「それでは続いての問題はこちら」
【ワイン】
「片方は一本二千円のワイン。もう片方は一本六万円のワインを用意しました」
そう言いながら俺は四人の前にワイングラスを置いた。
「それではまずはAのワインからどうぞ」
そう言うと雫月とリンさんは真っ先に口に含んだが、リサさんは匂いを嗅いで百合さんは色を確認していた。
「うん、美味しい!」
「美味しいけど私ワイン飲んだことないから自信ないなぁ~」
「因みにこの中でワインをよく飲む人っていますか?」
「私はたまに飲む程度かな」
「……飲んだことあるのはリサさんだけのようですね。それでは続いてBのワインをどうぞ」
すると今度は雫月とリンさんも二人を見てなのか匂いを嗅いだり色を見ていた。
けれどAのワインでそれをしていないから意味がない気が……。
「え? わかんない」
「どっちも美味しいよ。三葉くん間違えて同じの入れたんじゃない?」
「ちゃんと違うのを入れましたよ。因みにこのメンバーでお酒が弱いのはリンさんと雫月で、強いのは百合さんとリサさんですね」
:百合さんとリンさん意外過ぎる。
:ギャップヤバい。
:雫月ちゃんが弱いのは解釈一致。
:リサさんが強いのは知ってる。けど雫月ちゃんは弱いか。
「そうそう昨日も雫月ちゃんね――」
「ちょっとリサちゃんストップ!」
昨日の事を話し始めようとするリサさんの口を全力で塞ぎに行く雫月。
そんな二人を見て笑みを浮かべる百合さんとリンさん。
:え、めっちゃ気になるんだけど。
:リサちゃん配信でこっそり頼む。
「絶対にダメだからね!」
「分かった、分かったってば」
「はいはい、それでは答え合わせに行きましょう。一斉にどうぞ」
雨音雫月:A
沢村リサ:B
早乙女百合:B
柊リン:B
「雫月だけがAですが何でAだと思ったんですか?」
「Aの方が飲みやすくて美味しかったから!」
「だそうです。それでは正解はこちら」
「え、なんか反応薄くない⁉」
【B】
「という事で雫月以外の全員が正解ですね」
「もー! だから反応適当だったの⁉」
:これで今の所Sランクはリンちゃんだけになったか。
:雫月ちゃんは絶対Sで終わらないと思ってた。
「残るお題は後二つなので頑張ってくださいね」
「でももう一問間違えても百合ちゃんの手作り料理が食べれるから全然大丈夫!」
:それはそう。
:でも百合ちゃんに負担をかけることになるぞ。
「私は料理好きだから負担とか思ってないよ」
「じゃあ次の問題間違えちゃおうかな!」
「おいアホ雫月。真面目にやりなさい」
「アホじゃないもん! 冗談だもん、真面目にやるもん!」
:アホではあるんだよなぁ。
:これ雫月ちゃん残り二問間違えるんじゃね。
「それじゃあ次のお題はこちら」
【サイン】
「片方のサインは俺が考えて書いたサインでもう片方はプロ方に創作していただいたサインになります」
「え、難しいかも。どっちのサインも綺麗で良いなって思っちゃう」
「てか三葉くんサイン考えるの上手いね! どっちのサインもプロの人が書いたって言われてもなんも違和感ないもん」
:個人的にはAのサインの方が好き。
:Bは一目で三葉くんの名前が読めて且つ綺麗だから好き。
「因みに没になったサインが二十個以上あります。徹夜で考えました」
「今度三葉くんに私のサインも考えてもらおうっと」
「もうちょっと勘弁してほしいですね」