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第302話 狐達の艶事

―――八雲達がラーンの天空神殿を探索して頃。


葵御前と白金は人が凶暴化する現象について調べるため、アズール皇国の隣国であるブロア帝国にやって来ていた―――


そして葵達と共に調査に参加した金髪の長い髪を編み後ろに纏めた緑の瞳の美女……蒼天の精霊シエル・エスプリのセカンド『賢明』のサジェッサも同行していた。


蒼いバトラーの上着に蒼いベスト、白のブラウスに首元には蒼い大きなリボン、そして蒼いスラックスを纏っている男装風の美女が葵と白金と共に、凶暴化現象の発生したブロア帝国の辺境の街アンデサを訪れる。


その街中にある蒼天の精霊シエル・エスプリの情報収集の拠点として使われている屋敷で葵と白金は、調査に出たサジェッサの帰りを待ちわびていた。


しかし、ちょうどそこに扉を開いて戻ってきたサジェッサが入ってくる―――


「葵御前、白金殿、待たせてしまい申し訳なかった」


「おお、サジェッサ。妾達はそちに案内を頼んでいる身。この程度待つくらいどうということはありませぬ。それで、件の凶暴になった者の所在は掴めたのであろうか?」


屋敷の広間にあるソファーで寛いでいた葵はサジェッサに問い掛ける。


「ああ、この街の警備隊兵舎にある牢屋に、その凶暴化した三名が投獄されているとのことです」


「ふむ、一所に集めてくれているとは手間が省ける。白金―――」


「―――はい、葵義姉様」


向かいのソファーに座っていた葵の目配せに白金が頷く。


「……行け、我が式神よ―――」


そう呟いた白金の身体から淡い光が放たれたかと思うと銀色の毛並みをした狐が白金の身体から飛び出し、そのまま屋敷の窓に向かって走り出すと窓を開けることなく、そのままガラスをすり抜けて飛び出していった―――


「今のは……」


白金から飛び出した狐に驚いた表情のサジェッサ。


「我等が操る式神じゃ。意のままに動き、遠方の出来事も手に取るように分かるもの。白金の式神をその牢屋に向かわせて捕らえられた者に話を聴いてみることとしよう」


葵はそうサジェッサに告げて、片目を瞑りウィンクを見せながら美しい笑みを浮かべるのだった―――






―――辺境の街アンデサの警備隊兵舎は、葵達のいる屋敷から式神狐の足で暫く走った距離にある。


既に夕暮れを過ぎて夜の暗闇が広がっているアンデサの兵舎にやってきた式神狐は、葵達のいる屋敷から飛び出した時と同じように、今度は外から兵舎の壁をすり抜けて内部に潜入していった。


トテトテと歩きながら常駐の兵達に気づかれないように兵舎内の臭いを頼りにして、カビ臭い牢屋の位置を察知した式神狐は其方へと向かっていく。


そうして石造りの壁と鉄の格子が嵌まった牢獄の場所に辿り着いた式神狐は、その中にいる震える人間を見つけた。


「ウウゥ……ゥウウゥッ!……アウゥ」


牢の中では獣のように唸り声を上げ、全身を震わせる男がいる……


隣の牢も、その隣も同じような男達が獣のような唸り声を上げながら牢屋の隅で蹲っていた。


そんな男達の耳に突然、女の呼ぶ声が聞こえる―――


【おい―――此方を向け】


突然、暗い牢に響いた女の声にガバッと顔を上げた三人の男達は、牢の外に現れた銀狐を見ると―――


「ウガァアアア―――ッ!!!グオオォッ!!!」


―――まるで狂ったように襲い掛からんとして牢の格子にへばりつき、格子の隙間から腕を伸ばしてくる男達の叫び声が響く。


【―――沈まれ】


静かに響く式神狐の口から零れる白金の声と、その式神狐の蒼白く輝く瞳を見て牢の男達は徐々に鎮まり、やがてトロンとした目に変わっていく。


【お前達……何故突然に人を襲った?】


「アウゥウウッ……人……獲物……」


「ウウウッ……喰らう……そうしないと……」


「アァアア……ひ、人を襲うなんて……」


未だに言っていることの焦点が合わない男達に、式神狐は更に瞳の光を強くする。


【人を襲う前に、変わったことが起こらなかったか?何かを拾ったり、誰かが訪ねてきたり―――】


そう白金の声が問い掛けた途端に―――


「ウアゥアアアッ!!!―――女ぁ!あの女がァアア!!!」


「アイツがァアア!!お、俺にぃ!石ィイイ!!!」


「あの石をォオオ!!!渡してきてぇえ!俺はァアア!」


―――三人が一斉に『女』が『石』を渡してきたと叫びだす。


【それは、どんな石だ?】


「ウゥウゥ……く、黒い……宝石……」


「アァア……綺麗な……丸い石が……」


「鎖の……ペンダント……着けた……」


【それを渡した女は、どんな女であった?】


「く、黒髪の……」


「黒い瞳……」


「アンゴロの……服……」


そこまで話すと、三人は力尽きたように牢屋の格子に凭れ掛かり、そのまま気を失っていった―――






―――その牢屋でのやり取りを屋敷で聴いていた葵達


「なるほどのう……女に黒く丸い石が嵌まったペンダントを渡され、それを身に着けてから凶暴化が始まったということらしいのう……」


葵がソファーで寛ぎながら、手にした黒鉄扇=影神楽で口元を覆うように告げる。


「主様が予想された通りでしたね。共通する人為的な原因があるのではと仰っていらっしゃった主様、流石です」


「ウフフッ♡ 我らの敬愛する主様であるからの~♪ どうじゃ?サジェッサ、お主も主様の女になるつもりはないかえ?」


「私が!?ご冗談を……私のような無骨者、御子様のご迷惑となりましょう」


葵の『龍紋の乙女クレスト・メイデン』への誘いに、サジェッサが驚く。


「何を言うかと思えば、お主ほどの美女であれば主様が喜ばぬはずがない。それにお主は、その徒手空拳での闘いを貫く武人であり、であれば主様もそれを含めても気に入らぬはずがない」


「私は武器を用いて闘うことを好まない偏屈な者です。八雲様の御力や、その体術には大変興味が引かれますが」


「フフッ♡ であればこそ、主様とは気が合うことであろうよ♪ さて、手掛かりはその黒髪の黒い瞳をしたアンゴロ大陸から来たと思われる女……その女の所在を探すことになるであろう。明日、次の街に向かうこととして、今日はこのまま休むことにしよう。サジェッサ、共に旅するのも縁じゃ。白金と共にお主も風呂に付き合っておくれ。案内せよ」


「畏まりました。ご案内いたします」


そう言ってサジェッサは、屋敷にある浴場へと葵と白金を案内するのであった―――






―――広い石畳で組まれた立派な浴場では、


石造りの広い浴場にて葵の背中を白金とサジェッサが石鹸を用いて泡立てながら、その美しい葵の白い背中を手で洗っていく……


「ああ♡……よいぞ♡ 我が主様の言葉によれば、より親密な関係を構築するには『裸のつき合い』と言って、お互いの背中を流し合うのが一番早いとのこと♪ こうして白金とサジェッサに背中を流してもらえて、妾は至福の心地というものよ♪」


「義姉さま、前の方は私が」


背中をサジェッサに任せて白金は葵の正面に回り、肩から優しく撫でる様にして葵の美しい肌を流していく……


「んん♡……白金、よいぞ♡……もう少し強くしても♡/////」


「はい、義姉さま/////」


そうして撫でるように胸元に下ろした両手で白金は豊満な葵の胸を軽く鷲掴みにして、グニグニと揉みしだいていく。


「ああぁ♡ んんっ♡ ああ、いい、そうじゃ、上手だぞ♡ 白金、ふぅ♡ もっとじゃ♡/////」


葵と白金の様子に困惑しつつも何か熱い感情が胸中に湧き上がってくるサジェッサは、それを紛らわせるように両手で葵の背中を撫でていた。


「んふっ♡ はぁ♡ サジェッサよ、妾の背中に直接その美しい胸を当てて流しておくれ♡/////」


「む、胸で!?……で、ですが……/////」


「かまわぬ♡ あん♡ 遠慮するでない♡/////」


「わ、分かりました……/////」


石鹸で泡立つ葵の身体……サジェッサもまた自らの胸辺りに石鹸を泡立たせて、葵の背中にピタリと柔らかい胸を当てる。


そうしてゆっくり上下に身体を揺らすようにして、葵の背中を胸で擦りつけながら洗っていった。


「ハァ……ハァ……/////」


武芸一辺倒でここまできたサジェッサにとって、このようなアブノーマルな性的行為に対しての知識がない。


スベスベの肌を擦り付け合いながら葵の背中で擦られる自らの胸からの感触に、いつしかサジェッサの興奮が沸々と沸き上がってきていることを無意識に感じていた。


擦りつけてクニクニと刺激を受けたサジェッサの胸の先端は、既に勃起して葵の背中にコリコリとした感触を伝えてきている。


その状態を感じ取った葵は後ろに首を回してサジェッサの顔を見ると、


「サジェッサも上手だぞぉ♡ ハァハァ♡ ああ、サジェッサ♡ どうだ?お主も他の者と身体を重ねること、肌の感触が心地良いであろう?/////」


と、問い掛ける。


その瞳は淫靡な雰囲気の中で、まるでサジェッサの心を見透かすようにして濡れている……


「はい……ウンンッ♡……このようなこと、初めてなので、何かとても変な感覚です……/////」


「フフフッ♡ これが我が主様の言われた親睦を深める手段じゃ♡ んんっ♡ お主の肌、スベスベしておって心地良いのう♡ どれ、そんなお主に褒美をやろう♡/////」


後ろ向きにそう告げた葵は密着したサジェッサの頬に手を添えると、そのまま口づけを交わす。


「ンンッ?!んんっ!……ん!……んあっ、あっ♡ んんっ♡/////」


突然キスをされたことに当初驚いたサジェッサだったが、唇を割って入ってきた葵の甘い香りのする舌に、自らの舌を蹂躙され、絡められ、唾液を吸われていくことで頭の中がトロンと溶けていくような甘美な快感が背中を走り抜けた。


葵のキステクニックに対して性に無知なサジェッサが抵抗出来る訳もなく、されるが儘に心地良い感触を堪能していく。


「―――チュッ♡ んちゅ♡ ハァ♡……さあ、次はサジェッサの背中を流してやろう。此処に座りなさい/////」


葵が座っていた台座を差し出され、サジェッサはボォーとした頭のままで、


「はい……/////」


と、素直に答えて台座に腰掛けていた。


両手で泡を立てる葵と白金……


武人としての道を貫くサジェッサの引き締まった見事な肉体を妖艶な瞳で見つめながら、その泡を自らの乳房に撫でつけた葵は胸をその背中に押し当てた。


「アア♡……んんっ♡……/////」


背中に柔らかい感触を受けたサジェッサは葵のスベスベした肌と、柔らかい巨乳の感触に酔いしれていく。


白金は腕を撫で擦ると、次に両太腿を優しく撫でていく……


「アッ……ンアッ……ハァハァ……/////」


「どうじゃ?妾の胸は?主様もお喜びになるくらいだからのう♡ 夢心地であろう?/////」


後ろからサジェッサの耳元で囁く葵の声に、サジェッサは息を荒げながら、


「ハァハァ♡ 気持ち……いい、です/////」


そう答えた時、後ろから葵の両手が形の綺麗なサジェッサの胸に回されて優しく撫で回す。


「あうぅ……あ、むねに……ウンン♡……/////」


「よいぞ♡ そのまま、なにも気にせず力を抜いておれ。お主の身体を妾が自ら磨き上げてやろう♡/////」


ゆっくりと胸を撫で回していく葵の手が滑らかな肌の感触を掌で感じながら、左右の胸を交互に上下に揺り動かしていく。


「あっ♡ あっ♡ ご、御前!そこ、それ以上は……/////」


胸の愛撫が激しくなっていくとサジェッサの興奮も高まり、緑の瞳に涙を溜めて濡らしながら手を止めるよう訴えてくるが、


「何も考えなくてよい♡ いまは、妾と白金に任せておけばよいのだぞ!/////」


葵が語気を強めると同時に、今まで掌で撫でていたサジェッサの乳首を両手の人差し指と親指でキュッと摘まみ上げた。


「アンンンッ!!あっ、ダメッ♡ ンンッ♡ あ、ああ、イヤ、御前ンンッ♡!/////」


次の瞬間、背中を仰け反らせながら、ビクビクと全身を痙攣させたサジェッサは初めて絶頂を知った……


「ハァハァ♡ な、なに?い、いまの……/////」


「フフッ♡ 今のが絶頂という感覚じゃ♡ どうじゃ?妾の手にイカされた気分は?フワフワとして、とても心地良いであろう?/////」


「ハァハァ……ハイ……/////」


「素直で良い子じゃ♡ さあ、次は白金を洗って、閨に向かうとしよう♡/////」


まだ逃がさないと言わんばかりの淫らな光を放つ葵の瞳に、サジェッサは従うことしか思いつかない……


そうして白金の身体も葵とサジェッサで洗い流すと、三人でベッドへと向かうのだった―――






―――屋敷に用意された葵の部屋の寝室では、


「あっ♡ ああっ♡ あおっ♡ ご、御前ンンッ!そこ、ダメッ♡ あ、また、またイ、ああ、グゥウウ♡!/////」


ベッドで仰向けになったサジェッサの右胸に葵が、左胸に白金が吸いつき、舌で転がし、誰にも吸われたことのないサジェッサの突起を弄んでいた。


突起を吸いながら白金はサジェッサの身体を指先で撫で上げていった。


後ろで纏められていた長い金髪は解かれてベッドの上に広がり、浮き上がった腰はビクビクと上下に震えていた……


風呂場を出て寝室に移動してから、もう何度もサジェッサは葵と白金によって絶頂させられ、身体をビクビクと痙攣させる……


「んんあ♡……/////」


ふたり掛かりで絶頂させられているサジェッサは、蒼天の精霊シエル・エスプリセカンドとしての威厳も凛々しい姿も放り投げて半白目で舌を突き出し、ビクビクとその舌を震わせていた……


「ウフフッ♡ サジェッサよ、蒼天の精霊シエル・エスプリのセカンドであり、引き締まったお主の身体は本当に美しい♡ そして女としての快感を知ったお主は、これからもっと女として美しくなるだろう♡/////」


「ハァハァ♡……御前……わたしが……おんなとして……/////」


「フフッ♡ 今のお主を見れば、我が主様も間違いなく魅了されるであろうなぁ♡/////」


「や、八雲様が……/////」


「ああ、主様はきっとお主を受け止めてくれる♡ お主も主様のご寵愛を受けたいであろう?そうすれば、我等と一緒になれるぞ♡/////」


「ご、御前と……白金殿と……/////」


「フフフッ♡ そのことは妾に任せておけばよい♡ さあ、我等の親睦をもっと深めようではないか♡/////」


「あっ♡……んちゅ……/////」


そうして顔を近づけた葵と白金の唇から差し出された舌に魅せられて無意識に舌を差し出したサジェッサに、ふたりの舌が絡みついてくる三人同時のディープキス……


「ウフフッ♡ これから三人の間は、こうして親睦を深めるとしよう♡/////」


ゆっくりと頷くサジェッサ……


この夜より調査の間、葵と白金、サジェッサの艶のある喘ぎ声が寝室から鳴り響き続けるのだった……


(義姉さま……サジェッサ殿に魅了チャームを使って……主様に知られたら何と言われるか……いや、意外と喜ぶかも……)


―――白金は知らぬ振りをしながら、葵と共にモフモフの狐の尾でサジェッサの身体を優しく包み込み、白金はそっと指先をサジェッサの敏感なところに伸ばしていき、円を描くように優しくクリクリと転がして彼女は何度も気をやる。


葵は細い指で目の前の胸を指先でピンピン♪ とリズムを刻むように弾き転がしながら、淫らな笑みを浮かべてサジェッサを蕩けさせるのだった―――



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