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第94話 亜沙美はニブチン

【翌朝の竹取家】

7月の第3週の日曜日

昨日、太一と買い物デートを済ませた亜沙美

今日は特にする事も無くゴロゴロするだけの休みの日になるハズだったのだが…


「( ¯꒳¯ )ᐝふぁぁぁ…朝か…ん。眩しい…」


一昨日の金曜日に2学期最後の登校が終わり夏休みに突入していた。今年の夏休みは今のところ8月に入ったら、ロミータ主催のプール配信をする事くらいしか予定の無い亜沙美


いつもは毎日1時間配信ペースの亜沙美だが夏休みに入ったので、昨夜から2時間の拡張配信になっていたのだが…


太一と行った買い物デートが楽しかった事と、夏休みに入ってしばらく学校に行かなくて良い!その事が彼女のテンションを爆上げさせたので…気が付いたら3時間も配信していた


チャンネル登録者30万人を超えるロミータとコラボ配信をしたのが効いたらしく、亜沙美の登録者も8000人弱まで伸び目標のひとつである、登録者10000人が見えてきたから張り切ってしまったようだ



「プルルルル…(っ﹏-)もひもひ…あ!ロミータちゃん…ん、おあよう……ふんふん……えっ!?プール配信は次の日曜日なの!?……だって配信中に8月の頭に…って言ってたよね?」


「あのねぇ亜沙美。少しは考えなさいよねっ!「この日にスポーツジム貸し切って配信します!」って言って実際その日にやってたら特定班に場所を割り出されちゃう可能性だってあるのよっ!?」


太一に身バレする危険性が有る!と言われてしまう亜沙美の馬鹿正直な性格は、ロミータに言われた日に配信するものだと思っていた


「あっ!じゃあ…録画した動画を予告した日に配信する。って事なの?…でもソレじゃあコメントにレスポンス出来ないよ?」


「もちろん、その辺もちゃんと考えてるわよ。配信日に亜沙美の家にお邪魔させてもらうわ!一軒家にひとりで住んでるんでしょ?」


「うん。そうだけど…どうするの?」


ロミータは録画を配信のように放送する為の段取りをシッカリ考えているのだが…配信初心者の亜沙美にはソコには考えが至ってなかったようだ


「プール配信してる訳だからさっ。普通に考えてたくさんコメントにレスするのは難しいよね?いつもより少な目にするのよ。ロミーと亜沙美が同じ部屋で動画を流しながら、さもソコに居るかの様にレスするの…分かる?」


「な、なるほどね…何となく分かった…」


(はぁぁぁ…簡単に考えちゃってたけど、屋外配信って結構大変なんだなぁ…私にちゃんとできるかなぁ?またロミータちゃんに頼ったら怒られちゃうかなぁ…)


部屋から配信するのではなく屋外からと、少し環境が変わっただけでイッキに大変になってしまう事に気が付いた亜沙美は、大きな不安に襲われていた


その変化を電話の向こうのロミータも何となく気が付いたのだが、敢えて触れずに流すことにした(説明し過ぎると亜沙美がパニくるのではないか?と心配したようだ)


「本当に?…まぁ良いわ。なるべく防音には気を使ってね?配信中に呼び鈴とかは鳴らないようにしておくのよ?あと携帯もマナーモードにしておくのよ?」


外からの配信に対して、あんまり分かってなかった亜沙美。ソレを察したロミータが「はあぁ…」と電話の向こうでため息をついていた



「Σ(゜□゜)あっ!!それとさ亜沙美っ…」


「んっ!?なぁに?」


「前に太一に家のKeyを渡してみたいだけど…」


「うん。そう…だね…」


前に偶然居合わせた梨香とロミータの前で、考え無しに家のスペアキーを渡してしまい梨香を動揺させてしまった話が出た事で、一瞬重くなる空気だが…


「プール以外の所に居るのがバレるのは良くないから、配信中は絶対に来るなっ!って言っておくのよ?亜沙美の部屋がイキナリ開けられて「お前ら何してんの?」とか言われたら終わりなんだからねっ!!」


「そ、そうだね。分かった…この後に電話して言っておくね」


「ちゃんと段取りしておいてよ?ロミーの部屋で出来るならそうしたいとこだけど…ロミーは梨香のホームにステイしてるから、危険過ぎて出来ないのっ!良い?分かった?」


「( ̄▽ ̄;)ミスが無いように段取りしておくね。次の日曜日ね。おっけー!」


「スポーツジムの場所は【デスコード】で送っておくから確認しといてねっ!あと集合時間は分かったら連絡するからねっ!」


「何から何までありがとうねロミータちゃん…その、あと良かったら…梨香ちゃんに亜沙美が謝ってた。って伝えておいてもらえる?…もちろん当日会った時に改めて私からも謝るから!」


「…………良いわ。じゃあねっ。シッカリ頼んだわよっ!」


亜沙美は忘れっぽいところがあるのを自分でも、それなりには理解しているので…ロミータとの電話が終わってスグに太一にメールを入れた。そのメールに既読が付いてから電話を掛けて口頭でも説明した


「………と、言う訳なの。よろしくね」


「分かった。配信が終わって時間が出来たら一応メールくれるか?何か急用が出来たとしても取り敢えず、そこまでは待つからさ…」


「うん。じゃあね…」



「……待てよ…ロミータちゃん。梨香ちゃんはもちろん太一もスポーツジムに呼ぶ。って言ってたよね?……って事は…私の水着姿を身の前で見られちゃうって事じゃん!あわわ、どうしよう?」


自分の水着選びを太一に同行してもらっておきながら、今更その姿を見られる事になると気が付き、本当に今更ながらに恥ずかしがる亜沙美だったw




続く

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