーの下は決まりがないそうなのでいつもの黒で襟元に金の刺繍が入ったシャツを着ている。
そして一緒に学園に通う女子の制服は真紅のブレザーに高等部は赤、中等部は水色の大きなリボンを胸元に結っている。
雪菜、ユリエル、ヴァレリア、シャルロットといった八雲と同級生組とジェミオス、ヘミオス、コゼロークといった中等部組がいた。
そして―――
幼稚園生が着る上から被って、腕を通す薄桃色の制服と赤いベレー帽を被っているシェーナ、トルカ、レピス、ルクティアのエルフ幼女チビッ子四人組。
四人皆が黄色い肩掛けバッグを下げて、シェーナのバッグからはトレードマークのクマのぬいぐるみが顔を出していた。
ただ、その四人は地獄狼アルファ、ベータ、ガンマ、デルタに跨り、キリッとした表情で通学の道を進んでいた……
流石にペットは連れて行くと不味いだろうと、置いていかせようとしたが大きな瞳一杯に溢れんばかりの涙を溜めた四人の顔を見て、ノワールが即負けして許可したのだった。
教師陣は先に学園に出勤となるのでノワールがアムネジア校長に話を通すと言っていたため、八雲もいざとなれば『空間創造』の異空間に預かろうと思っていたが通学時に思いも寄らぬ事態になる。
「なにあれ~♡ キャア! 可愛いぃ♡」
「おっきなワンちゃんに乗ってるぅ♡ イヤァン♡ こっち見てぇ♡」
馬車で通学する貴族などはそれほど珍しくはないが、地獄狼に乗って通学する幼女などという絵面は珍しい事この上ない。
只でさえ目立つ八雲のグループはチビッ子幼女騎士団(仮)により、一気に周囲の視線と話題を搔っ攫っていくこととなったのだ。
「ハァハァ♡ 幼女が獣に乗って通学とか♡ もうこのまま俺の天使になってもらうしか―――ヘブウッ?!!!」
中には幼女趣向の変態まで呼び寄せてしまい、八雲はイェンリン直伝の剣聖技『
「ああいう輩は威嚇なしで攻撃していいぞ―――嚙み千切れ」
【―――ワウゥ!ワンッ!!】
(了解!BOSS!!)
どこの部位をですかね?などといった疑問は持たない。
アルファ達は男のどこの部位を噛み千切ればいいのか、本能で理解していた。
そんな中でもシェーナ達はまるでパレードのように進み、手を振ってくる生徒達にニコニコと笑いながら手を振り返していった。
そんなパレードで学園の校門まで到着すると―――
「おお~♡ 我の天使達~♡ なんと神々しい……もうあの子達が神ってことで、いいんじゃないか?」
「親バカが酷くなっていますね……ノワール様」
―――門で待っていたノワール先生とアリエス先生のボケとツッコミもいいキレを見せていた。
みんな大好きノワール先生は健在だった……
―――幼年部の始業式は、夏季休暇前の終業式と同じ形式で行われる。
「はぁい♪ 皆さん元気に学園に来てくれて、先生はとっても嬉しいです♪」
聖母のような微笑みを浮かべたアムネジアが校長として挨拶をする。
「今日は~♪ なんと新しいお友達が、この学園に来てくれましたぁ~♪それじゃあご挨拶してもらいましょう♪」
そう言ってシェーナ達の隣に並ぶガルム達を見たアムネジアは―――
「アルファちゃん♪」
【―――ワウゥッ!!】
「ベータちゃん♪」
【―――バウッ!!】
「ガンマちゃん♪」
【ワウン、ハァハァ♪】
「デルタちゃん♪」
【ワオウゥ―――ッ!!!】
―――そこに並ぶ一匹ずつの名前を呼び幼児達に紹介する。
「アルファちゃん達はシェーナちゃん達の大切な家族です♪ だから皆さんも、仲良くしてくださいねぇ♪」
幼年部の幼児達から元気な「はぁ~い♪」という声が響き渡るのだった―――
―――中等部では、
同じクラスのアマリア、ジェミオス、ヘミオス、コゼロークは女子らしく皆で集まって浮遊島の店の話しから可愛い小物などの情報など、JCらしい会話をして笑い合っていた。
アマリアもそうだが、ジェミオス、ヘミオス、コゼロークと
クラスメイトのみならず、隣のクラスの男子まで廊下の窓や扉から覗いてジロジロと見つめる野次馬が固まっていた……
「……なんだ?あいつ等は?私達に何か言いたいことでもあるのか?」
遠巻きに見てくる男子達にイライラとした気持ちが募るアマリアを、ヘミオスがニヤニヤしながら伝える。
「僕達の可愛らしさに男子の皆は夢中になってるんだよ♪ モテる女は困っちゃうよねぇ♪」
「フンッ!直接話し掛けることも出来ないような男に興味などない。ところでヘミオス、お前喋り方はもういいのか?」
アマリアは睨みつけるように男子達を一蹴する態度を取りながら、丁寧な言葉使いをやめたヘミオスに問い掛ける。
「ああ、ジェミオスも編入して来たし、なんか面倒くさくなっちゃってさ♪ こっちの方が僕らしいしね☆」
そう言ってウィンクするヘミオスに、アマリアも苦笑いを浮かべる。
そんな時にコゼロークが何かソワソワと落ち着かない様子を見て、ジェミオスが問い掛ける。
「どうしたの?コゼローク。何か気になることでもあるの?」
「え?……その……昨日まで……シェーナちゃん達の傍にいることが、多かったから……落ち着かない」
コゼロークをお姉ちゃんと呼びながらじゃれつくシェーナ達の傍にいるのが当たり前になっていたので現在の状況に落ち着けないのだった。
「まさかの幼女ロス……しっかりしなよ!コゼローク!今日は始業式だけだから、すぐまた屋敷で会えるよ♪」
「うん……が、頑張る!」
仲良しのヘミオスに励まされてコゼロークは胸の前で両手を拳に握ってグッと力んで見せる。
そんなコゼロークの姿に遠巻きに見ていた男子達は途端に魅了されるのだった……
「ホント……バカばっかりだな……」
そんな同学年の男子の情けない姿に、アマリアは溜め息を吐いて八雲のことを思い浮かべるのだった―――
―――そして高等部でも特殊なクラスである特別教室に在籍する八雲達。
通常は課題だけやっていれば通学は自由となる特別教室でも、始業式のような行事には全員出席が義務付けられている。
始業式も無事に終わり、教室に戻った八雲達のクラスに改めて担任と副担任の立場にあるラーズグリーズとゲイラホズが入室してきた。
「は~い、皆さん。新学期が始まりました。そんな皆さんに残念なお知らせがあります。同じ特別教室で学んでいましたイシカム=オチエ君ですが、ご家庭の事情により学園を去ってご実家に戻ることになりました」
イェンリンの提案した筋書き通りにラーズグリーズが説明するが、生徒達の反応は薄い。
(なんだ?クラスメイトがひとり退学したってのに、随分と反応が薄いな……)
八雲は自分の通っていた学校基準で考えてしまっているが実際のところ、この異世界の学園では家庭の事情や授業料の支払困難といった理由で途中退学や編入する生徒は珍しいものではないのだ。
貴族や王族なら特に関係ないだろうが、一般人となると八雲のいた世界のような生活水準ではない。
一般人の生徒も多いこの学園では家庭の収入に伴って途中退学は珍しいことではないので、それでクラスメイトの反応も然程大きな反応がなかったのである。
「それと入れ替わりで、この特別教室に新たに編入する生徒がいます―――入りなさい!」
―――ラーズグリーズの声にガラリと開いた教室の扉の向こうには、女生徒の制服に身を包んだマキシが立っていた。
八雲の予想通り、男子生徒は美少女の編入生に一気にテンションがヒートアップする―――
―――トコトコとラーズグリーズとゲイラホズの間に立ったマキシ。
「此方は今日からこの特別教室に編入したマキシ=ヘイトさんです。東部エストにあるアズール皇国からの留学生ですから、皆さん仲良くするように。では……マキシさん、自己紹介をどうぞ」
白々しく初対面の態度でマキシに自己紹介を促すラーズグリーズに頷いて、マキシが自己紹介に入る。
「あの……東部エストのアズール皇国から来ましたマキシ=ヘイトです!この度、このバビロン空中学園で皆さんと一緒に勉強することになります。えっと、皆さん、どうぞよろしくお願いします♪」
―――最後は美少女の眩しい笑顔で締めくくったマキシの自己紹介に、男子生徒は一段と盛り上がる。
「あ、あと、一応、蒼神龍の御子をしています!」
そのマキシの言葉に八雲、雪菜といった神龍の御子達に視線が向かうクラスメイト達―――そして、
「あと、八雲君の婚約者です/////」
―――と、お馴染みの爆弾発言が飛び出したところでクラスの男子のほぼ全員が机に頭を打ち付けていた。
「―――また黒帝陛下かよぉ~!!!」
「どうして美少女は黒帝の御手付きなんだよォオオ!!!」
「もう残酷帝だろうこれ!!!」
彼方此方から立ち上がる怨嗟の声に女子達は白けた視線を送っている……
「ホント、八雲って罪作りだよね……」
雪菜のジト目からのツッコミに、
「―――俺は悪くないだろ?たぶん皆、水が合わなかったんじゃねぇの?」
周囲で阿鼻叫喚の渦となっている男子生徒達のことを、集団食中毒扱いして八雲は今日を終えるのだった―――