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第41話 パリピカート

【亜沙美の部屋】

「みなさん!こんアミーゴぉ♪AA(ダブルエー)VTuberの浅宮アミでぇーすっ!今夜も沢山見に来てくれてありがとう!」


✱「待ってた」

✱「こんアミ!」

✱「アミー水まだぁ?」

✱「アミーゴ!」


今夜も21時になった。竹取亜沙美こと浅宮アミの配信時間がやって来た!学校で溜まったストレスを吐き出すように、元気な声をひねり出して挨拶をした


「え?…うわ!同接4桁だぁ、ありがとう♪」


✱「おめー」

✱「おめっとさん」

✱「知られてきたな」


今夜の同時接続の視聴者(アミーゴ)が初めて1000人を超えていた。自分の配信が伸びているのを見て、何だか自分自身が成長できている気がして、自然と元気が湧いてきた亜沙美


「えーと…あのね…ごめんなさい。今夜はノープランで始めちゃったぁ(汗)…だからね…みんな何かリクエストとかありゅ?」


✱「ノープランかよ」

✱「草」

✱「アミー水販売」

✱「そうさなぁ…」


「ヾノ・ω・`)イヤイヤ アミー水は無いからね!」


✱「そんなぁ…」

✱「そろそろ俺らと対戦しない?」

✱「良いなソレ」

✱「視聴者参加型か」


「対戦?…みんなと?…何のゲームで?」


✱「格闘ゲーム?」

✱「パーティ系?」

✱「レース系が良くね」

✱「良いな!走ろうぜ!」


「レースゲーム?うん、良いよ。で、どのゲームがオススメとかある?」


✱「レース系ならスーパーマルオ?」

✱「リッジレース」

✱「エキサイトジープ」

✱「パリピカートとか?」


「パリピカートって…何それ?」


✱「知らんのかーい」

✱「パリピ、つまり歌手がレースする」

✱「カートに乗って競走だ」

✱「キャラごとにスキルあるねん」


「へー、何か面白そうね!ソレにしようか?」


✱「知らんかったんやろ?ソフトある?」


「あ、持ってないよ」


✱「無いんかーい!」

✱「PCでも出来たっけ?」

✱「ダウンロード版あったろ?」

✱「……あるな。ソフト5000円か」

✱「アミちゃんクレカは?」


「持ってるよ!5000円くらいなら十分利用可能額だよ。待っててね……あ、見つけた。購入っと…「ポチッ」……決済完了!じゃあダウンロードするね。「DL完了まであと2分」だって」


✱「お!回線良いな」

✱「はえーじゃん」

✱「良し、立ち上げ!」

✱「ルームはアミちゃん開いてな」


「ルームって何?」

全く知らないオンライン対戦ゲームなので、最初から聞くことばかりの亜沙美。視聴者(アミーゴ)に言われるままセットアップしていく



「じゃあルーム作るね!ルーム名は……「アミーゴカップ」にしまーす!パスワードは…何にしようかな?……8405(走れGO)って事で。人数制限は……何人が良い?……分かった12人ね…ルーム開設したよ。みんな来てー!」


✱「よーし」

✱「間に合え!」

✱「あー!フルやんけ」

✱「間に合わなかったw」


「Σ( ˙꒳˙ )み、みんな早いね…一瞬で埋まっちゃったんだけど……ありがとうね(汗)初めてだけど負けないからねぇ!

コースは……【パリピ無限大】ね。キャラは…【ベントーベン】さんに決めたっ!それじゃぁ始めるよ。レディGO!!」


かくして、VTuber【浅宮アミ】の対戦型レースゲームデビュー戦が始まった!


明日の早朝、太一が迎えに来てくれて梨香との待ち合わせ場所に向かうので、あまり夜更かしするのは良くないのだが…

亜沙美はいわゆる天然お子ちゃま系の性格をしているので、楽しみな行事の前夜はテンションが上がり過ぎて寝付けずに、遅刻とかやらかしてしまうタイプである


案の定、明日は友人たちで初の宿泊旅行だ!と意識すると目がドンドン冴えてきていた。このままでは緊張して寝られそうにないので、レースゲームで適度な疲労を得ようという狙いだ


果たして、初めての対戦型レースゲームの結果や如何(いか)に?亜沙美は視聴者(アミーゴ)たちを楽しませられるのだろうか?




続く

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