11-6
翌日。
今回の事件「
最初に
そして、その次に保坂絵里が殺害されたのなら、順番でいうと2番目の事件にあたる。
いや、情報に惑わされるな。
――今回は俺一人で全てをこなさないといけない。
今まで情報を整理し、収集してくれた
――それでも、やってみせるさ。
――……一人でも、独り、でも……
――それが、お母さんの心臓を貰って生き延びて、その母さんを幻想として縛り付けた俺にできる、唯一の償い……
――だから、見ていてください……母さん。
心臓の鼓動がどくんと鳴った。
しかし、もう鼓動に混じって聞こえた母の声はしなかった。
「……行くか」
秋羽はひとり、取り調べ室へと向かった。
*
容疑者:鈴木舞。
罪状:殺人。
時間:無制限(未成年の容疑者からの時間の指定なし)。
――無制限? 一体、何を考えているんだ……
他にも、ボロを出さないために1時間くらいで設定して、決定的な自白をしないようにしてくる子供は多い。
――無回答じゃなくて、あえて無制限と回答してくるあたり……こいつ、挑発しているのか?
前回はそれで自殺している。
もう同じことは繰り返さない。サポートしてくれる仲間がいない今、自殺も嘘も全部自分で防がないといけないのだから。
「こんにちは~」
秋羽がそんな事を考えている中、取り調べ相手である舞が到着した。
――13時ちょうど……0.1秒のずれなく、到着するとは……
金髪に、濃いめのメイク。重そうな付け爪。
見た目はギャルだが、急いで取り繕ったようで、自分の趣味ではないように見える。
――赤西から聞いた通りだな。
「ちゃい~ッス! 刑事さん、今日はよろ~」
ギャル演じるにしてもちょっと世代が古い。
「それでは取り調べを始めるが……」
「あ、それなんだけど~……アタシ、ちゃんと自白したよね? 保坂絵里をコロコロしたのは、アタシだよ~って。なのに、何で取り調べしないといけないの? マジ、意味不~」
「お前の隠し事を全部あばくためだよ、平成偽ギャル」
「偽ギャルとかひどす~」
「お前、それギャル語じゃなくて。オタク語だぞ」
「ぐへへっ、刑事氏、分かっておるでありますな」
やっぱり古い、色々と。
「それで、鈴木舞さん。君が、保坂絵里を殺害したって話だけど……」
「うん、そう! アタシがやってやったの」
「とりあえず自供はしているから、聞くけど……理由は?」
「……ムカついたから」
少しの間の後、舞は言った。
少し低くなった声や、暗くなった瞳から、これは彼女の本心だと伝わってきた。
「小学校でいじめられた時も、まるでクラスメイトや学校が悪いみたいな態度とって、ずっと被害者面していたけど……元はといえば、保坂絵里自身が起こした問題のせい。なのに、いつまでも被害者面して、悲劇のヒロイン気取りで……いつだって、あいつは誰かのせい。だから、嫌いだったんだよ、ずっと」
「ずっとって……」
「アタシは保坂絵里と同じ小学校で、元クラスメイト……あいつに、