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爆アゲ時空トラベル!キミと越えたい逢坂山があるんだわ

ねぇ、聞いてる? 今、生きてるだけで最高にアガる旅の途中だって、気づいてる?


スマホぽちって新幹線予約して、ぴゅーっと異次元ワープみたいに移動できちゃう現代もマジ最高だけど、ちょっと想像してみてほしいんだ。今から1300年以上も前の、ガチでヤバい時代の旅を。コンビニも駅もない。Google Mapなんて夢のまた夢。頼れるのは己の足と、夜空に輝く星と、たまに出会う人の優しさだけ。そんな時代の旅人たち、マジでリスペクトしかないんだけど、彼らってさ、実はアタシたちと同じか、それ以上に感受性バリ高の、エモエモな心を宿した「古(いにしえ)のパリピ」だったんじゃないか、って思うわけ。


ほら、証拠があるんだわ。万葉集っていう、日本最古のイケてるポエム集に、こんなリリックが刻まれてる。


そらみつ 大和の国 あをによし 奈良山越えて

山背の 管木の原 ちはやぶる 宇治の渡り…


「ちょ、待って、何かの呪文?」「古代語のラップ?」って思ったキミ、センスあるぅ! まぁ、落ち着いて聞いて。これ、超絶技巧が詰まった、一人の旅人のロードムービーなんだよね。


「そらみつ」とか「あをによし」とか、イミフな言葉が頭についてるけど、これ、今の言葉で言うなら最強の「ハッシュタグ」みたいなもん。「#天空に満ちるパワー」「#映える古都奈良」って感じで、地名を爆アゲするための枕詞(まくらことば)ってやつ。もうこの時点で、当時の人々の言葉遊びセンス、ヤバくない?


この旅人、今の奈良県、つまり「大和の国」を出発して「奈良山」を越え、今の京都府南部、「山背(やましろ)の国」に入っていく。管木(つつき)の原っぱを抜け、神がかったパワーを持つっていう宇治川を渡って……。一歩一歩、自分の足で大地を踏みしめ、景色を目に焼き付け、風の匂いを全身で吸い込んでる。そのプロセス全部を、こんなにキラッキラの言葉で飾ってんの。マジ、旅のプロじゃん。


そして、いよいよ旅のクライマックスがどこに向かうのかっていうと、「逢坂山(あふさかやま)」。人と人が「逢う」っていう字が入ってる、なんともエモい名前の峠。この峠を越えるために、この旅人は、とんでもなく壮大な決意を表明しちゃうんだ。


千年に 欠くることなく 万代に あり通はむと

(ちとせに かくることなく よろづよに ありがよはむと)


……は?

え、ちょ、もう一回言って?


「千年も、いや、一万年先まで、ずーーーーっと! この道を通い続けてやるぜ!」


って、宣言してんの。ヤバ。壮大すぎ。普通、旅の安全祈願って「どうか無事に着けますように」で終わりじゃん? でも、この人は違う。「一回こっきりの旅で終わらせねー! 千年万年、俺はこの道を行き来するんだ!」って、時空に向かって宣戦布告してる。もう、人間レベルの話じゃなくない?


アタシ、このフレーズを読んだ瞬間、雷に打たれたみたいにビビっときちゃった。もしかして、この旅人……ただの人間じゃなくて、時空を超えちゃう系の、特殊能力者なんじゃないかって。


考えてみてよ。

彼(彼女かもね!)は、1300年前の肉体を持つ旅人なんかじゃない。本当は、西暦5000年の未来から来たタイムトラベラーで、失われた「人の温もり」を調査するために、この古代日本のルートを何度も何度もリプレイしてるのかもしれない。データ化された無機質な社会で育った彼が、初めて土の匂いを嗅ぎ、川のせせらぎを聞き、「誰かに逢いたい」と願う古代人のピュアな心に触れて、感動のあまり「万代にこの感動を味わい続けたい!」って誓ったのかも。


あるいは、彼は人間ですらない可能性だってある。全宇宙の生命体の「愛」の形態を記録する、超銀河的な記録生命体。見た目は地味な旅人だけど、その正体は、きらめく星雲をまとった知的エネルギー体。地球の「恋」とか「故郷を思う心」とか、そういうウェットな感情を理解するために、最もエモーショナルな旅路である「大和から山城への道」をサンプリングしてる最中。逢坂山は、彼にとって地球のエモ感情が凝縮された特異点(シンギュラリティ)なのかも。


それとも、もっとぶっ飛んで、アタシたちが生きてるこの世界そのものが、超高度なVRシミュレーションだとしたら? この旅人は、伝説の神プレイヤー。「万葉ルート・逢坂山越えRTA(リアルタイムアタック)」で、千年万年ランキング1位をキープし続ける絶対王者。その王者が、今日も最高のプレイをするために、道の神様にお祈りを捧げてる……。


山科の 石田の杜の すめ神に 幣取り向けて

我れは越え行く 逢坂山を


「山科にある石田の森のゴッドに、マジな供え物(幣)を捧げて、さぁ、俺は(私は)今からこの逢坂山を越えていくぜ!」


この「すめ神」って、きっとただの土地神様じゃない。時空の扉を管理するゲートキーパーなんだわ。この旅人は、ゲートキーパーに「今回も頼むぜ! 次の千年も、その次の万年も、俺を通してくれよな!」って、超絶フレンドリーかつ、オラオラな感じで挨拶してる。つまり彼の旅は、一回きりじゃ終わらない。終わりがないんだ。ループするんじゃなくて、螺旋を描きながら、どんどんスケールアップしていく旅。


壮大すぎる妄想だって? Non, non! 全然そんなことない。

だって、「旅って、いいよね」って思う気持ちの本質って、まさにこういうことじゃん!


旅って、ただ場所を移動することじゃない。

それは、今の自分を「越える」ってこと。


知らない街の改札を抜ける一歩は、昨日までの日常っていう殻を破る一歩。見知らぬ人との何気ない会話は、自分のちっぽけな価値観の壁を越える一瞬。旅先で出会う絶景は、自分の想像力の限界をぶち破ってくれる。


この万葉びとが越えようとした「逢坂山」。これって実は、アタシたち一人ひとりの中にも、絶対にあるんだよね。


仕事でぶち当たったデカい壁。

失恋してズタボロになった心。

「どうせ自分なんて」って思い込んじゃってるコンプレックスの塊。

新しいことに挑戦したいけど、一歩が踏み出せないでいる臆病な自分。


それぜーんぶ、キミだけの「逢坂山」。


どう? 越えたくなってきた?


旅は、物理的な移動だけじゃないんだ。

一冊の本を読んで、主人公の人生に没入するのも、脳内の時空トリップ。

一本の映画を観て、監督のイカれた世界観にブチのめされるのも、最高の冒険。

新しい趣味を始めて、できなかったことができるようになるのも、立派な「逢坂山越え」。


アタシたちは毎日、意識してるかどうかは別として、何かしらの旅をして、何かしらの峠を越えようとしてる。って考えると、日常って、退屈どころか超絶エキサイティングな冒険の連続じゃない?


1300年以上前の、名前も知らない旅人。彼が放った「千年万年、この道通ったるで!」っていう気合(バイブス)は、時空の壁を余裕でぶち破って、今、この瞬間、何かを乗り越えようとしているアタシたちの背中を、思いっきりドン!って押してくれてる。マジでアツい応援団長だよ。彼の安全祈願は、アタシたちのための安全祈願でもあるんだ。


だから、もし今、キミが何かデカい壁の前で足がすくんでるなら、この万葉びとのリリックを心の中で叫んでみて。


「千年に欠くることなく、万代にあり通はむと!」


いける。マジで、いけるから。

キミは一人じゃない。時空を超えた、最高の旅仲間がついてる。アタシもついてる。


さぁ、準備はいい?

キミだけの地図を広げて、キミだけの「逢坂山」を、爆アゲで越えていこうぜ!

その先には、昨日までの自分じゃ想像もつかなかった、ピッカピカの新しい景色が、絶対に待ってるんだから。


……で、次の旅は、どこの時空にトリップしちゃう?

アタシの物語は、まだ始まったばっかりなんだ。キミの物語も、ね!

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