「
この度は大変申し訳ございませんでした。
兵士たちによる
他の召喚者の方々へも、この通り心から
謝罪いたします」
王城の広間、その中央―――
銀の長髪をした、身分の高そうな女性が
周囲の人々を前に深々と頭を下げる。
その隣りにいる、魔導師ふうの男も
そろって頭を下げ、
「バダールの所業については聞き及んで
おります……
武田様がどのような扱いを受けたかも。
申し訳ございません……」
グリークはそう言って、俺の隣りの女性に
謝罪の言葉を発する。
散々、武田さんの事をゴミ呼ばわりし、
侮辱した口でよく言えたものだと思うが、
「後でアタシだけではなく、あなたたちが
『ゴミ捨て場』と称した町の人たち、
全員に謝ってください」
そこで呼ばれていた周囲の召喚者たちが
ざわつく。
『なんだと?』『どういう事だ?』
『アスタイル王国がそのような事を?』
と、動揺が広がっていくが、
「はい。その事についてももちろん、
謝罪しなければなりません。
バダールの所業、そして今回新たに
召喚者である島村によって行われた事、
それについても、わらわたちに責任が
あるでしょう」
アンク王女様の言葉に、
「島村が?」
「そういえば、前回派遣したはずだが……」
「彼が何かしたのか?」
と、口々に疑惑の声が上がり―――
するとそれを制するかのように、
グリークが片手を水平に流す。
「……実は、島村についても話さなければ
ならない事があります……
実は先日、彼が王家の一員に対し……
奴隷を要求した事が発覚したのです……
それも女子供を寄越せ、と……」
その発表に、ざわついていた場内は
静まり返る。
続けてアンク王女様が、
「その後、わらわの方で彼の追跡調査を
行ったところ―――
今まで島村が倒したであろう召喚者
たちも、話し合いの意向を示していた
事が発覚しました。
彼は
それ目当てで、進んでそのような依頼を
受けていたと推測出来ます。
同時に彼は、報酬と引き換えに
暗殺のような事までしていたと。
わらわとしては、将来を誓い合った
彼が……
そんな非道な事をしていたとは信じたく
なかったのですが」
そこで目元を伏せ、震える。
まあ100%ウソ泣きだろうけど。
「もちろん、王家が絡んでいた事について、
その責任を否定する事は出来ません。
その証として、そのような恥知らずは
王族といえど罪は免れない―――
そのように考え、この場に
連行いたしました。
どうかお受け取りを、雨霧様」
そこに引き立てられて来たのは、
アンク王女様より若い、まだ十代後半に
見える、シルバーのロングウェーブの
髪をした少女だった。