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第305話 八雲、ブロア帝国へ

―――北部ノルドのヴァーミリオン皇国に帰国する紺碧の歌姫アズール・ディーヴァを見送った八雲。


八雲はブロア帝国の葵御前と白金、そしてサジェッサと合流するため蒼龍城を出発する―――


八雲と共にシュティーア、サファイア、ルビーの四人が移動することになるので、八雲は『収納』からキャンピング馬車を取り出した。


そして黒麒麟、四頭を同じく取り出してキャンピング馬車を引かせるために接続する。


巨大なキャンピング馬車に乗り込み、『伝心』で確認した葵達が滞在している蒼天の精霊シエル・エスプリが所有する屋敷の座標を登録して出発した八雲達。


ブロア帝国の目的の街までは高速移動で丸一日は掛かる距離なので、八雲達は馬車の中で寛いで過ごした。


お馴染みの馬車の底に設置している無属性魔術を付与した重力制御部により、空中に浮遊しているため揺れはまったく感じられない。


牽引する黒麒麟も疲れ知らずで八雲により『索敵』が付与されているため、道中で人や障害物があれば回避して走行する安全設計なのでニ十四時間走り続ける。


夜間走行時にはキャンピング馬車の二階スペースを延長開放して、二階ではサファイアとルビーが、一階では八雲とシュティーアが就寝した。


勿論、八雲とシュティーアが同じベッドに入っていて、男女の行為が始まらない訳がない……


「んんっ……アンンッ……んあっ♡……/////」


深夜にひた走るキャンピング馬車の中で自らの指を噛みながら、声を殺しつつも腰を動かすシュティーア。


ベッドに仰向けになった八雲の上で仰向けに寝ているシュティーアを、ゆっくりと腰を打ち上げてふたりで夜の営みを楽しんでいく。


「シュティーア……あんまり大きな声を出すと……サファイアやルビーに聞かれちゃうぞ?」


「んあっ!あんっ!そんな……ダメぇえ♡ こんなの聞かれたら、アタイ……♡/////」


自分の指を噛みながら声を噛み殺すシュティーアの意地らしい姿が、余計に八雲を興奮させていく……


仰向けになったシュティーアの胸に両手を伸ばして、張りのある胸の先端にあるツンとした突起を、『神の手』スキルを纏った人差し指でピンピン!と弾くように動かし、時に転がすように動かしていく八雲。


硬く尖った乳首から伝わる『神の手』の快感が脳に直接刺激と快感を伝えてくることで、開発されていた突起が更に快感を求めるシュティーア。


「ああっ♡ んんっ……や、やくもさまぁ……ハァハァ♡ アンッ! ア、アタイ、もう、むりだからぁ/////」


シュティーアは自分を甘々に蕩けさせる八雲に夢中になっていた。


(ああっ♡ やくもさまぁ♡ もっと激しく、もっと♡ ああっ♡ おほっ♡ もっと声を出したいのにぃ!)


やがて八雲が絶頂を求めて、ビクリと震えたことを感じ取るシュティーアは、


「あんっ! いま、また……ンアアッ! も、もう、い、いいですよ♡ いっぱい♡ あんっ! アタイのいっぱいにぃ♡!/////」


ビクビクと痙攣していくシュティーアに、湧き上がっていた欲望が一気に解放された八雲は―――


「ああ―――シュティーア!!!」


―――そこからは欲望の解放に向かって腰を激しく打ち上げながら、シュティーアの胸の突起を摘まみ上げた。


「ンアアアア―――ッ!!!アッ! アッ! おっ! いっぱい♡ ハァハァ♡ ああっ! まだ♡/////」


八雲は解放感に酔いしれた。


そうして胸から指を離して優しく乳房を揉み撫でると、八雲はシュティーアごと寝返りを打って今度はシュティーアを下にした体勢に入る―――


「この体勢、好きだろ?シュティーア」


「あっ♡ あっ♡ ちょ、ちょっと、まっれぇ♡ ア、アタイ♡/////」


そんなシュティーアの言葉に従って、待ってやるほど八雲は欲望を抑えられる男ではない。


当然萎えることもなく掻き回し始める律動に、シュティーアは枕に顔を埋めて声を殺すのが精一杯だ。


その体勢から淫らな水音が、キャンピング馬車の寝室に響き渡る―――


シュティーアを後ろから激しく突き上げ、擦り上げてシュティーアはその快感から、もう何も考えられないほど快感に包まれた。


密着するふたりは絡みつき、いつまでも淫らな音を響かせていき、やがて八雲の欲望の解放も再び湧き上がってきた。


「はぁはぁ、また、また!シュティーア!!ぜんぶ受け止めてくれ!!!」


もはや二階のサファイアとルビーへの遠慮などなくなったシュティーアの絶叫が寝室に響き渡り、そして絶頂による気持ちのいい締めつけが八雲に襲い掛かりキュン♡ と子種をおねだりしてくる。


「クウッ!!!」


「あ”あ”あ”あ”ぁあ―――♡! ま、また♡! お”お”お”お”っ♡!/////」


そんな激しい夜を続ける八雲とシュティーアだが、そんな気配に神龍の眷属であるサファイアとルビーが気づかない訳もなく……


「御子殿……シュティーア、あんなに気持ちよさそうな声を上げて……んんっ♡/////」


「あの男!まったく!お猿さんですの!!何回すれば、満足しますの!!!/////」


二階の二部屋に別れて休んでいたふたりは、ベッドの中で聞こえてくるシュティーアの喘ぎ声にモヤモヤとしてしまい、無意識のうちに自らの手が下半身に向かい下着の中にスッと指を忍び込ませていく……


「また……こんなに濡れて……んんっ♡/////」


「わたくし……こんな厭らしい女ではありませんでしたのに……アイツのせいで!……アンッ♡/////」


遠慮のなくなったシュティーアの喘ぎ声と、声を殺して自らを慰めるサファイアとルビーの欲望がキャンピング馬車に渦巻いていたのだった―――






―――翌日の昼前にキャンピング馬車は目的の街にある蒼天の精霊シエル・エスプリの屋敷に辿り着いた。


明け方近くまで八雲に可愛がられたシュティーアと、明け方近くまで自らを何度も慰めていたサファイアとルビー。


ツヤツヤとしたシュティーアと対照的に、サファイアとルビーはどんよりとした表情で一階に降りて来た。


「あっ!おはよう!ルビー、サファイア♪」


ニコニコと挨拶をするシュティーアを睨みつけるルビーとサファイア……


「……シュティーア……コロス」


「―――なんでっ!?」


「……貴女、昨日どれだけ厭らしい声を上げていたか、覚えていませんの?」


「あっ……うそ、聞いてたの!?/////」


「聞きたくなくてもあんな大きな声を上げていたら、嫌でも聞こえますわよ!!!」


「ゴ、ゴメン!アタイ、どうしても声が大きくなるみたいで……/////」


「そんな事情は聴きたくありませんわ!!!/////」


そこにひょっこりと八雲が姿を現して、


「おはよう。何を騒いでるんだぁ?」


「何でもありませんわっ!もげればいいのに!!!」


「……どこの部位がですかね?」


そんなやり取りを繰り広げて、キャンピング馬車を下りるとそこには―――


「お待ちしておりましたわ♡ 主様ぁ♪」


「無事のご到着、なによりでございます。主様」


―――葵と白金が出迎えに来て、ニコニコと八雲に笑顔を浮かべる。


だが、そこで驚くべきものを八雲は目にした―――


「エッ!?―――エェエエッ?!ど、どうしたんだ?サジェッサ……」


「い、いらっしゃいませ……八雲様……/////」


―――顔を赤くしながら八雲を出迎えるサジェッサ。




しかし、そこには―――


―――アリエス達龍の牙ドラゴン・ファングが着るクラシカルなメイド服ではなく、どう見てもコスプレ寄りの黒いミニスカメイド服に身を包み、


―――その長い金髪を後ろで纏めた頭の上には、可愛いリボンの付いたホワイトブリムを着けて、


―――引き締まったカモシカのような脚には、ミニスカの裾との間に絶対領域を形成する白いニーソックス、


―――フリフリのエプロンの前でモジモジと両手を組んで出向かえてくれる、


蒼天の精霊シエル・エスプリのセカンドであるサジェッサがいた―――




今まで見てきた武人らしいサジェッサからは思いもよらない、あまりにも可愛らしく変貌したその美女の姿に八雲だけではなくシュティーアにサファイア、ルビーまでが呆気に取られてしまった。


「サジェッサ、その恰好、すごく似合ってるぞ!!サジェッサは凛とした美人のイメージだったから、そんなに可愛くなったら目を奪われて大変なくらいだ」


「か、可愛っ?!、ほ、本当ですか?/////」


そう言って葵の方にサジェッサは視線を向けると、視線の合った葵がニコリとして頷く。


「ハハァ~!さては葵の差し金か?サジェッサは俺達のことを手伝ってくれているのに、あまり迷惑を掛けるんじゃないぞ?」


「迷惑とは心外でございます主様。それに……サジェッサのこの姿を、つい先ほど主様もお褒めになっていたではございませんか?」


「サジェッサは美人だから当然だ。いや、此処には美人しかいないんだけど」


「まぁ♪ 主様に美女と褒められるのは、何とも良き心地ですわ♪ ねぇ、白金?」


「はい、葵義姉様」


そんな葵と白金に呆れ気味の八雲だったが、


「でもこんなコスプレ衣装、一体どこで手に入れたんだ?売ってないだろう?」


思った疑問を葵に問い掛ける。


「ああ、それは雪菜とユリエルが―――」


「―――ああ、察し……特に雪菜は向こうにいた時も、けっこう自分で作ってたもんなぁ」


日本にいた頃、雪菜は八雲を喜ばせるためだけに自らコスプレ的な衣装を作っては八雲との熱い夜に使っていたのだ。


そんな雪菜と同じ日本から来た転生者のユリエルが合作したというのなら、それは完成度の高いコスプレ衣装が出来上がることだろう……


「帰ったら説教してやる!コスプレさせながら!!」


あくまで欲望には忠実な八雲。


シュティーアとサファイア、ルビーはサジェッサを取り囲んでコスプレ衣装姿を物珍しそうにキョロキョロと見回していた。


「あの鉄拳の使い手サジェッサが、ここまで変わるとは……」


「雪菜様が自ら作られた服を纏えるなんて、―――なんて羨ましい!」


「アタイもこんなのを着たら、八雲様喜んでくれるかなぁ?」


と、三者三様の反応をしていたが、その状況にサジェッサは、


「―――もう、勘弁してくれ/////」


と、真っ赤になってミニスカートの裾を握って涙目になっていた……



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