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第57話

「ふぁ~……おはようございましゅ……」


「あぁ、おはよう」


「カペラもおはよ~」


「きゅぅ~」


 さて、目を覚まし……今日も星読みの魔女さんのところでお仕事です!酒場に降りて女将さんに朝食を用意してもらって旅人様と一緒にご飯を済ませると、早速、昨日いった研究所に向かいました。



「おはようございます……」


「あっ、おはよーよく来てくれたわね」


「おはよう、今日はなにを?」


「まぁ、そう急がなくてもいいわよ……お茶を用意したから一緒にいかがかしら?」


「あぁ、いただこう」


「い、いただきますっ」


 さて、星読みの魔女さんが用意したお茶をいただきます……とても、とても、濃いです……見た目もすっごく深い濃い緑です……


「ゴクッ……」


 覚悟を決めてお茶を飲みます……


「!!???」


 苦い、苦い?苦いとかいう次元じゃないっ!人の飲み物じゃないよこれっ!うんんんっ!!!!


「死ぬほど不味いな……」


 !!!?旅人様っ!そんなはっきりっ!?確かにまずいですけどっ!!


「あははははっ!やっぱり?私ってお茶淹れるの下手なのよねぇ~うわっ、にがっ!まっずっ!」


「そんなもの人に飲ませないでください」


「ごめんごめんっ!さって、喉も潤ったことだし、お手伝いをお願いしようかしら」


「特に潤ってないですけどね、それでなにしますか?」


「えぇ、旅人君には今日も素材集めをお願いしたいわ」


「わかりました」


「それで、アンナちゃんは……大丈夫?」


「う”、うぐぅう……」


「あはは、だいぶお茶が効いてる見たいねぇ……まぁ、旅人君はお願いね、アンナちゃんは回復したらお願いするわ」


「わかりました」


 苦味で苦しんでいる私は、それからしばらくしてようやく回復しました……


「はぁはぁ……死ぬかと思いました」


「ごめんごめん、それでお手伝いできるかしら?」


「は、はい……」


 さて、この後は昨日同様に魔法をつかったりしてのお手伝いです……なんの実験になってるかはまったくわかりませんし聞いても多分理解できないので聞かないことにします……


「んーこのぐらいかしらねぇ……」


「あっ、わかりました」


 星読みの魔女さんの言葉で魔力の注入を止めます……ちなみにこれがなにになるのかはわかりませんっ


「あの……」


「どうしたの?」


「いえ、その……この、その、私がしてることって、役にたつんでしょうか?」


「えぇ、すごく役にたつわよ♪」


「そう、ですか……なら、いいんですけど」


「んーアンナちゃんは一般的な魔法使いを知らないんだっけ?」


「えっと、一応、ここに来る前に一緒だった人に魔法使いの人もいましたけど、魔法のお話はしたことはないです」


「なるほどねぇ……そうねぇ、魔法使いってね、魔法を使うのに魔力を必要とするわけじゃない」


「はい」


「でも、魔力って個人差があるの……どれだけ有能な魔法使いだって魔力量が少なければ、実力を発揮できない……私達はその限られた魔力を使って研究をするわけだけど……」


「はい?」


「あなたみたいに魔力量がとんでもなく多い子がいるだけでね、私達の研究は大きく進むの、何せ今の作業だけでそこらの魔法使いの研究の100日分ぐらいになるんじゃないかしら?」


「ひぅっ、そ、そんなにですか?」


「えぇ、それほどまでに魔力量っていうのは重要なのよ……それを大量につかえるアンナちゃんの協力を得られるっていうのは私はすごく助かるのよ」


「そっか、なら、よかった、です……///」


「ふふふ……さて、まだ疲れてない?」


「はい、まだ余裕です」


「じゃあ、次はこの金属に魔力を流してみて、そうねぇ……私がいいっていうまでお願い」


「わかりました」


 星読みの魔女さんからわたされた金属に魔力を流します……ん?さっきまで使ってたものに比べると魔力の流れが悪いというか入りづらい?


「いいわね……その調子でお願い」


「あ、はい……ン……なんだか、流れが悪いような気がします」


「そうね、この金属は魔力を通しずらい性質があるのよ」


「そんな金属もあるんですね……」


「えぇ、普通の魔法使いなら1分ほどで魔力を流せなくなるわね」


「ふぇ?」


「アンナちゃんなら問題ないでしょうから、そのままお願いね?」


「は、はい……」


 とりあえず、引き続き魔力を流します……ムムム……もうちょっと、もうちょっと……わわっ!急に魔力の流れがよくなった!?


「あ、あのっ」


「アンナちゃん、ストップ!」


「は、はいっ」


 魔力を流すのを止めると、魔力を流して鉱石にヒビが入っているのが見えました……あっ、こ、壊しちゃった、やばいっ


「あ、あの、えっと、あっ、あう」


「大丈夫よ、別に壊れても問題ないから」


「そ、そうなんですか?」


「えぇ、それにしても……途中で魔力の出力をあげた?」


「い、いえ、よくわからないですが、急に魔力が流しやすくなって」


「急に流しやすく……ふむ、なるほど……」


「えっと、これって……」


「そうね、これはおもしろいわね……魔力を通しずらい性質があるのに、一定以上の魔力を流すと逆に魔力を通しやすい材質に代わる……これは面白い発見だわ」


「え、えっと、よかった、ですか?」


「えぇ、ありがとうっ!この鉱石の新しい使用方法がもしかしたら見つかるかもしれないわ」


「それなら、よかったです……」


「それにしても、まだまだ余裕そうね?」


「え?は、はい……特に問題ないです?」


「あきれるほどの魔力量ね……じゃあ、次はこれにお願い」


 それからも、疲れるまで魔力を流す作業を繰り返すのでした……結構大変だぁ……


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