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第182話 艶やかな乙女たち

【温泉旅館 隠れ里】

昼飯を食べた3人は、この宿の目玉の1つである露天風呂に来ていた


「ほぉ。アミは高一になった時に不登校になってたのか。何かを始めないと!と一大決心をしてVTuberを始めたんだな。なるほどな」


「確かイーグルは、親御さんが経営していた工場が謎の不審火による火災で全焼しちゃって、それまでやってたパートを辞めて愛知県から東京に出て働き出した。って言ってたわよね?」


この内容は後日配信で流すので、ミネアもイーグルとしての口調で会話しているし、ロミータが言った彼女の家の事情は、既に本人が自分のチャンネルの配信内で言及している事に留(とど)められている


3人は明日、亜沙美の家に集まり【振り返り温泉旅行】配信をする予定でいる。なので、タクシーを降りてからや昼飯の時の会話などを録音していたのだが…それぞれの視聴者の為のファンサービスとして、貸し切りになっている温泉の中でも録音していたのだが…


「そういやロミー、またバストサイズがアップしてないか?貴様、本当に高校一年生なのか?…少し羨ましいぞ」


そう言うとイーグルは、ロミータの胸をマジマジと見詰めた。いつもは亜沙美の身体を見る側なので、急に接近されたロミータは乙女のように恥ずかしい素振りを魅せた


「た、ただの体質によるものよっ。別段、大きくしようとして何かしてたりしないわよ。それよりもアンタ20歳なのに…アミとサイズ変わらないわね」


実はミネア・イーグルスの年齢は23歳なのだが、VTuberとは基本デビューした時の年齢設定から歳を取らない!というのが一般的だ


実はロミータだけが例外で、彼女は実際の年齢どうりに歳を重ねていく設定にしている。なのでミネアは、デビュー当時14歳だったロミーを今は高校一年生と言っている


「そうなのか?先程一緒に食事をしていた時には俺様より少し小さいかと思っていたが…もしかしてアミは着痩せするタイプなのか?…どれどれ…」


「やァ!ちょっとイーグル先輩、タオルを剥ぎ取らないでくださいよぉ…」


「実物を見なければ細かく判定できんだろうが!…うーむ、見ても俺様の方が少し大きい気がするのだが…仕方ない、直接触って詳しく測ってみるか…揉み揉み❤︎」


「∑(๑ºдº๑)ちょっと〜、録音中なんでよぉ。ナニするんですかぁ!」


ミネアは内気な自分が嫌いで配信を始めた時に、ゲームの人気キャラに見た目を寄せたアバターにし、性格も自分とは違う強気な性格にして配信を始める前にいつも、自分自身に自己暗示を掛けて強気な性格でやっているのだが…


今回は、自己暗示されたその性格が少し行き過ぎてしまい、亜沙美のパイ乙を両手で掴んでそのサイズを確かめ始めた



「ちょっと!イーグル何してんのよっ!アミはロミーのモノだって言ってるでしょ!ロミーの許しも無しに勝手にアミの身体を触るのは止めてよねっ!!」


「ち、違うよぉ…アミの身体はアミのモノだよぉ…あ、あん!そんなところ触っちゃダメぇ!」


「イーグル!アンタね〜…ソレはロミーのだって言ってんでしょー!せめて反対側くらいロミーに揉ませなさいよっ!!」


「違う、違うよぉロミーちゃん!いや、止めてぇ!こんな内容配信に流せないよォ…」


ミネアがここまで亜沙美に興味を持つとは予想していなかったロミータは、目の前の光景に理性が外れてしまいイーグルに負けじと亜沙美の身体をまさぐり始めた


「いやいや、この身体は素晴らしいぞ!何と言うか…もっと聞いていたくなる甘さと、ツヤツヤモチモチの肌は癖になってしまうな。やめようとしても手を抑えられんな♪」


「でしょ〜♪でも、アミの身体はロミーのモノなんだから、そろそろその手を話しなさいよねっ!」


「そういう事じゃないんだよぉ!…くひゅ、も、もう止めてぇ…おかしくなっちゃうよォ…」


初めて亜沙美の身体に触れ、その柔らかさと彼女の甘だるい声に脳を刺激されたミネアは、亜沙美の身体を楽しむのを止められないようだ


一方のロミータもアミは自分のモノだ!と負けじと主張する為に、ミネア以上に亜沙美に可愛い声を出させようと、いつも以上に激しくスキンシップしていた


……………………………………………


「もう少し楽しんでも良いだろ?」


「ダメだって言ってるでしょーがっ!!」


「こんなの配信で…あん❤︎使えないよォ!」


完全にミネアとロミータは、配信で使うために録音している最中だということを忘れ、亜沙美の身体を楽しむことに没頭していた


「うーん…兄様の心配していた方向に進んでいますね……はぁ仕方ない。亜沙美さんを助けに向かいましょう」


少し離れた雑木林の中から、露天風呂に居る3人の様子を観察していた茜。事前に兄から聞かされていた話はこうだ


「茜よ…【アミー水】が神聖な水なのは、亜沙美殿がメスになっていない乙女であって、そんな彼女が恥ずかしさを堪えて排水すればこそなのだ。温泉旅行中にツレの2人が羽目を外し過ぎて、亜沙美殿をメスにしないように注意してくれ」


「ナニを馬鹿なことを言ってるのか?と思ってあの時は聞いていましたが…いよいよ現実的になりそうですね。割って入るとしましょうか…」



「皆さん、我が温泉旅館の露天風呂は如何でしょうか?くつろいでいらっしゃいますか?」


「うわ!ビックリしたっ!?」

「いつの間に背後に居たんだ?」

「ふぇ〜助かったよぉ…」


茜は日本の暗部で活躍する忍者軍団を率いる頭領を兄にもっている。その妹である彼女は、並の中学生とは比較にならない大人な考え方をもっている。そんな彼女から見た3人の行為は…


「皆さんの思い出に残る楽しい行為を遮るのは私も気が引けてしまいますが…ここは公共の場ですので行き過ぎた行動は控えてくださいね。ニコッ(笑)」


「は、はい!」

「すみませんっ!」

「本当にお願いよぉ…」


微笑を浮かべて注意した茜だが、先程タクシーのドライバーや旅館スタッフを静かに一喝した彼女の迫力が滲み出ており、ミネアとロミータは【蛇に睨まれた蛙】状態になっていた




【鳳凰の間】

「さっきは行き過ぎました。ごめんなさいね亜沙美ちゃん…」


「本当ですよ、もう!」


自分たちの部屋に戻った3人

今は録音していないので、ミネアはエルフ軍人のデザート・イーグルではなく、ミネア・イーグルスの話し方になっていた


「ミネア。今度、亜沙美の身体に触る時はロミーの許可を取ってからに…」


「ロミータちゃん!!そうじゃないでしょ、もう!今度あんな事したら…恋人から普通の友達に降格するからね!…モチロン2度と同じ布団で寝てあげないんだからねぇ!」


「そ、そんな〜…分かりました…」


露天風呂は外が見える場所である。つまりは外から見られる可能性のある場所でもある。そんな場所でミネアとロミータの2人から、同時に身体を弄られた亜沙美は本気で怒っていた


「本気で私の恋人だって言うんなら、ああいう場面では私の事を護ってくれるのが恋人の役目なんじゃないのぉ!…一緒にセクハラしてくる人なんか、恋人とは見れないんだからねぇ!!」


「ご、ごめんなさい亜沙美…」


流石に今回ばかりは温厚な亜沙美と言えど、そうそう簡単には許してくれない雰囲気だった


「……………………………………………」

「……………………………………………」


気まずくなり黙ってしまった亜沙美とロミータ。そんな中、ミネアが話し始めた


「ロミータってさ、なんて言うか壁みたいなのが有って…近寄り難くて人を寄せ付けない雰囲気だったでしょ?なのに、オリビアさんにまで「ロミーが本気で好きになった子をコンプリに入れてあげたいの」って、言ってきたと聞かされた時にはビックリしたけど…実際に亜沙美ちゃんと触れ合ってみて、ロミータがソコまで入れ込む理由が分かりました。とんでもなく可愛いもんね亜沙美ちゃんって❤︎」


どうやらミネアも亜沙美の魅力に気が付いてしまったようである。目が完全にメスのソレになっていた


「う、嬉しいですけど…さっきみたいな事をするのは本当に勘弁してくださいねぇ…」


「どうしようかな〜…ロミータから亜沙美ちゃんを奪っちゃいたくなってきちゃったのよね〜♪」


「ふ、ふざけないでよねっ!亜沙美は誰にも渡さない!って言ってるでしょーがっ!」


もしかすると、亜沙美を中心に三角関係になりそうな雰囲気が出始めていた。その時、彼女らの部屋の襖が静かに開いた


「失礼します。皆さん、晩御飯までにはまだ時間がありますので宜しかったら、休息室を楽しまれてはいかがですか?楽しんでもらえるように趣向を凝らしていますので♪」


「うんうん、行きたい!ね、ロミータちゃん。見に行きましょう…嫌とは言わないよねぇ?」


先程の露天風呂での事があるので、「ロミータちゃんに拒否権は無いんだよ!」と亜沙美の目が物語っている


「そ、そうね。亜沙美が行きたい、って言う場所に付き合うのが恋人の役目ってものよね。モチロン付き合うわ」


「面白そうですね。ワタシも行きます」


こうして3人は茜に付いていった




【休息室】

ここにはマッサージチェアや土産物が売られている。が、一風変わった形のマッサージ椅子であり、売っている物も日本刀や忍者刀、手裏剣に伊勢うどん等であった


「ほぇ〜何だか伊賀の隠れ里に来ている。って感じだねぇ…」


「伊賀忍者に関する物ばかりあるから、普通の温泉旅館とは違う雰囲気がしてるわね…」


だいたいの温泉旅館ならば最新型のマッサージ器や、全国でも販売しているような土産物に、地元の特産品が紛れているのが普通なのだが、ここ隠れ里温泉旅館では全く違う雰囲気だった


「ねぇねぇ、【レンタル衣装コーナー】っていうのがあるわよ」


「はい、時代劇に出てくるような衣装に着替えて記念撮影が出来ますよ。もし気に入ってもらえたら、販売も可能ですので遠慮なく仰ってくださいね」


丁寧な口調ながら、しっかり売り込むも忘れない茜は3人の手を取り、着替え室の方に誘った

仕切りの奥の部屋には村娘や、お殿様お姫様の衣装も有り更には越後屋とか飛脚屋の衣装なども取り揃えられている


「着替えて記念撮影しようよぉ♪」


「ろ、ロミーは亜沙美の衣装を見られたらソレで良いわ…」


「何言ってるのよロミータ。貴女も着替えるのよ…そうね、コレなんかどう?」


……………………………………………


「ロミーは、あまり似合ってないんじゃないかしら?」


「(*゜∀゜*)うひょー!そんな事ないよ。ロミータちゃんの村娘衣装すっごく似合ってるよぉ♪」


「(//∇//)お、お世辞でしょ?…でも、ありがとう。嬉しいわ…」


「亜沙美ちゃんのサムライ姿もイイわね♪」


「ミネアさんのお姫様も似合ってますぅ♪」


コスプレをした事がなかったロミータは少し恥ずかしがっているが、3人それぞれに借りた衣装が似合っていて互いを褒め合っていた


「それではソコに立ってください。記念撮影しちゃいますね…それではいきますよ。はい、チーズケーキ!…パシャ!」


年季の入っていそうな一眼レフカメラを構えた茜が、時代劇風のパネルの前に立ってポーズを取っている3人を記念撮影した


「後で現像した写真をお持ちしますね。1枚1000円になりますけど皆さん買ってくださいますよね?なにしろ今回の旅行自体が無料なんですし…ねぇ?」


「それくらいは支払ってくれますよね?」と茜の目が威嚇を含みつつ物語っていた。3人揃って首を縦に降っていた


ロミータとミネアは迫力に負けての事だったが、亜沙美は純粋に喜んでいた


その後も土産物の手裏剣や、秘伝書のレプリカなどを眺めながら楽しんだ3人に「間もなく晩御飯の用意が出来ますので、お部屋に戻りお待ちください」とスタッフの女性から声を掛けられた


「晩御飯は何だろうねぇ♪」


「お昼ご飯も凄かったから楽しみね」


「お昼ご飯食べ過ぎたから、あんまり食べれないかも知れません」


3人はそれぞれに期待しながら、部屋に戻る事にした。亜沙美からの提案により、今度は配信に使える内容から脱線しないように注意して、録音しながら食事をする事にした




続く

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