【ファミリーレストラン・アルビオン】
昼ごはんを一緒に食べた後、ロミータとの付き合い方…特にエッチぃスキンシップに対する考え方の違いを長々と説明した亜沙美
「どうロミータちゃん。分かってくれた?」
「うい。自重するわ……なるべくね」
ロミータも一応の理解を示してくれたようで、2人だけのルールが決められた
①スキンシップは亜沙美が「嫌」と言ったら止める
②外でのスキンシップは控え目に
③寝ている間のお触りは厳禁!
と、少しロミータに甘い内容で取り決められた。それは、今朝寝ている間に亜沙美がうなされていた時に口にしていた、亜沙美の父親の名前
梨香にも言っていなかった父親の名前が、正確にロミータの口から出たからだ。と言うことは本当に亜沙美が父親を夢に見て、うなされていたのは間違いないだろう
その間、ずっと手を握ってくれていたロミータの優しさを考慮しての事なのだが…果たして、それで良かったのだろうか?
「どう?美味しい亜沙美?」
「うんうん!凄く美味しいよ♪」
お互いに話し合いが足りなかった。とは言え迷惑を掛けたのはロミータの方なので、今夜の食事はロミータの奢りで割りと高め目なファミリーレストランで食べる事にした
「ピロパロピーン♪んっ!?」
2人で食事していると、ロミータのスマホに新着メールを報せる音が静かになった
「亜沙美!会社からメールが来たよっ!」
「(; ꒪ㅿ꒪)えっと…何の話??」
「ほら……この前、梨香たちを誘って行ったスポーツジムでプール撮影会した時のヤツよっ!」
「Σ(゜□゜)あっ!…うん、分かった。いつするの?」
「ちょっと待っててよ……ふふん…ふんふん♪」
ロミータは器用にスマホを弄りだした!その様子を見ていた亜沙美は、自分のスマホを取り出しロミータの更新ポストが出るのを待った
【今夜21時から現役女子高生VTuberのロミータと亜沙美のプールでOFF会配信を始めます!亜沙美とラブラブなロミータ2人のちょっとエッチぃ絡みも有りーの、思わずこぼれる現役女子高生の本音トーク有り!】
しかもロミータは、既にサムネイルも作成済みだったようで、あっという間に告知ポストが行われた
「うわぁ!すっごいね…」
「( „❛ ֊ ❛„)んっ?何が?」
「ロミータちゃんのポストさ、スグにリポストやイイね。が増えて行ってるよぉ♪」
「そりゃーね。エックスのフォロワー50万垢弱くらい居るからね…そうだ!亜沙美のフォロワーは何垢くらい居るのよ?」
「えーっと……8000垢を超えた辺りです…」
「( °◽︎° ;)はいっ!?チャンネル登録者よりもフォロワーの方が少ないの?…亜沙美…アンタ変わってるわね…」
VTuber界隈で、ロミータに追い付け!追い越せ!を心の中で目標にしていた亜沙美だったのだが…エックスのフォロワー数も軽視は出来ないモノ
と理解はしていたのだが…【ゼロから始めた配信者生活】だった為、配信活動に関する事にばかり注力していたので、エックスのフォロワー数はあまり伸びていなかった
「やっぱりフォロワー数も必要だよねぇ…」
「あったり前よっ!広告の最大のツールの1つのエックスを軽視する配信者なんて…まぁ居ないわよっ!!…仕方ないわね。時間のある時にでもロミーが講師としてレクチャーしてあげるわっ!」
「ありがとう。お願いします…」
食事の後、真っ直ぐに家に帰った2人は約束通りフォロワーを伸ばすやり方の説明に入っていた
【18:30分 亜沙美の部屋】
「ロミーちゃん。先に今夜の配信の方の準備するのぉ?」
「あったり前でしょ!配信者たる者、何事よりも優先して予定した配信の段取りをするのよっ!それ以外は2の次、3の次なのよっ!」
ロミータが半契約しているVTuberの会社から、亜沙美のパソコン宛てにこの前のOFF会のデータが送られてきていた。ソレを元に今夜の配信の準備をしているロミータ
「それにしても、私のパソコンにもデータ送ってくれたんだねぇ」
「ロミーが会社に頼んでおいたのよ。いずれ再オフコラボをして撮影した映像を、鑑賞しながらの配信をする予定だったからね…その…
ロミーは梨香のハウスに居候させてもらってる訳だから、ソコに亜沙美を呼んでワイワイ騒ぎながら配信したら、梨香の家族に迷惑掛けちゃうからね」
「うん。そうだね♪」
思うがままにボディタッチのスキンシップをしてくるロミータに、他人への配慮意識が低い自己中タイプなのかと少し不安視していた亜沙美だが、ちゃんとTPOは弁えるのだと安心した………のも束の間だった
【19:55】
「良しっ!配信準備は完了したわっ!亜沙美。ライブ配信に備えてリハーサルしましょ!ぶっつけ本番配信も思わぬ数字が取れる事もあるけど、事前撮影した動画を見ながら感想を言ったり、視聴者からコメントに対応しなくちゃだから今回はリハーサル必須だと思うのっ!」
「う、うん。そうだねロミータちゃん。リハーサルは私もしておくべきだと思うよ……でも、この水着は何でしょうか?」
スポーツジムのプールで撮影した本人たちの動画を【モーションキャプチャー技術】を使って、あたかもVTuberのアミとロミーが動いているかの様に加工してくれた契約会社のスタッフさんたち
だが、今夜の配信は亜沙美の部屋からする訳なので、私服のままで良いのでは?と思う亜沙美なのだが…
「かーっ!!ダメよ、だめ!駄目!配信者の気構えがなってないわよ亜沙美!普通に考えて!現役女子高生がライブ配信で自分の水着姿を放送する。なんて事したら誰だって恥ずかしがるモノでしょ?」
「う、うん。それは、そうだよねぇ…」
「でもね。こうやって亜沙美の部屋で私服着て配信する場合とじゃ、その緊張感や恥ずかしさは比べ物にならないわっ!そんな安全が確立された状態の配信では、視聴者が求める【恥じらう女子高生の姿】なんて絶対に伝わらないのよ!…ましてや、まだまだ配信初心者の亜沙美に、ソレを悟らせない役者のような演技が出来るとでも言うのっ!?」
「…いえ…出来ません…」
「じゃー着替えて。速くっ!!」
「分かりましたぁ(;_;)」
(何だか私、またロミータちゃんに上手く丸め込まれちゃったような気がするなぁ。配信中にエッチぃ事してこなかったら良いんだけどぉ…)
ロミータの言っていることは正しい。それは亜沙美も理解しているが…それと同時に下心も滑り込ませて来るのだろうと予測していた
「んしょ、んしょ…あ!ロミータちゃん、あの日に着てたのと同じ水着持ってきてたんだぁ…」
またロミータに騙されているのでは?と心配しながら水着に着替え始めた亜沙美。ロミータも一緒に着替え始めたのだが、彼女はあの日と同じ水着を持っていた
あと1時間後には完成したプールでの水着撮影の動画を見ながらの、オフコラボライブ配信が始まる。今夜は夏休み最後の夜なので、亜沙美としては自己最長の150分の配信時間を予定している
果たしてその間、ロミータは亜沙美が困ってしまうようなエッチぃスキンシップをされる事なく配信を終えられるのだろうか?
続く