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第154話 亜沙美の初体験

「どう亜沙美、濡れてきた?」


「うん…こんなに出るなんて思わなかったよぉ…」


「全く亜沙美はイケない子ね…もっと、たっぷり出しなさい。気持ち良くなれるわよ♪」


「……………………………………………ねぇロミータちゃん。言い方が卑猥(ひわい)なんだけど…サウナに入ってるだけだよねぇ?」



【サウナ】

「あはは♪どう亜沙美、初めてのサウナは?気持ち良くない?」


「う、うん…よく分からないけど…たくさん汗をかいて…はぁ…ポカポカするよぉ…」


そもそもコミュ障気味の亜沙美はスーパー銭湯などに来たことが無かったので、サウナも利用した事がなかった


そんな亜沙美は今日、ロミータに手取り足取りエスコートされている状態だ。彼女の誘いでサウナに入っているのだが…


「ん?どうかした亜沙美?ジッとコッチ見て?」


「う、うん…ロミータちゃん。また成長してるよね…私ちっとも大きくならないから羨ましいなぁ…って…」


「えっ!?ちょっと亜沙美、どこ見てんのよ?…でもね、胸ばっかり成長してるのも嫌なものよ?だって身長は亜沙美の方が高いじゃない?」


どうやらロミータは、亜沙美よりも背が低いことを少し気にしているようだが…


「高いって言っても2-3センチじゃない!胸のサイズはそれ以上に負けてるんだもぉん!」


気持ち程度に身長は勝っている亜沙美だが、明らかにバストサイズでロミータに負けているのが悔しいようだ


「あ、亜沙美だってその内に成長するわよ!それよりもオリビア先輩の事が聞きたかったんじゃないの?」


「えっ!?…あ!そうだった…」



「家に着いたら先輩の写真を見せてあげる」


「ありがとう」


「オリビア先輩はね、両親共にアメリカ人なんだけど…生まれも育ちも日本なのよ」


「そうなんだ!…確かにいくつかの配信を見たけど、ほとんど日本語しか話してないもんね」


「英語も話せない訳ではないけど、日常会話は全て日本語で話してるわ。ロミー以外とコラボした事が無い亜沙美が緊張するのも分かるけど、オリビア先輩は凄く寛容的な人だからあんまり緊張しなくて良いわ。逆にいつまでも、よそよそしくしてると機嫌悪くなる感じよ」



ロミータ以外とコラボ配信をしていない。どころか学校でもいまだにロミータや梨香、太一以外には率先して話しかけられない亜沙美には、見知らぬ人とコラボ配信するというだけで、かなりのプレッシャーになっているようだ




【竹取家】

「ただいまぁ。ロミータちゃん我が家へようこそ♪」


「お邪魔します」


スーパー銭湯を出た亜沙美たちは、帰り道ファミレスに寄って晩ご飯を済ませ今夜の配信に向けて準備を始めた


「んっ!?メールが来てる…ショーツさんだ」


「どれどれ…立ち絵と「今夜のコラボ配信は【遊び全集】で5本勝負で遊びましょう」か、相変わらずオリビア先輩は抜かりないわね」


「私、大丈夫だよねロミータちゃん?」


「まだ緊張してるの?…そうだ。はい、コレがオリビア先輩よ。半月前に呼び出された時に事務所でもらったのよ」


「コスプレ衣装?」


「先輩は本名の【オリビア】の名前でYouTuberとしても活動してるからね。他所のVTuberさんとコラボ配信した時に、撮った1枚をもらったのよ」


「へ〜、素顔でも配信してるんだ凄いなぁ…」


コミュ障気味の亜沙美からすれば、素顔を晒さなくて良い。という理由でVTuberを始めたのが大きい理由なので、素顔でも配信活動しているオリビアに驚いたようだ


「ほら、亜沙美の好きな【オロライブ】のメンバーにも素顔でも配信活動してる人居るじゃない。天然なのか?は知らないけど、YouTuber配信してる時にVTuberの方の名前で自分のことを言ってたりする人よ」


「あー!マチュリさんね。あの人も好きだなぁ、快活な喋り方なんか安心する。あっ!?でもあの人もロミータちゃんと同じで、女の子相手に激しいスキンシップしてるよね?」


「う、うん。確かにそうね…」


スキンシップ多過ぎ!と遠回しに言われたロミータ。その時、彼女は何か閃いたようだ



「ねぇ亜沙美。まだ緊張してるんでしょ?だったら今からロミーとリハーサルしない?ロミーの事をオリビア先輩か、別のVTuberだと思ってさ」


「仮装練習するって事ぉ?…うん、お願いします!」


……………………………………………


【20:15】

「ど、どうかなぁ?」


「どうかな?ってガチガチじゃない…本当に亜沙美は慣れるまでに時間が必要なのね…じゃあ少し手荒な方法を取りますか!」


「えっ!?それってどうんな感じ?」


……………………………………………


「ねぇ…コレって亜沙美の緊張克服の為だよね?ロミータちゃんの趣味でやってるんじゃないよねぇ?」


「( ´艸`)もちろん亜沙美の為に決まってるじゃな〜い♪ほら、いつもの様に話すのよ♪」


ロミータは亜沙美をテーブルの上に腰掛けさせ、マイクをミュートにしたまま配信の練習をさせた


「みんなぁ…こんアミーゴ…AA(ダブルエー)VTuberの朝宮アミだよぉ…今夜もよろしくね〜……」


「どうしたのよ亜沙美!硬いわよ!いつもみたいに仲の良い友達と遊んでるみたいに話しなさいっ!」


「ふぇぇぇん…何でロミータちゃん、しゃがみ込んで見上げてるのぉ?ムチャクチャ恥ずかしいんだけどぉ…あっ!?」


「ほらほら、もっと足を広げてみなさい!この恥ずかしさに耐えられたら、見知らぬ人とのコラボ配信程度に緊張なんか、しなくなれるんだからさっ♪」


「絶対にロミータちゃんの趣味じゃない!もう、やだぁ!!」


亜沙美の緊張シィを克服する為!という名目で恥ずかしい格好をさせ、興奮気味に協力するロミータ

そんな恥ずかしいリハーサルを続けて、まもなくロミータが半契約している会社のオリビア先輩とのコラボ配信を迎えようとしていた




続く

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