翌日――。
ジェムとコスミは、ノース・ドラゴンヘッドへ朝一番で帰還の途に着いた。そして、それより少し遅れてキリが護衛のアサシンを連れて、ドラゴンテイルへ旅立とうとする。
街の入り口で、キリがイオルクに声を掛ける。
「では、駐屯するアサシンの先遣隊を置いていく。あとは、ヒルゲを引き渡してくれればよい」
「送らないで連れて行くの?」
「ふむ、それもそうじゃな。護衛のアサシンが減っているのに余計な荷物を持っていくのは大変か……」
「アイツは物ですか?」
「どっちかと言うとゴミじゃな」
ヒルゲの扱いが酷いのは当然であった。それだけ卑劣なことをヒルゲはしている。
「ゴミを引き取るアサシンは、また送る。では、わらわはこれで戻る。以降の連絡は、手紙で行なうとしよう」
「了解です」
キリは護衛のアサシンを連れて街を出た。
クリスがイオルクに話し掛ける。
「あとは、オレ達だな」
「ああ」
「ドラゴンアームに旅立ちだ」
ノース・ドラゴンヘッドからの連絡。騎士とアサシンの駐屯の完了。そして、ドラゴンアームへの旅立ち……。
しかし、その前に闇が少し動く。