【竹取家の夜20時過ぎ】
立華家で梨香とロミータが友好関係を深めていた頃、亜沙美はそろそろ新しいゲーム配信をする頃合だと思い、売れているVTuberの配信を漁っていた
すると、亜沙美が聞いた事のないゲーム配信を、某企業系VTuberたちが一斉に配信を始めていた
【a great height】
通称【グレハイ】と呼ばれているゲーム
それは父親との再会を夢見る少年が世界の各地にある色々な物体、ないしは生き物だとかが宙に浮いているモノを足場にし、ただひたすらに上へ上へと登って行くゲームだった
「オォ(*˙꒫˙* )このゲーム凄く面白そう!なにしろグラフィックが超綺麗だし、踏み外して落下する時の恐怖が配信者としては良い撮れ高になりそうだね……私もやるしかないね♪」
時刻は20:30を回ったところだった。亜沙美は急いで【グレハイ】を購入し、パソコンへダウンロードを始めた
「くっ!これは…かなり、難しいと言わざるをえないね…怖いし難しいゲームだぁ…」
某企業系VTuberがプレイしている配信を見ながら21時の配信までの少しの時間、取り敢えず操作ができるようになるまでの練習に励む亜沙美
【21時】
「みんなー!こんアミーゴぉ!!AA(ダブルエー)VTuberの浅宮アミですっ!……音量は大丈夫かな?ゲームうるさくない?……うん、良かった」
✱「こんアミー!」
✱「アミーゴ〜」
✱「アミー水!」
✱「今夜は何すんの?」
「今夜のゲームはね〜…視聴者(アミーゴ)は今VTuberさん達の間で、ひたすら上に登って行くゲームって知ってる?」
✱「壺オバ?」
✱「グレハイ?」
✱「あーあれか」
「そうそう( ˙꒳˙ )σマジソレ。今夜はその【グレハイ】をやっていこうと思います!なんだか楽しそうだよね♪」
✱「けっこう怖いよ?」
✱「大丈夫か?」
✱「漏らすなよ」
✱「アミー水だ!」
✱「遂に販売だな」
「くっ…なんかさ…【アミー水】っていう人だんだん増えてない?一応、言っとくけど販売しないよぉ?」
最近コメント欄に【アミー水】と書く人が増えてきた事を感じている亜沙美。今はまだ、そんなに気にする程ではなかったのだが、やがて…
「うっわー……グラフィックが凄いと、こんなに怖さが出るもんなんだね…これは、ちょっとヤバいかも…」
超綺麗グラフィックで描かれた背景は…大きな空き缶やバスが空中に浮いていたり、カルガモの親子が空に静止している所をよじ登って行くという、非現実的な内容ではあるが…グラフィックが超リアル過ぎて異様な怖さがソコにはあった
「ふぅ…はぁはぁ…取り敢えず、ここまではノーミスで来れたねぇ…」
1時間後には富士山ですら足の下にあるという非現実的な景色が広がっていた。左クリックしたままマウスを動かすと…360度視点を動かせるため足元を見ると…足がすくんでしまうような絶景が広がっている
「あっ!?これはマジでヤバい景色だ…下は見ちゃ駄目ね。怖すぎるよぉ…」
✱「漏らしても良いんやで?」
✱「すげぇ景色」
✱「漏らすくらいなら採水頼む」
✱「オマル持参よろ」
「ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!ちょっとー!!アミー水を期待してる人、多過ぎるんじゃない?そんな特殊な配信者じゃないんだからね!!」
恐怖要素がある配信をする度に騒がしくなる【アミー水信者】が増えている事実に亜沙美も少しずつ気が付き始めていた
【1時間後】
「(〃´o`)フゥ…あぁ怖かった。予定の2時間に達したので今夜はここまでにしますね」
✱「乙アミーゴ」
✱「おっつん」
✱「おつアミー」
✱「漏らさなかったか…」
「ε٩(๑>ω<)۶з 漏らさない!って言ってるでしょ!アミは高校生なんだよ!?この歳でお漏らししてたら大変だよぉ?…それじゃ今夜も有難うございました乙アミーゴ«٩(*´ ꒳ `*)۶»また明日♪」
【翌朝】
「梨香ちゃん、ロミータちゃん。おっはよう♪」
「亜沙美ちゃん、太一君。おはようございます」
「gooood morning…」
太一と歩いて登校中の亜沙美たちが学校の近くで、梨香と並んで仲良く歩くロミータの2人と合流した。太一と梨香が目の前で仲良くしていたが…亜沙美はあまり気にしていない。最近の亜沙美はご機嫌だ
続く