さて、あれから数日……私達はあの場所からまだ動けずにいました……常に偵察に出てる人達もいるのですが、未だにフレイムワイバーンの場所が特定できないでいます……
「困りましたね……」
「そうだなぁ……」
「お肉の浄化終わりました!」
「あぁ、ありがとう」
私達はといえば、私は冒険者さんがとってきた魔物の毒を浄化、旅人様はそのお肉を食べやすく切っています。
「さて、さっさと作るか」
「はいっ!」
まぁ、私ができるのはここまでなんですが……あっ、でも旅人様が作ってるはずなのに、皆も理解してるはずなのに、私の手料理だーって喜んでる人達がいるんですが……なんなんでしょうか?ちなみにその中にはマグナスさんも入っています……
「旅人様のお料理なのにーなんで私の手柄になるんでしょう??」
「まぁ、若い女がつくった料理だってのが重要なんだろ……直接作ったのは俺でも、周りからすればアンナも手伝ってるって認識だからな…」
「そんなものなんですねぇ……」
「そんなもんだ……ほら、さっさと作るから手伝え」
「はっ、はいっ!味見頑張りますっ!」
その後は無事出来たご飯を見なさんに振舞います……
「うぉおおお!アンナちゃん今日もありがとぉおおおおっ!!」
「うるさいアホっ!大人しく食べたなさいっ!!」
「皆さん元気ですね」
「まぁ、マイナスになるよりはずっといいだろ」
「まぁ、そうですね」
「おおおいっ!」
「ん?」
「ふぁっ!?」
大きな声がしてそちらを振り向くと偵察をしていた人が戻ってきました……
「バカ野郎、大声出すなっ」
「わ、悪いっ!でも、わかったんだっ!フレイムワイバーンの居場所がっ!」
「ほんとうかっ!?」
「あぁ、説明する、メンバーを集めてくれ」
「わかった」
さて、私は聞いてもよくわからないですし、邪魔になっちゃうので大人しくしています……それからすぐに各リーダーさん達が集まって会議を始めました……
さて、それからどのぐらいかかったでしょう?1時間、2時間?時計とかないからわからないです……とりあえず、ラニィさんたちと一緒に待っていると、会議が終わった見たいです、旅人様たちが戻ってきました。
「直ぐに出発する、準備をしろ」
「直ぐですか?わかりましたっ」
私は旅人様の指示で急いで自分たちの馬車へ向かいます……えっと、荷物は、問題なし、カペラもいるし、食料は、魔物肉も積んであるし……うん、忘れ物はないかな?
「旅人様、大丈夫です」
「わかった」
周りを見れば他の人たちも慌ただしく動いています……それから十数分ほどで出発の準備が出来、隊列を組んで、馬車は出発しました。
「旅人様、どうして急に出発になったんですか?」
「まぁ、わかってると思うがフレイムワイバーンの位置がわかったからだな……奴は、ここから少し離れたところで寝ている」
「え?そ、それは危ないんじゃ……」
「あぁ、危ない、危ないからこそ急いでこの場を離れることにしたんだ」
「なるほど……」
「あれを相手にするにしても、こんな場所じゃしんどいだけだからな……とにかく距離をとる……最悪追ってきたら戦うことになるが……だとしてもなるべくこちらが有利に動ける場所にしたいからな」
「なるほど……確かに飛んでるフレイムワイバーン、すっごくおっきかったですもんね」
「あぁ……大体10Mはあるなあれは……」
「ふぁぁ……」
「とにかく、急いで移動……いつ気づかれるかわからん、もしやつが動いた場合は俺が対処する、馬車の扱いはアンナに任せる」
「えっ!は、はいっ、わかりましたっ」
さて、それからはとにかく移動、なるべく急ぎ目で道を進んでいきます……道中魔物も出てきますが、基本は無視や振り払う程度で済ませながら……
「グォオオオオオオオオオオオオオン!」
馬車で移動をしていると、大きな声が聞こえてきました……それがなにかは見なくてもわかります……
「た、旅人様っ」
「わかってる……」
「こっからは馬車を頼む」
「は、はいっ」
私は旅人様と御者を変わります……といっても、私はそこまで上手いわけでもないですが……
「お馬さん、お願い!」
お馬さんは私を一瞥すると、頷いてくれました……お願いが届いたのかな……?
ドゴォオオオオオオオン
後ろから何かすごい音と、それと熱が来ました……とにかく私は必死に手綱を握って、馬車を先に進めます……うん、お馬さんがいい子だから、この中でも進んでくれる……でも、問題が出てきました……
「うわっ!しっかりしろっ」
「やばいっ!」
「ぶつかるぞ!」
周りは大混乱です……フレイムワイバーンの咆哮やさっきの爆発に驚いた馬さん達がパニックを起こしてしまっています……そのせいで、馬車がぶつかったりしてトラブルになっています……幸い倒れたりしてないのが救いですが、馬さんを落ち着けないと逃げることができません……
「旅人様は、大丈夫かな……」
後ろからは変わらず、フレイムワイバーンの大きな声、それと戦ってるであろう攻撃音が聞こえてきます……ほんとなら手助けをしたい、でも私じゃ足手まといにしかならない……とにかくここから少しでも離れないと……
「アンナちゃんっ!」
「ラニィさんっ!大丈夫ですか?」
「うん、こっちはどうにかね……ただ、商隊の馬が怖がっちゃってるね……あれじゃ逃げれない」
「どうしましょう……」
「うん、それなんだけど、もうここで迎え撃つことになったよ……」
「だ、大丈夫なんですか?」
「正直、厳しいね……さすがに狭すぎる……これじゃあ展開して戦うのは無理だし、あのデカブツのいい的……ただ、アンナちゃんの彼が戦って気を引いてくれてるからどうにかチャンスはあるかもって」
「そうなんですね……わ、私はその、怪我を治すぐらいしかできないですが……」
「いやいや、それが重要だから、ちょっと無茶しても死ななきゃ治して貰えるって思えるだけマシなのよ」
「は、はい」
「期待してるから、じゃあ、ちょっとがんばって くるねー」
「お気をつけてっ!」
そうして、冒険者の人達はフレイムワイバーンめがけてかけていきました……あんなにおっきな怪物をどうやって倒せばいいんだろう……私には祈ることしかできません……