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第150話 背水の排水配信

【21:00】

「視聴者(アミーゴ)のみなさーん…こんアミーゴ〜…AA(ダブルエー)VTuberの浅宮アミでーす」


✱「こんアミー」

✱「こんばんわ」

✱「元気ない?」

✱「こんアミーゴ!」

✱「女の子の日か?」


「ε٩(๑>ω<)۶зもう!違うって!えっと…今夜は前に言ってたアミのお友達の…」


「こんアミーゴっ!イングランド人VTuberのロミーでっす!今回もアミとオフコラボ配信する為に、彼女の家に泊まりに来ちゃったわ♪」




【1時間前】

「もぉ…亜沙美ってば良い加減、腹くくりなさいよ!服部さんは信用出来るって!ギブアンドテイクは世の常だって分かってるでしょ?」


「う、うん…そうだけど…」


ロミータから受けた報告で、浅宮アミの大信者である服部に【アミー水】を渡せば、学校内での安全は彼の忍術と情報網で確約される!と聞かされていた亜沙美だが…


「やっぱり恥ずかしいモノは恥ずかしいんだもん!ソレに!採水してる時の音まで録音するなんて聞いてなかったもん!」


用心深い服部は、動物などの別のオシッコを入れて渡されないようにする為に、採水する時の音を録音して欲しいと言ってきたのだ


「仕方ないわねっ!………そだ!じゃあ今夜のコラボ配信でゲーム対戦しましょ!それで負けたら条件を飲む!って事で…」


「う、うん…分かったぁ…」


ロミータは亜沙美が配信に対しては前向きで決して逃げない性格なのを把握していたので、配信を利用して亜沙美を納得させる作戦に出たのだ




【ゲーム大広場】

トランプなどを使った約50種類のゲームが入ったこのアプリで亜沙美とロミータが対戦する事になったのだ


「え、えっとね…ロミーちゃんからの提案で…負けた方は罰ゲームで…水分を採水する配信をする事になっちゃったのぉ!ふえぇん!アミーゴたち、絶対、絶対、アミを応援してよぉ…」


✱「マジで?」

✱「欲しい!」

✱「アミちゃん負けろ」

✱「採水音 聞かせてくれるの?」

✱「視聴者プレゼント?」

✱「アミー水最高!アミー水しか勝たん!」


「Σ(°꒫°๑)ちょ!?なんで応援してくんないの!?みんなはアミの視聴者だよね?」


どうしても覚悟が決まらない亜沙美は、ロミータと全力勝負して負けたら仕方なく受け入れる。という条件でようやく納得したようだ


しかし!出来れば採水されたくない亜沙美は本気で勝ちたいので、アミーゴたちからの応援を期待したのだが…アミーゴたちは度胸の座ってるロミータの採水配信より、照れ屋の亜沙美の採水配信の方が盛り上がれるので、逆に亜沙美が負けることを願っていた




【五目並べ】

「………ふふーん、ここに置かなくて良かったのかな?横3斜め3の形よ!勝ったわっ!」


「えっ!?えっ!?なんで私、負け決まったの?……あぁっ!」


左右フリーの3並びを同時に作られてしまうと…どうやっても5個並んでしまうのを知らない亜沙美は、アッサリと1敗してしまう



「つ、次はスピードやろっ!」


スピードはトランプを使ったゲームで、場に2枚のカードを捲って置く。その数字の前後の数字が手持ち有れば、相手に置かれる前に置き素早く手持ちのカードを処理した方が勝ちになるゲームだ


「ほほう!ヤケに自信あるじゃない。でも負けてやらないからねっ!」


……………………………………………


「ヤタ───ヽ(〃∀〃)ノ───♪勝ったわ!これで1勝1敗ね。いえーぃ♪」


✱「おめー」

✱「勝っちまった」

✱「マジか」

✱「ロミーちゃん頑張れ」

✱「ロミーちゃん次は勝とう!」


「Σ(゜д゜;)ちょっと!アミを応援しなさいよぉ!みんなアミの視聴者(アミーゴ)でしょーがぁ!!」


浅宮アミ推しの視聴者(アミーゴ)たちは、当然亜沙美の勝利よりも彼女が負けて超恥ずかしがりながら、採水する配信を見たい方に大きく気持ちが傾いていたのだ


……………………………………………


【22:11】

意外なことに、ここまでの勝敗は3勝3敗の互角だった


「はぁはぁ…まだだ。まだ終わらんよ!」


「くっ!アミがここまでヤルなんてね…予想外だったわ…」


五目並べやリバーシなどの頭脳戦はロミータが3勝したのだが…スピードやエアホッケーなどの反射神経がモノを言うゲームでは、意外な事に亜沙美がロミータに完勝し、彼女も3勝していて互角の戦いになっていた……それほど亜沙美は、どうしても負けたくないようだw



「ふぅ…往生際が悪いわね…時間的にも次のゲームが最後になるわね。採水配信分の時間も考えるとね」


「反射神経系なら負けないけど…頭脳戦じゃ勝てる気がしないよぉ。最後は何にするのぉ?」


どちらかの得意分野系のゲームを選べば、その時点で勝敗は決してしまう雰囲気だった。ロミータは考えた


最後に頭脳戦系のゲームで勝ちを決めたら、亜沙美がグズって採水配信をドタキャンする可能性があるからだ


「………じゃあ、公平に運で決まるゲームにしようか?ヨットってカードゲームがあるんだけど?」


「運勝負なの?…うん、それで良いよ!絶対に負けないんだからねっ!」


✱「アミ頑張れ」

✱「ワクワク」

✱「ロミーちゃん頑張れ」

✱「アミー水!」

✱「アミちゃん良く頑張った」

✱「アミー水の方で」

✱「ロミーちゃんに頑張ってもろて」


最後までほとんどのアミーゴはロミータを応援していた。やはり亜沙美の恥ずかしがる声が聞きたいようだw


「うぅ…ここでヨットを出せないと負けちゃう…3が4個出てるから、あと1個3を出せたら逆転勝利。出て、絶対出て!」


……………………………………………


【お風呂場】

「ハーイ!アミーゴたち、お待ちかね〜!今から【アミー水】の採水配信が始まるよぉ♪」


「うぅぅぅ…みんなが応援してくれないから負けちゃったよォ!!バカぁ!!」


配信画面をアミとロミーの立ち絵を貼り付けておいて、マイクだけを持ってお風呂場に移動した2人


ヨットはBストレートとフォーカード、ヨットを叩き出したロミータが勝利していた


「はいはーい、アミ。下だけで良いから脱ぎ脱ぎしちゃいましょーね〜♪」


「うぅぅぅ…みんな恥ずかしいから聞かないでぇ…やだぁ!」


「はい、アミ。この集音マイクに舌を当ててね。そうしたらハッキリした声は出ないから…その分、アミの呻き声は入っちゃうけどね〜♪」


✱「マジでやんの?」

✱「ヤラセじゃねー?」

✱「いやいや、ロミーちゃんは今までの配信は全部ガチ配信の配信者だぜ!」

✱「マジか」

✱「やっべ。オッキしそう」


パソコンは亜沙美の部屋なので、視聴者(アミーゴ)たちのコメントは見られない亜沙美とロミータ


だが服部は情報収集に凄く長けているので、配信中に採水音を撮らないと完全には信用しないだろう。やむを得ないのだが…


「ふんふふーん♪」


元々、亜沙美が大好きで彼女が恥ずかしがる様子を見るのが大好物のロミータは…仕方ないからやる。って訳でなくノリノリで採水配信に取り掛かっていた


「大きめの口の瓶をアミの真下にセットして、と…準備出来たよアミ。いつでも吐き出して良いからね♪」


「んうー、ふうぅー…」


舌を出して集音マイクに当てている亜沙美は言葉を話すことが出来なかったが、逆にソレがエッチぃく聞こえてロミータやアミーゴは大興奮している


このまま亜沙美は配信内で、採水する音を聞かせてしまうのか?【アミー水】の行方は?




続く

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